全国で増加、帰宅や通勤時間帯に集中
日本民営鉄道協会は6日、JR各社や大手私鉄など計38事業者の集計で、2025年度に駅員や乗務員が暴力を受けた事案が590件に上り、前年度より68件増えたと発表した。鉄道需要の回復とともに暴力事案が増加し、新型コロナ禍前の水準に迫る状況だという。
発生状況と特徴
協会の公表によると、加害者に飲酒が確認されたケースは271件で全体の約4割を占める。年齢別の内訳では60代以上が141件、50代が117件、40代が99件と中高年層の割合が目立つ。発生場所は改札口が214件、ホームが163件。曜日別では土曜に多く発生し、時間帯別では午後5時から午後10時の夜間に177件で最多となっている。
鉄道事業者の対応と住民への影響
各事業者は啓発ポスターの掲示や警察官・警備員による巡回、防犯カメラの設置を進めるなど対策を強化している。協会は業界の対応について「業界全体が結束して毅然とした態度で対応する」としている。
「業界全体が結束して毅然とした態度で対応する」
大分を含む地方都市の利用者にとって、駅や列車での安全確保は通勤・通学、買い物、通院といった日常生活に直結する問題だ。夜間や土曜に発生件数が多いというデータは、夕刻の帰路や週末の外出に出かける市民にとって直接の不安材料となる。駅員への暴力は職場の安全だけでなく、運行遅延や係員の対応負担増を通じて利用者サービスの低下にもつながりかねない。
大分の住民が知っておくべきこと
- 夜間(午後5時〜10時)や土曜は同協会の集計で発生が相対的に多い時間帯・曜日であること。
- 飲酒が関与する事例が約4割を占めるため、混雑時や夜間に酩酊した利用者に遭遇した際は距離を取る、駅係員に速やかに知らせるなどの注意が必要であること。
- 事業者は巡回や防犯カメラ設置などの対策を継続しているが、即時の危険回避は利用者自身の判断と周囲の協力も重要であること。
数字で見る発生状況
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 総件数(2025年度) | 590 |
| 前年度増減 | +68 |
| 飲酒関与 | 271 |
| 改札での発生 | 214 |
| ホームでの発生 | 163 |
| 夜間(17〜22時)発生 | 177 |
取材で見えてきた課題と今後の展望
今回の集計は、鉄道利用の増加がそのまま安全確保の難しさに結びつく現状を示している。事業者の巡回増や防犯カメラの設置は抑止力として期待できるが、飲酒を伴うトラブルや状況が悪化するケースに即応できるだけの人員配置や警察との連携強化が引き続き求められる。
大分の公共交通を日常的に利用する市民にとって重要なのは、事業者の対策強化の動きを注視しつつ、自身の安全確保の方法を知っておくことだ。具体的には、酩酊者に近づかない、駅係員や警察へ速やかに通報する、危険を感じたら周囲の利用者と協力して距離を取るなどの対応が実効的である。
鉄道は地域の生活基盤であり、安全が損なわれれば利便性も低下する。今後も事業者と警察、地域が連携して抑止力と迅速対応の両面を強化していくことが不可欠であり、住民も情報に敏感になって協力することが求められる。