地域内で競技を続けられる場を整備
和歌山県すさみ町に中学生を主対象としたクラブチーム、「すさみバレーボールクラブ」が発足した。公立中学校の部活動を地域で支える「地域展開(地域移行)」の動きに合わせ、町内でバレーボールを続けたい生徒の受け皿をつくるのが狙いだ。小学生の参加や近隣市町からの通所も受け入れる。
練習拠点と指導体制
クラブは既存の小学生クラブを改組し、小学部と中学部を設置して本年度から活動を再出発した。練習は町内の以下の体育館を活用する。
- 神田体育館
- 周参見中学校体育館
- 周参見小学校体育館
指導者は日本スポーツ協会公認資格を有するスタッフが担当する。会費は月額3千円で、見学や体験だけの参加も可能としており、参加のハードルを下げる運営方針を取っている。問い合わせ先はすさみバレーボールクラブ(080-2560-6248)。
移住して指導に当たるコーチの役割
クラブを支えるコーチの一人に、元トップリーグのスタッフ経験を持つ村上昴さん(33)がいる。村上さんは仙台大学在学中にデータ分析や戦術提案を担当した経歴があり、U18アジア大会で日本代表に帯同した経験もある。退団を機に東北からすさみ町へ移住し、7月から地域おこし協力隊として活動。交流拠点「C-port(シーポート)」のスタッフを務めながら、子どもたちの指導に当たっている。
「見学や体験だけも可能なので、バレーボールを続けたいと思っている子や、経験がない子も、男女ともに気軽に来てもらえたらうれしい」
地域への期待と実際の影響
すさみ町には従来、小学生向けのクラブチームがあったものの、町内の中学校にバレーボール部が設置されていなかったため、中学生が競技を継続するには他市町へ通う必要があった。今回のクラブ設立は、次のような具体的影響が見込まれる。
- 町内で練習・活動が完結することで通学外の負担が軽減される。
- 小学生から中学生へ移行する際の離脱を防ぎ、競技人口の流出抑制につながる。
- 外部の競技経験者や高い専門性を持つ指導者の参画で指導の質が向上する可能性がある。
運営面と参加を検討する保護者へのポイント
参加希望者や保護者にとって留意すべき点は明示されている。会費は月3,000円で、見学・体験が可能なため、まずは一度現場を確認してから参加の判断ができる。練習場所が複数あるため、送迎や練習日の確認は事前に行う必要がある。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学生主体(小学生も可) |
| 練習拠点 | 神田体育館/周参見中・小学校体育館 |
| 指導 | 日本スポーツ協会公認資格を持つ指導員 |
| 会費 | 1人月3,000円 |
| 問合せ | すさみバレーボールクラブ(080-2560-6248) |
今後の見通しと地域スポーツの在り方
地域のスポーツ活動は指導者の確保や施設確保が課題になりやすい。今回のクラブは有志と経験者、地域資源を組み合わせた形で立ち上げられており、持続可能な運営を維持できるかが今後の焦点となる。村上コーチは「チームメートを一生の仲間に」と意欲を示し、季節行事や野外活動も計画している。競技力だけでなく、子どもたちの成長や地域との接点づくりを重視する方針は、住民参加と地域コミュニティの維持にも寄与する可能性がある。
地域でスポーツを続ける選択肢が増えることは、子どもと保護者にとって通学負担や移動時間の軽減、仲間づくりの機会拡大という実利をもたらす。参加や見学を検討する保護者は、練習場所や日程、送迎方法などを事前に問い合わせておくとよい。
(執筆:岡田 美穂)