県が雇用の好事例を公募 対象は就業継続に取り組む企業等
埼玉県は、難病患者の雇用や治療と就業の両立に積極的に取り組む事業者を「難病患者雇用モデル企業」として募集すると公表した。改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)に基づき、令和8年4月から事業主に「治療と就業の両立支援」が努力義務となることを受け、県内での雇用環境整備と定着促進を図る狙いだ。
募集対象となるモデル企業は、難病患者をおおむね半年以上継続して雇用していることなどの基準を満たす必要がある。加えて、就業規則等において法律を上回る形で次のいずれかの制度を設けるか、それに準じる取組を実施していることが求められている。具体例としては、時間単位での年次有給休暇、傷病休暇、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤、再雇用やカムバック制度などが挙げられている。
県は選定した企業に対し選定書を交付するとともに、県のホームページ等で企業名や取組内容を広く紹介する方針だ。募集は令和8年7月30日から随時受け付けるとしており、申込は県ホームページからの申込書ダウンロード後、電子メールで提出する方式となっている。
今回の公募は、制度導入を促すだけでなく、企業の好事例を見える化することで他企業の参入を促す意図があるとみられる。さいたま市内の雇用市場にとっては、難病や長期治療を抱える労働力が離職せずに働き続けられる環境整備が進めば、労働力の確保や人材定着、職場の多様性確保に寄与する可能性がある。
住民や事業者が知っておくべきポイントは次のとおりだ。
- 企業側のメリット:治療と就業の両立支援に取り組むことで、人材の定着や生産性向上につながる可能性がある。県による公表で採用ブランディングにも資する。
- 当事者の視点:既に就業中の難病患者が現在の職場で継続就労しやすくなるほか、求人票に両立支援を明記する企業が増えれば求職時の選択肢が広がる。
- 手続きと窓口:申請は電子メールでの提出。詳細や申込書は県ホームページで確認できる。
以下に公表資料に明記された募集要項の要点を整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な選定基準 | 難病患者を概ね半年以上雇用、就業規則等で両立支援の制度を設置(例:休暇・勤務制度等) |
| 募集期間 | 令和8年7月30日から随時申請受付 |
| 申込方法 | 県ホームページから申込書をダウンロードし、電子メールで提出 |
| 問合せ | 埼玉県 産業労働部 就業支援課(電話 048-830-4536、メール a4510-10@pref.saitama.lg.jp) |
制度の具体例として資料で示されているのは、次の通りだ。
- 休暇制度:時間単位年休、傷病休暇、病気休暇など
- 勤務制度:時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤など
- その他:再雇用、カムバック、ジョブ・リターン制度等
雇用を考える事業者にとっては、まず現在の就業規則や労務管理の仕組みを点検し、当事者の通院や治療に柔軟に対応できる制度を整備することが求められる。求人票に「治療と就業の両立支援(通院等)」の記載を行うことで、難病のある求職者へ情報提供する手段にもなるとされている。また、ハローワークの難病患者就職サポーターへの企業情報提供や、県の難病雇用促進アドバイザーが実施する実習・インターン等の受け入れも評価対象となる。
さいたま市内の中小事業所や人事担当者は、今回の募集を契機に自社の制度を見直すことが望ましい。特に在宅勤務や短時間勤務などは、労働契約や業務管理の見直しで導入しやすい面があり、柔軟な運用が長期的な人材確保につながる。また、企業側が県に登録されることで地域の求職者に対する周知効果が期待できる。
問い合わせ先は埼玉県産業労働部 就業支援課。募集要項や申込書の最新版は埼玉県の公式サイトで確認できる。