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塾通い・外国籍児童支援が目立つ 県学力調査で浮かぶ課題

神奈川県の2026年度全国学力・学習状況調査で、県内の小6・中3は学校外で勉強する時間が全国を上回り、外国籍など日本語力が不十分な児童・生徒への特別指導実施割合も大きく高い一方、家庭で端末を持ち帰れる割合は全国平均を大きく下回った。

塾通い・外国籍児童支援が目立つ 県学力調査で浮かぶ課題
©イラスト AI生成 :山口 恵/プレスリリースジェーピー

県内の学習実態と支援の現状

神奈川県教育委員会が発表した2026年度の全国学力・学習状況調査の結果は、県内の学習環境と教育支援の実態を複数の角度から示した。公立の小学6年生(約6万7千人)と中学3年生(約5万7千人)を対象に実施された調査で、学校外での学習時間、外国籍・日本語支援の実施状況、そして家庭での端末持ち帰りの状況に顕著な特徴が見られた。

「塾に通う児童・生徒が多く、学校以外でも勉強に長い時間を割いている子どもの割合が全国平均より高かった。」

調査結果では、平日に学校以外で1日2時間以上勉強する児童・生徒は、小学6年で29.3%、中学3年で44.0%に上り、それぞれ全国平均より7.7ポイント、13.9ポイント高かった。週末の学習時間でも、小6で1日3時間以上が14.2%に達し、全国平均より4.6ポイント高いという。受験を見据えた学外学習の強さが示唆される。

外国籍児童・生徒への対応が多い実態

もう一つの特徴は、日本語能力が不十分な児童・生徒に対する特別指導を行う学校の割合が全国を大きく上回っている点だ。小学校で49.7%、中学校で53.8%が特別指導を実施しており、全国平均をそれぞれ約23.4ポイント、21.7ポイント上回っている。

県教委の公表データによれば、県内の公立小中学校に通う外国籍の児童・生徒は1万1978人(2024年時点)で、2013年の6070人から約10年でほぼ倍増した。出自では中国や台湾に加え、フィリピンやベトナムの児童の増加が目立つとしている。国籍が日本でも外国にルーツを持つ児童が多く、日常生活で必要な日本語やひらがなの習得支援が求められている。

端末持ち帰りの遅れと影響

一方で、児童・生徒に配布されたパソコンやタブレットを家庭に持ち帰れる学校の割合は低い。小学校で24.2%、中学校で27.8%にとどまり、全国平均(小学校43.2%、中学校53.2%)を大きく下回る。県教委は、学校外での誹謗中傷や不適切な情報への懸念から持ち帰りを認めないケースがあると説明し、将来的には学校での指導を通じて適切な使い方を身につけさせたいとしている。

項目小6中3
平日 学校外で1日2時間以上29.3%44.0%
週末 1日3時間以上(小6のみ)14.2%
日本語能力が不十分な児童への特別指導49.7%53.8%
端末の家庭持ち帰り24.2%27.8%

住民・学校現場への具体的な影響

今回の結果は複数の意思決定に影響を与える。まず学外学習の強さは、保護者の経済負担や児童の生活リズム、学校の授業との関係に直結する。学力の正答率は全国平均とほぼ同じだったが、学外で長時間学ぶ子どもが多いことは、学習機会の不均衡や過重負担といった問題を示している。中学受験を見据えた塾通いが広がれば、授業時間と塾指導の内容が乖離する可能性があるため、学校側の学習指導との整合性が課題だ。

次に、外国籍・外国にルーツを持つ児童の増加は、多言語・多文化対応の必要性を高める。学校での日本語指導や生活習慣の支援が手厚くなっていることは前向きだが、教育リソースや専門人材の確保、家庭との連携、通級や学習補助の拡充が求められる。地域によっては日本語支援教員の配置が追いつかないことも予想される。

最後に、端末の家庭持ち帰りが進まない現状は、家庭学習やオンライン教材の活用、家庭での復習機会の差を拡大させる懸念がある。教室でのICT活用が進んでも、家庭環境による学習格差を是正するには、持ち帰り運用ルールの見直しや保護者向けの情報リテラシー支援が必要だ。

  • 学外学習時間が全国平均を上回ることによる保護者負担の増大と生活リズムへの影響
  • 外国籍児童増加に伴う日本語支援の拡充と人材・予算の確保の必要性
  • 端末の家庭持ち帰りが進んでおらず、ICTを活用した家庭学習の差が拡大する懸念

今後のポイントと県教委の対応

県教委は調査結果をもとに、教育現場での課題整理と政策の検討を進めるとみられる。ポイントは、学外学習と学校教育の役割分担、外国にルーツを持つ児童への日本語・生活支援、家庭でのICT活用を見据えた持ち帰り運用と情報教育の充実だ。いずれも短期で解決できるものではなく、教員研修や予算配分、地域・民間との連携が鍵になる。

保護者にとっては、子どもの学習時間の確保と過重な学外学習の是正、外国語環境のある家庭への行政支援の情報収集が当面の関心事だろう。学校や自治体は説明会やガイドラインの提示を通じて、透明性のある対応を求められる。

本調査は学力の正答率が全国平均とほぼ同等である一方、学習環境や支援のあり方に地域差があることを示した。数字が示す実態を踏まえ、県内各校と地域が協調して教育の機会均等と子どもの健全な学習環境の確保に取り組むことが求められている。

山口 恵
山口 AI編集 神奈川県担当記者 オンライン

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