概要と確認状況
静岡県の公式ホームページを装った偽サイトが複数確認され、県は住民に対して注意喚起を行っている。トップページのデザインや富士山の写真など、本物と見分けがつきにくい作りのサイトがあり、一方でリンク先に進むと文字化けや不自然な日本語表記が見られるケースが確認されている。
県・専門家の指摘
静岡県の鈴木康友知事は今回の事態について「本当にけしからんことでして、これやっぱり憂慮すべきことでございます」と述べ、ホームページ閲覧時のURL確認を呼びかけている。ITジャーナリストの三上洋氏は、トップページ自体は本物のHTMLをダウンロードして流用している可能性が高く、リンク先の不自然な表記は文字コードの不一致や読み込みの失敗が原因として考えられると分析している。
「狙いの1つは個人情報の収集です。リンク先でクレジットカード番号やパスワードを入力させるなど、場合によってはコンピューターウイルスに感染させようという目的も考えられます。」 — ITジャーナリスト 三上洋氏
被害想定と住民への影響
専門家の分析を踏まえると、偽サイトの主な狙いは以下のいずれかと考えられる。
- 個人情報の不正取得(クレジットカード情報、ID・パスワード等)
- マルウェアやランサムウェア等の不正ソフトウェアの侵入
- 偽の手続きや申請を通じた詐欺的な現金・送金要求
影響は個人単位にとどまらず、自治体が提供する情報やサービスへの不信感を招き、災害時や生活支援を要する場面での混乱を生む可能性がある。特に高齢者やITリテラシーの低い層は、見た目で判断してしまう危険性が高い。
静岡県の確認状況(報道による)
報道によれば、静岡県は2026年4月以降に偽サイトを6件確認しており、県警を装ったサイトなども見つかっている。偽サイトには本来存在しない申請欄が設けられているケースもあり、偽の担当者がビデオ通話等で誘導する手口が関与している疑いがあるという。
| 確認時期 | 確認件数(報道) |
|---|---|
| 2026年4月以降 | 6件 |
見分け方と具体的な対策
見分けがつきにくいケースがあるため、以下の点を日常的に習慣化することが重要だ。
- URLを必ず確認:ブラウザのアドレスバーに表示されるドメイン名が公式のものかを確かめる。疑わしい場合はブックマークや県の公式SNSを経由してアクセスする。
- リンクは安易にクリックしない:メールやSNS、SMSで届いたリンクは特に注意。公式からの案内であっても、送信元が不明確なら一度公式サイトや窓口に問い合わせる。
- 個人情報は入力しない:クレジットカード情報やパスワード、マイナンバー等の入力を求められた場合は正規の案内かどうか必ず確認する。
- 不審な動作があればすぐに相談:アクセス後に不審な画面遷移やダウンロードが始まった場合は接続を切り、県や警察、プロバイダに相談する。
自治体・企業側の対応例と期待される措置
自治体側は偽サイトの発見時に速やかに情報発信を行い、公式サイトの正確なURLや確認方法を周知する必要がある。併せて、被害が発生した場合の相談窓口の案内、メール・SMS等での疑わしい連絡があった際の対応フローを公開することが住民の安心につながる。
企業側では、検索結果に偽サイトが上位表示されるケースを想定した情報発信の強化や、技術的にはドメインの正当性を示す認証(例:SSL/TLSの適切な設定)や、コンテンツの改変を検出する仕組みの導入が効果的だ。
静岡県民への実用情報
身近な具体策として、以下を推奨する。
- 自治体窓口や公共サービスを利用する際は、公式の電話番号やメールアドレスを事前に確認しておく。
- 不審サイトを見つけた場合はスクリーンショットを保存し、県の相談窓口または最寄りの警察署に連絡する。
- 高齢の家族がいる家庭では、普段使う公式サイトのブックマークを作成して教えるなど、日常的なIT教育を行う。
今回の事例は見た目の類似性で信用を得た上で、リンク先での不正な情報取得やプログラム実行を狙う典型的な手口と考えられる。県が呼びかけるように、アクセス前のURL確認を習慣化することが地域の被害防止に直結する。
(取材・森 千尋)