規格外野菜を活用、手軽に野菜を摂れるカプセル製品
駒ケ根市中沢の「さっちゃん農園」を営む下島幸恵さん(42)が、規格外の野菜を活用して乾燥・粉末化した製品「野菜でカラフル。」を開発し、販売を始めた。粉末をゼラチン製のカプセルに充填した形で提供され、カプセルごと湯に入れれば野菜スープになり、カプセルを割って粉を取り出せば料理へ混ぜたり天然の着色料として使ったりできる点が特長だ。
現在販売している味/種類は小松菜、ビーツ、ブロッコリーの3種類。1粒あたり0.8グラムのカプセルが10粒入った瓶は550円(税込)で、販売場所は駒ケ根市のかっぱふれあいセンター、駒ケ根高原の直売所、南箕輪村の大芝高原の直売所と報告されている。
栄養の確認と利用の広がり
長野市にある県工業技術総合センター食品技術部門で成分分析を行い、粉末化しても栄養素が残っていることを確認したという。乾燥により栄養が凝縮されるため、みそ汁に溶かす、ギョーザの皮に練り込むなど、少量で野菜の栄養を補える使い方が想定されている。
天然の着色料としての利点も指摘され、味に大きく影響しない範囲で色を付けられるため、近隣の菓子店数店で既に利用されている。下島さんは病院食や介護食、災害時の非常食といった分野でも活用が期待できるとし、利用のアイデアは広がっていると説明する。
開発の経緯と今後の展開
下島さんは、農園で栽培するズッキーニの規格外品の活用を考えたことをきっかけに乾燥野菜の取り組みを始めた。農業に携わる女性グループ「ゆるっとつながる農業女子の会」のメンバーとともに乾燥野菜の製品化を経験した後、自宅に乾燥機や製粉機を導入して試行錯誤を続けている。
将来的なラインナップとしては、ニンジンやカボチャのパウダーを開発中であるほか、レンコン、キクイモ、ハナビラタケを組み合わせた“薬膳”を意識した製品の発売も予定されている。下島さんは「お母さんたちが『世の中にこんなものがあったらいいな』と思うものを生み出したい」と述べ、子育て世代の目線で開発を進めている。
住民への影響と利用のポイント
今回の製品は、次のような点で長野の住民にとって実用的な意味を持つ。
- 消費者の利便性:離乳食や間食、調理の際に手軽に野菜の栄養や色味を加えられるため、忙しい家庭や子育て世代の食事支援になる。
- 食品ロスの削減:規格外野菜を原料にすることで廃棄削減に寄与し、地域の農家の所得向上にもつながる可能性がある。
- 食品サービス分野での応用:病院食・介護食・災害備蓄食など、調理や摂取が困難な場面でも栄養を補う手段として活用が期待される。
使用上のポイントとしては、成分分析で栄養素が残っていることが確認されている一方、摂取量やアレルギーには注意が必要だ。ゼラチン製カプセルをそのまま湯に入れる利用法もあるが、動物性ゼラチンの性質や加熱での変化を気にする利用者がいる場合は、カプセルを割って粉末を取り出して使用する方法が選べる。
地域産業としての可能性と課題
地域産品として育てるためには、原料の安定供給、衛生管理、製造設備の整備、販売チャネルの拡大などが課題となる。下島さんは自宅設備での試作を続ける中で売れ行きを確認している段階だが、需要が伸びれば生産体制を拡大する必要が出てくる。
| 項目 | 現状 |
|---|---|
| 製品名 | 野菜でカラフル。 |
| 種類 | 小松菜、ビーツ、ブロッコリー(現在) |
| 価格 | 10粒入り瓶 550円(税込) |
| 容量 | 1粒 0.8グラム |
| 販売場所 | かっぱふれあいセンター、駒ケ根高原直売所、大芝高原直売所 |
地域ブランド化を図るには、関係機関との連携も重要だ。成分分析を行った県工業技術総合センターのような公的な支援や、地元の直売所・菓子店・福祉施設との連携によるニーズ確認、衛生管理の基準策定などが求められる。
消費者へのメッセージ
下島さんは母親として「親子がカラフルなパンケーキを作る場面」を想像しながら開発を進めたといい、日常の食卓で使いやすい点を重視している。家庭での利用を検討する際は、用途に合わせてカプセル丸ごと使うか粉末を取り出すかを選び、アレルギーや塩分・糖分管理をしている場合は医師や栄養士に相談することをおすすめする。
今後、ニンジンやカボチャの製品、薬膳を意識した組み合わせなどラインナップの拡充も予定されており、地域の農産物を活かした製品開発がさらに進む可能性がある。地元農家の規格外品活用や、地域内での食品加工・販売の試みとして注目されるだろう。
「お母さんたちが『世の中にこんなものがあったらいいな』と思うものを生み出したい」と下島さんは話す。