8月から原則、従来保険証は使用できず
政府の制度移行に伴い、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付与した「マイナ保険証」への切り替えが進められている。報道によれば、8月1日以降は従来の健康保険証は基本的に使用できず、マイナ保険証を持たない人は「資格確認書」を提示しないと保険診療を受けられない手続きとなる。これまで存在した、従来保険証のみでの受診を認める特例は7月末で終了した。
浜松市内の医療機関でも対応が進んでいる。聖隷浜松病院(中央区)では、受診者からの問い合わせに職員が対応するとともに、マイナ保険証を読み取るカードリーダーを大幅に増設したとされる。外来医事課の鈴木かおり課長補佐は「すでにほとんどの人がマイナ保険証か資格確認書で受診している。従来の保険証で受診できる特例が終わっても、目立った混乱はないだろう」と話している。
移行の進捗と市民の反応
全国ベースの登録状況として、報道では6月末時点でマイナ保険証の登録者が約9,487万人に達し、マイナンバーカード保有者の9割を超えたと伝えられている。一方で、浜松を含む県内の読者を対象に実施されたアンケートでは、持っている人が多い一方で利用メリットを感じていない層や、カード自体を持たない理由として個人情報流出への懸念を挙げる回答も目立った。
「顔認証や暗証番号の入力が面倒だ」—浜松市浜名区の60代女性
本紙が実施したLINEを通じたアンケート(7月29〜31日、回答数314人)では、76%がマイナ保険証を所持していると回答したが、その所持者のうち約39%が「従来の保険証と比べてメリットがない」と答えている。所持しない人(75人)の最多理由は「そもそもマイナンバーカードを持っていない」(40人、持たない人の53%)で、続いて「個人情報の流出への懸念」(17人、23%)、「メリットを感じない」(15人、20%)などが挙がった。
アンケート全体では、制度を「既存の保険証も併用できるようにすべきだ」とする意見が約46%にのぼり、賛成(35%)を上回った。なおこの調査はLINEでつながる読者を対象とした任意回答で、世代構成などを補正した世論調査ではない点に注意が必要だ。
浜松の医療現場が直面する実務面の課題
制度移行は手続き面で医療機関に負担をもたらす。具体的には次のような対応が求められる。
- マイナ保険証を読み取る機器の導入・増設
- マイナ保険証を持たない患者への「資格確認書」の運用と確認プロセスの整備
- 窓口での問い合わせ対応や操作支援のための職員教育
報道にある聖隷浜松病院のようにカードリーダーを増やし、職員が窓口での説明にあたる例もあるが、機器の導入や職員配置にはコストと時間がかかる。特に高齢者やIT操作に不慣れな受診者が多い医療機関では、窓口対応の増加が想定される。
| 項目 | 報道で示された状況 |
|---|---|
| 制度開始日 | 8月1日から従来保険証の原則使用停止 |
| 既存保険証の新規発行停止 | 2024年12月から順次 |
| マイナ保険証登録数(6月末) | 約9,487万人 |
| 本紙アンケート回答数 | 314人 |
また、既存の保険証の新規発行が2024年12月に停止される点や、75歳以上の後期高齢者医療や協会けんぽなどの保険証が順次期限切れになる予定であることも報道で示されている。これにより、来年以降も段階的な切替が続く見通しだ。
市民が知っておくべき実用情報
浜松市民として受診や手続きで混乱を避けるため、次の点を確認しておくことを推奨する。
- 受診時は可能な限り事前に医療機関にマイナ保険証の使用可否や資格確認書の扱いを確認する。
- マイナ保険証を持っていない場合は、かかりつけ医や受診予定の病院に「資格確認書」の準備と提示方法を問い合わせる。
- マイナンバーカードの暗証番号や顔認証などの設定に不安がある場合は、市区町村の窓口で相談や支援を受ける方法を検討する。
医療機関の窓口負担、機器や運用の整備状況は今後も変化するため、受診前の確認が重要だ。報道にあるように現在は混乱が大きく表面化していない医療機関もあるが、夜間や休日の窓口、初診時などで手続きに時間がかかる可能性がある。高齢者やデジタル手続きに不慣れな家族がいる場合は、事前に操作方法や必要書類を確認し、必要ならば同行や代行を検討してほしい。
制度移行は医療機関と受診者双方の協力が不可欠だ。市内の各医療機関が機器や窓口対応をどの程度整備しているか、そして市民が不安なく受診できる体制が整うかを今後も注視していきたい。