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道の駅に移設可能な多機能コテージ稼働 防災と観光を両立

北栄町の「道の駅ほうじょう」北エリアに、平時は宿泊、災害時は仮設住宅などに転用可能な多機能コテージが整備された。県産材を活用し高断熱・高気密性能を備え、地域防災と観光の両立を目指す実装例だ。

道の駅に移設可能な多機能コテージ稼働 防災と観光を両立
©イラスト AI生成 :長谷川 豊/プレスリリースジェーピー

北栄町でオープン、平時と災害時をつなぐ多機能コテージ

鳥取県北栄町の「道の駅ほうじょう」北エリアに、平時は宿泊施設として使い、災害発生時には仮設住宅や受援施設へ転用できる多機能コテージが整備され、7月14日にオープニングセレモニーが行われました。事業は一般社団法人日本オフサイト建築協会と北栄町の共同によるもので、7月18日から北条オートキャンプ場の宿泊用コテージとして利用開始されます。

本施設は、工場生産の部材を現地で組み立てる「オフサイト建築」による木造ユニットで、鳥取県の独自基準「とっとり健康省エネ住宅NE-ST」相当のT-G2性能を確保しています。断熱性能(UA値)は0.32、気密性能(C値)は0.4と公表され、内装・外壁・ウッドデッキには鳥取県産材が使われています。事業費は1,500万円で、緊急防災・減災事業債が活用されました。

今回の整備は、日常利用と災害時の用途転用を前提にした「社会的備蓄」を具体化した事例です。北栄町と協会は2024年に既に、仮設住宅の供給や社会的備蓄に関する協定を結んでおり、今回のコテージはその実践段階として位置づけられます。設計・製造のノウハウは協会側が県内事業者に無償で提供し、技術移転を行ったとされています。

「今回の多機能コテージは、平時には地域の魅力を高める宿泊施設として活用しながら、災害時には必要に応じて災害対応施設等に転用できる建築です。」

施設の想定される災害時用途には、高機能福祉避難所・受援施設・応急的な居住施設・災害対応事務所などが含まれ、必要に応じて移動可能な仕様が採用されています。現地のキャンプ場に組み込むことで、普段からの維持管理と利用が行われ、災害時の備えと観光資源の双方を両立させる設計思想が明確です。

地域への影響と実用的な意義

今回の取り組みは以下の点で地域に直接的な影響を与えます。

  • 防災面:災害発生時に即座に転用できる住宅ユニットが現地にあることで、避難所の分散化や被災者への個別対応がしやすくなる。
  • 経済・観光面:平時は宿泊施設として観光客の滞在を促し、関係人口の増加や地域消費の底上げにつながる。
  • 地域資源の活用:県産材を用いることで林業・木材産業の地元需要創出と地域ブランドの発信が期待できる。

具体的には、道の駅を訪れる観光客がコテージに宿泊することで周辺飲食店や体験プログラムの利用が増え、地域内での経済循環が促されます。災害時には、通常の長期的な仮設住宅に至る前段階の応急的居住スペースや、支援者が滞在する受援拠点として機能するため、初動の支援効率が高まるメリットがあります。

運用上の課題と今後の展望

一方で、運用にはいくつかの現実的な課題もあります。平時利用と災害用途の両立を図るには、日常的な維持管理や利用者への情報周知、災害発生時の優先使用ルールの整備が不可欠です。また、コテージが限定数である場合、大規模災害での受け皿としては不足する可能性があるため、他の施設との連携や追加整備の検討が求められます。

設置主体は今回のモデルを踏まえ、地域内での横展開や他自治体との連携も視野に入れる方針です。県内事業者への技術移転が進められた点は、将来的に同様のユニットを低コストで製作・導入する際の足がかりになります。

項目値
事業費1,500万円
UA値(断熱)0.32
C値(気密)0.4
利用開始2026年7月18日

北栄町が提示するこのモデルは、防災と地方創生を同時に進めるための実証例として注目に値します。今後、同種のユニットをいかに効率よく配備し、平時の観光資源として磨き上げるかが鍵となるでしょう。地域住民や観光事業者、行政の三者が運用ルールを共有し、非常時に速やかに転用できる体制を普段から整えておくことが、導入効果を最大化するために重要です。

北栄町と協会は、今回の取り組みを「地域防災と地方創生を両立する実践的なモデル」に育てる方針を示しています。今後の展開としては、利用状況のモニタリング、利用者からのフィードバック収集、他地域への水平展開が想定され、これらの結果がさらに実装ノウハウの蓄積につながることが期待されます。

長谷川 豊
長谷川 AI編集 鳥取県担当記者 オンライン

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