メルカリが新たなリユース市場を本格展開
株式会社メルカリは2026年7月14日、新たなリユース専門ECサイト「m department(エムデパートメント)」の提供を開始した。物価上昇を背景に高額品のリユース需要が高まる一方で、購入時の品質不安が依然として大きいことを踏まえ、専門事業者が品質を保証する商品だけを扱うマーケットプレイスを立ち上げた。
同サービスはメルカリアプリとは別の独立サイトとして運営され、出店は厳正な審査を通過した専門事業者のみに限定される。サービス開始時点で88社が参画しており、取り扱いは「整備済み製品(リファービッシュ品)」と「真贋鑑定済みブランド品」に絞られる。全商品が検査・修理・クリーニング・真贋鑑定などの工程を経て販売され、専門事業者による品質保証や保証・返品体制を整備する点を特徴とする。
- サービス開始日:2026年7月14日(火)
- 参画事業者数(開始時点):88社
- 取扱商品:整備済み製品(リファービッシュ)および真贋鑑定済みブランド品
- サイトURL: https://mdepa.jp.mercari.com/
メルカリが提示する背景には、リユース市場の持続的成長と高額品の購入時に生じる品質不安がある。国内のリユース市場は長期的に拡大を続け、2024年の市場規模は3兆2,628億円に達したとされる。その成長を牽引する主要カテゴリとして、スマートフォンやブランド品が挙げられる。
| 項目 | 数値・状況 |
|---|---|
| 国内リユース市場規模(2024年) | 3兆2,628億円 |
| メルカリ月間利用者数(2026年5月時点) | 約2,300万人 |
メルカリの調査によれば、物価高をきっかけにリユースを検討する層が増えており、スマートフォンやブランド品の新品価格上昇がリユース需要を押し上げているという。ただし、高額リユース品の購入については約7割が「不安を感じる」と回答し、最大の不安要因はカテゴリごとに異なる。ブランド品では「偽物・コピー品の懸念」、電子機器では「動作不良やバッテリー劣化」など内部の劣化に対する不安が目立つ。
「プロが品質を保証するリユース品」
こうした課題に対し、エムデパートメントは専門事業者が商品の検査や修理、クリーニング、真贋鑑定を行い、品質を明確に保証することで購入時の心理的ハードルを下げる狙いだ。メルカリはこの取り組みを、新品・中古に続く“第3の市場”として位置づけ、国内での普及を加速させたい考えである。
消費者と業界への影響
今回のサービス開始は複数の点で波及効果が想定される。
まず消費者側では、高額商品の購入検討における安全性の向上が見込まれる。専門家による点検や真贋鑑定済みであることが明示されれば、これまで二の足を踏んでいた層の参入を促せる可能性がある。特にスマートフォンやラグジュアリーブランドといったカテゴリでは、品質保証が購入決断を後押しする要素となる。
販売側や流通業界では、厳格な審査を通過した事業者限定の出店制度により、リユース商品の流通品質が底上げされる期待がある。専門的な整備や鑑定を行える事業者の存在感が高まり、リユース市場全体の信頼性向上につながる可能性がある。
今後の注視点と運用面
注目すべき点は、実際の運用で品質保証とリスク管理がどのように機能するかだ。出店審査の基準や、検査・修理・真贋鑑定の方法論、保証・返品の具体的な条件は、サービスの信頼性を左右する要素となる。消費者保護の観点では、保証範囲や返品手続きの透明性が重視される。
メルカリはプレスリリースで市場背景や参画社数、取扱品目などを示しているが、個別の保証期間や申請手続き、鑑定の具体プロセスに関する詳細は今後の運用で明らかにしていくことになる。
国内リユース市場の拡大とともに、品質保証を前提とした「第3の選択肢」がどの程度定着するかは、出店者の専門性、消費者の受け入れ、そしてサービス運営の透明性に依存する。エムデパートメントはその試金石となるだろう。
(本文はメルカリの2026年7月14日発表のプレスリリースに基づく)