世界大会優勝の卒業生が母校で実技指導
大阪動物専門学校と大阪動物専門学校天王寺校で行われた特別体験実習に、使役犬訓練士の中野汀彩さんが講師として招かれた。中野さんは卒業生で、2025年に開催された「2025 FCI 災害救助犬チームワールドチャンピオンシップ」で優勝した実績がある。今回の実習は高校生や在校生を対象に、災害救助犬の現場で求められる基本技術と訓練士と犬との信頼関係の築き方を伝えることを目的に実施された。
参加者は、デモンストレーションを通じて高度なコントロール技術や、リードを使わずに離れた場所で犬と協働する実例を間近で見た。基本的な指導から応用の動きまで、段階に応じた取り組みを確認する時間となった。
- 講師:中野汀彩(MOMMY DOG NAKANO代表、同校卒業生)
- 実績:2025年の国際競技で優勝
- 対象:高校生、在校生など
「ほめる」訓練と信頼の積み重ね
実習では、クリッカーなどの道具を用いた報酬ベースのトレーニングが紹介された。参加者は、犬が望ましい行動を示した瞬間を確実に認め、少しずつ成功体験を積ませる手法を体験。指導では「犬を動かすのではなく、相手をよく見る」という考え方が強調され、成功を小さく切り分けて確実に積み上げることの重要性が示された。
「一つひとつの積み重ねが、人と犬との関係を育てていく」
この実習を通じて、参加した高校生は実践的な訓練法に触れるとともに、災害現場での役割や責任について理解を深めた。在校生にとっても、普段の授業とは異なる視点からの学びが得られる機会となった。
学校側の教育方針と地域への波及効果
大阪動物専門学校はドッグトレーナーをはじめ動物看護やグルーミング等のコースを設け、実践を重視したカリキュラムを掲げている。今回のように現場で活躍する卒業生を招く取り組みは、学校が目指す“実務に通用する人材育成”の一環だ。姉妹校との連携で公務員試験対策も実施しており、警察犬や災害救助犬のハンドラーとして公務に就く道も用意されている。
地域的な意義としては、訓練された救助犬と熟練した訓練士の存在は、大阪を含む被災地の捜索・救助能力を底上げする。人命に直結する分野であり、学校での養成プログラムが強化されることは、地域の防災体制にとってプラスに働く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実習講師 | 中野汀彩(MOMMY DOG NAKANO代表) |
| 主催校 | 大阪動物専門学校/大阪動物専門学校天王寺校 |
| 特長 | 世界大会優勝者による実践指導、体験型学習 |
住民・進路希望者への実用的情報
今回の実習は、動物と関わる仕事を志す高校生にとって進路選択の参考になる。興味のある人は学校のオープンキャンパスや今後予定される特別体験実習の案内を確認するとよい。学校側は同様の実習を7月20日にも開催予定としているため、参加希望者は事前に申し込み方法や参加条件を確認しておくことを勧める。
また、自治体や防災関係者は、専門校や民間の訓練機関と連携して救助犬の育成・配備体制を点検・強化することが地域防災力向上につながる。住民にとっては、近隣で訓練を受けた救助犬が活動することで、災害発生時の捜索体制にプラスの影響が期待できる。
大阪で育った人材が世界の舞台で評価される一方、その技術が地元へ還元される動きが続いている。専門教育の場で生まれるこうした循環は、地域の安全と将来の職業選択の幅を広げる点で意義が大きい。