県産材中心の木造店舗が四国中央市に開店
セブン‐イレブン・ジャパンは、愛媛県四国中央市に国産木材を100%使用した木造店舗「セブン‐イレブン四国中央中曽根町店」を7月23日に開店すると発表した。店舗の建築に県産材を中心とした国産木材を用いるとともに、日常の使用電力は四国の木材を活用したバイオマス由来の再生可能エネルギーでまかなうという、建築と運用を通じた環境負荷低減を打ち出す事例となる。
セブン‐イレブン四国中央中曽根町店を7月23日にオープンする。
今回の出店は、農林水産省が推進する「建築物木材利用促進協定制度」に基づき、セブン‐イレブン・ジャパンが2024年8月に同省と協定を締結した流れの一環だ。加えて愛媛県が実施する「令和7年度民間建築物木材利用支援事業」を活用することで、県産材需要の拡大と脱炭素社会実現への貢献を目指している。
建築とエネルギー運用の両面で地域資源を活用
店舗の建築資材に国産材を全面的に採用することは、地域林業に対する安定的な需要の創出につながる可能性がある。加えて店舗の運用面では、これまで四国電力との協力で約300店舗において四国の木材を燃料としたバイオマス発電由来の電力を活用してきた実績があり、今回の店舗ではその方針をさらに明確化している。報道によれば、四国エリアの一部店舗ではバイオマス由来が店舗使用電力の約75%を占めているという。
導入する技術と循環の仕組み
新店舗では、屋根上の太陽光発電に加え、ペロブスカイト太陽電池やフェンス状の垂直ソーラー、小型蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを導入する。さらにAIを用いた空調運転の最適化サービスも採用し、創エネ・省エネ・蓄エネを統合した実証を進めるとしている。将来的な建替えや解体時には発生する木材をバイオマス発電の燃料として活用する案や、発電で生じる灰の建材・肥料としての再利用検討も示されており、資源循環を意識した設計だ。
- 建築面:県産材を中心に国産木材100%を使用
- 運用面:四国由来のバイオマス電力や太陽光・蓄電池・AIで省エネ化
- 循環検討:解体材のバイオマス利用や灰の再利用など
地域への影響と課題
今回の店舗は、地元林業や木材加工業に対して市場の一つとしての期待を生む一方で、持続可能な需給の確保や品質管理、流通体制の整備といった現実的な課題も伴う。国産材の安定供給は価格や規格の面で都市部に比べて脆弱になりがちであり、継続的な発注と適切な調達ルートの構築が不可欠だ。また、建築・運用に関わる新技術の導入は初期コストや保守の負担を伴うため、事業性の確保と地域事業者への波及効果をどう高めるかが問われる。
一方で行政支援と企業の取り組みが組み合わさった点は注目に値する。県の支援事業を活用することで初期導入のハードルを下げ、事例を地域内に広げることで複数の民間事業者が国産材活用に踏み切る誘因になり得る。地元の雇用や木材加工の受注増に結びつけば、中山間地域の林業振興や循環型地域経済の構築にも寄与すると考えられる。
住民にとっての実用的な情報
店舗利用者にとっては、従来の店舗と同様に日常の買い物利便性が維持される一方、建築資材や電源が地域資源に依存している点は地域ブランドの高まりにつながる。自治体や地元事業者との連携による商品開発や地域産品の販売が進めば、地場産品の販路拡大という具体的な効果が期待できる。
| 項目 | 今回の特徴 |
|---|---|
| 建築材 | 国産木材100%(主に愛媛県産材) |
| 電力供給 | 四国の木材を活用したバイオマス由来の再生可能エネルギー+太陽光等 |
地域住民や地元事業者は、県や市が実施する木材活用支援策の内容や今後の発注見込みを注視することが重要だ。具体的には、県の支援を受けるための手続きや対象となる建材・加工工程の条件、将来的な継続発注の有無などを行政窓口で確認するとよいだろう。また、木材供給側は品質管理や流通体制の強化、加工技術の向上を図ることで、こうした民間需要を取り込むチャンスを広げられる。
今回の出店が短期的に地域経済に与える直接的なインパクトは限定的かもしれない。しかし、モデルケースとしての成功は、県産材を軸にした民間投資の拡大や、再生可能エネルギーを組み合わせた店舗運営の普及につながる可能性がある。今後は発注量の実績や地元産業への波及効果、導入したエネルギーシステムの稼働実績などを継続的に確認していく必要がある。
(青木 沙織・愛媛県担当記者)