府教委が2027年度公立高入試の主要項目を発表
大阪府教育委員会は2026年7月8日、2027年度(令和9年度)大阪府公立高等学校入学者選抜に関する基本事項を公表した。公表内容は各校が示すアドミッションポリシー(求める生徒像)、学力検査で用いる問題の種類、総合点を算出する際に学力検査成績と調査書評定にかける倍率のタイプ(I〜Vの5タイプ)などで、受験生や保護者、指導者は出願前に各校の公表内容を確認する必要がある。
「アドミッションポリシーは、各学校が求める生徒像、期待する生徒の姿を示したもの」
アドミッションポリシーは志望校選びの重要な判断材料であり、出願時に作成する自己申告書の参照資料にもなる。高校側は学力検査の成績や調査書の評定に加え、アドミッションポリシーに基づいて合否判定を行うとされるため、出願者は自己申告書の記載内容と学校側の期待が整合するよう準備することが求められる。
学力検査の問題区分と配点の違い
一般入学者選抜の学力検査は国語・社会・数学・理科・英語(リスニング含む)の5教科で実施する。うち国語・数学・英語は、難度別にA(基礎的問題)/B(標準的問題)/C(発展的問題)の3種類を作成し、各高校が教科ごとに事前に使用する問題種類を選択する。
英語のリスニングは、A・B問題で同一のリスニング問題を用い、配点はおおむね約20%。C問題を選択した場合はA・Bと異なるリスニング問題を使用し、配点はおおむね約33%とされている。リスニングの配点比率が問題種類で異なる点は、受験生の学習・当日の戦略に影響を与える。
学校別の問題選択の傾向と変更点
全日制課程のうち、文理学科など一部の学科では国語・数学・英語のすべてでC(発展的問題)を選択する学校がある。具体的には北野、大手前、高津、天王寺、豊中、茨木、四條畷、生野、三国丘、岸和田の文理学科10校が該当する。普通科でも一部の学校・学科が3教科すべてCを選んでいる。
今回の公表では、問題種類の変更やアドミッションポリシーの見直しも確認できる。たとえば長尾では数学がCからBへ、あるいはBからAへというような問題区分の変更がある旨が示され(※府の公表を参照)、また鳳では数学がCからBへ引き下げられる変更があるとされる。さらに金剛や淀商業ではアドミッションポリシーの変更、東住吉総合では倍率タイプの変更が行われている。
総合点算出の倍率(I〜V)と日程
学力検査成績と調査書評定にかける倍率は5種類のタイプがあり、各校がいずれかを採用している。公表資料ではタイプごとの倍率が示されており、例としてタイプI(学力検査1.4倍、調査書0.6倍)、タイプII(学力検査1.2倍、調査書0.8倍)といった組み合わせが挙げられている。倍率の違いは学力検査重視か内申重視かを示す指標となるため、受験校選びや学習配分に直接影響する。
| 項目 | 内容(公表例) |
|---|---|
| タイプI | 学力検査成績×1.4、調査書評定×0.6 |
| タイプII | 学力検査成績×1.2、調査書評定×0.8 |
出願・試験の日程は全日制一般入学者選抜で、出願受付が2027年3月3日〜5日、学力検査が3月10日、合格発表が3月18日とされている。中学3年生と保護者はスケジュールを逆算し、出願書類や自己申告書、受験対策の最終調整を行う必要がある。
受験生・保護者への影響と対応ポイント
今回の公表が意味する実務的な影響は次の点に集約される。まず、各校ごとの問題種類(A・B・C)とリスニング配点の差は、英語の配点比率や数学・国語の難度が受験結果に与える影響を左右する。次に、倍率タイプの選択は学力検査重視か内申重視かを示すため、日頃の内申管理と当日点双方の重要性を改めて確認すべきだ。
- 志望校のアドミッションポリシーを読み、志望理由や自己申告と整合するよう準備する。
- 各校が選ぶ問題区分(A/B/C)と英語リスニングの配点を確認し、教科別の学習配分を見直す。
- 倍率タイプに応じて内申(調査書)と学力検査のどちらを優先するか戦略を立てる。
府教委は各校の詳細や変更点を大阪府の公式ウェブサイトで公表している。志望校が決まっている受験生は、最終出願前に必ず該当校のアドミッションポリシー、学力検査問題区分、採用する倍率タイプを確認することを勧める。特に学力検査の問題区分変更があった学校に出願を検討している場合、従来どおりの対策では通用しない可能性があるため、過去問選定や塾・学校での最終確認を急ぐ必要がある。
地域の中学校や塾関係者は、今回の公表を受けて学習指導計画や模試の出題レベル調整、自己申告書添削指導などの対応を進めている。受験生本人は、出題難度や配点構成、倍率タイプの違いが合否に与える影響を踏まえ、具体的な得点目標と出願校の最終決定を行ってほしい。
(前田 学・大阪府担当記者)