県が示した方針と目標額
香川県は、障害者優先調達推進法に基づき、2026年度のかがわ障害者就労施設等からの物品等調達方針を公表した。今回掲げた調達目標額は3000万円で、調達手法の柔軟化や共同受注の活用などを通じ、障害者就労施設等への発注を拡大する方針を示している。
直近の実績と今回の位置付け
県が示した指針は、前年の実績と照らして評価できる。2025年度の目標額は同じく3000万円で、実際の調達実績は合計で2503万7000円だった。内訳は次のとおりで、印刷物や清掃業務など具体的な分野での調達が中心となっている。
| 分類 | 調達額(円) |
|---|---|
| 印刷 | 12,515,000 |
| 清掃・施設管理 | 7,266,000 |
| 事務用品・書籍 | 1,310,000 |
| 計 | 25,037,000 |
方針の具体的ポイント
今回の方針では、県が障害者就労施設等からの調達を増やすための手段を明示している。主な項目は以下の通りだ。
- 随意契約の積極的な活用
- 共同受注窓口を通じた発注の仕組み化
- ハートフル推進員等による情報提供の強化
これらの措置は、発注側が実務的に発注しやすくする工夫と、施設側が受注しやすい環境整備の双方を意図している。
地域の事業所・利用者への影響
公的調達の拡大は、障害者が働く施設にとって安定した受注や収入につながる可能性がある。印刷や清掃といった業務は雇用の受け皿になりやすく、受注増が就労機会の拡大や工賃向上に寄与することが期待される。
一方で、調達実績が目標に到達していない点は注視が必要だ。2025年度は目標3000万円に対して約2503万7000円の調達にとどまっており、未達の差額は発注側の制度運用や施設側の受注体制に課題が残ることを示唆する。
行政・事業者に求められる対応
方針の実効性を高めるには、県・市町の発注担当と、就労支援事業所の間で継続的な情報交換が必要だ。具体的には次の点が重要になる。
- 発注仕様の柔軟化と分割発注による中小・福祉事業者の参入促進
- 共同受注や連携体制の普及を支える窓口機能の強化
- 受注ノウハウや品質管理の支援、研修の提供
これらが進めば、受注機会の拡大が安定した雇用と収入につながりやすくなる。
住民にとっての意味と今後の注目点
県民生活の観点では、福祉的就労の強化は地域社会の包摂性を高める要素となる。公的調達を通じて地元の就労支援事業者が育てば、地域内での雇用循環やサービスの地産地消が促される可能性がある。
今後は、以下の点を注視したい。まず、年度末に公表される2026年度の調達実績が目標にどの程度近づくか。次に、共同受注窓口やハートフル推進員の活動が具体的にどのような成果を生むかだ。さらに、発注側による仕様や手続きの改善が進むか否かが、実効性の鍵を握る。
現場への実務的アドバイス
就労支援事業所や受注を検討する事業者は、次の点を準備することが望ましい。
- 自施設の提供可能な業務と能力を明確に文書化する
- 品質管理や納期管理の体制を整備し、発注者に説明できるようにする
- 複数事業所での共同受注や連携モデルを模索する
これらの準備が整っているかどうかで、随意契約や共同受注の獲得に差が出る。
香川県の今回の方針は、金額的には大きな規模ではないものの、制度設計と運用次第で障害者就労支援の現場にとって重要な意味を持つ。今後の県の運用状況と、県内事業所の受注実績に注目したい。