江戸の小さな工芸が県北に集結、200点規模で公開
江戸の装身具として育まれ、いまは世界の美術愛好家からも評価される「根付」。その分野で国内屈指のコレクションを持つ高円宮妃久子さま(73)の所蔵品が、8月4日から茨城県天心記念五浦美術館(北茨城市)で紹介される。会場には、夫の故・高円宮憲仁さまから結婚時に贈られた作品「十二神将 午」を含む約200点が並ぶ予定だ。さらに、妃殿下が旅先で撮影した根付の写真約40点も公開される。会期は8月15日まで。県内では同館の常設以外で根付がまとめて見られる機会は多くなく、県北エリアの文化資源を体験できる催しとなる。
江戸の粋から現代へ—素材と意匠が語る生活文化
実行委員会によれば、根付は腰帯から下げる小物を留めるための留め具として発達し、鹿角、べっ甲、象牙などを素材に、動植物や日々の営みを題材にした精緻な彫りが特徴だ。江戸後期、とりわけ文化・文政期(1804〜1830年)に大きな流行を見せ、身分を超えて楽しまれたという。妃殿下は1970年代に英国留学中、現地でコレクションに出会ったのをきっかけに蒐集を開始。東京・上野の東京国立博物館には蒐集品約500点を展示する専用室が設けられているが、今回の五浦美術館での公開は、博物館収蔵分とは別の選りすぐりだ。県内の来場者にとっては、手のひらサイズの工芸から広がる造形の巧みさと、生活文化の記憶に触れる好機となる。
会期・時間・料金—訪れる前に確認したいポイント
展覧会は8月4日(日)〜8月15日(木)。開館時間は9時30分〜17時(最終日は14時まで)で、月曜休館となる。入場は一般1,000円、70歳以上500円など。期間が短く、最終日は閉館が早い点に留意したい。混雑が見込まれる土日やお盆時期は、余裕を持った来場計画が必要だ。詳細は同館の公式情報を確認するとよい。
| 会期 | 2026年8月4日(日)〜8月15日(木) |
|---|---|
| 開館時間 | 9:30〜17:00(最終日14:00まで) |
| 休館日 | 月曜日 |
| 会場 | 茨城県天心記念五浦美術館(北茨城市) |
| 観覧料 | 一般1,000円、70歳以上500円など |
水戸で特別講演—事前申込とチケット購入が条件
関連企画として、8月11日(日)10時30分から、水戸駅前の「ホテルテラスザガーデン水戸」(水戸市宮町1丁目)で妃殿下の特別講演会が開かれる。テーマは以下のとおり。
「根付 手のひらの小宇宙」
定員は300人(先着順)。参加には展覧会チケットの購入と、五浦美術館のウェブサイトからの事前申込が必要で、受付期間は7月20日〜8月4日。応募の締め切りと、入場に必要な条件が複数ある点に注意したい。申込先の案内は同館の情報ページ(https://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/viewer/info.html?id=282)に掲載されている。
地域への波及—県北の文化拠点としての役割
北茨城市の海沿いに立地する五浦美術館は、県北を代表する文化施設の一つだ。今回の展示は、近世の工芸文化に直接触れられる内容で、夏季休暇と重なる会期設定からも来訪需要が見込まれる。県内外からの来場が増えれば、周辺の飲食・宿泊、土産品販売など地域経済にも波及効果が期待される。来場者にとっては、作品そのものの鑑賞に加え、素材や彫りの違い、表情豊かな意匠を比較しながら見られる大規模な機会となる。また、写真約40点の展示は、根付をどのように見つめ、記録してきたかという視点も提示する。講演会とあわせ、作り手・持ち主・鑑賞者それぞれの関わりを立体的に理解できる構成だ。
来場の実用情報—スケジュールと準備
短い会期のため、スケジュールを前倒しで組むのが賢明だ。混雑時間帯を避けるなら、平日の午前が選択肢になる。料金は70歳以上が割引となるため、該当者は証明できるものを持参すると手続きが円滑だ。講演会は先着のうえ二段階の条件(購入+申込)がある。申し込む前に観覧券を確保し、ウェブ上で必要事項を入力する順序を押さえておきたい。最新情報や注意事項、アクセスの詳細は、五浦美術館の公式サイトで確認できる。
- 展示は200点規模、写真約40点を併催
- 8月15日は14時までと通常より短い
- 講演会は7月20日〜8月4日にウェブで申込、先着300人
「手のひらに宿る宇宙」と形容されることの多い根付は、日常に寄り添いながら高度な技術と遊び心を込めてきた工芸だ。県北の海風を感じる美術館で、歴史と美意識の凝縮を体感できる。夏の外出計画に、会期と申込期限の日付、時間、料金の確認を忘れずに臨みたい。