公立中の部活動、休日は地域クラブへ移行
公立中学校の部活動を民間団体が運営する「地域展開」が県内で進む中、浜松市は民間クラブの要件を満たした団体を「はまクル認定クラブ」として登録し、教員も指導者としてポータルサイト「はまクル」に登録することで、教員が指導を続けられる体制を整備している。2026年度から国の推進に伴う改革実行期間に入っており、地域展開が休日中心に本格化している。
浜松市立開成中学校の吹奏楽部を例に取ると、平日の学校活動は従来通り行われる一方で、土曜など休日は「開成地区吹奏楽クラブ」としてはまクルに登録された民間クラブが活動を引き継ぐ。学校で指導を続けてきた小林翼教諭(43)は、既に指導者としてはまクルに登録し、休日も生徒と関わる場を維持している。
同様に、浜松市立新津中の陸上競技部では、休日は「新津陸上クラブ」に移行し、陸上を指導してきた山本綾香教諭(36)が指導者登録を行って参加している。教員側は土日の指導が無くなるのではという不安を抱いていたが、登録制度により継続が可能になった。
データと制度の仕組み
市教育委員会の調査では、教員を対象に「地域クラブ活動の運営団体・実施主体として携わることを希望しますか」と尋ねたところ、約2割が「はい」と回答している。はまクルへの指導者申請は9月5日時点で1,477人受け付けられており、そのうち教員とみられるのは約250人に上る。
休日に指導を行う場合、謝礼が支払われれば兼業に該当するため、市への申請と審査が必要となる。市教育委員会は、価値ある活動を継続する人たちの意欲を支援するとしており、必要に応じた支援を行う考えを示している。
地域と企業の支援も
民間支援の例として、地元の浜松いわた信用金庫が挙げられる。同信金は顕著な成績を残した部活動を表彰する「ガンバレ!部活動 夢に追いかぜ賞」で、これまで表彰された市内中学校のうち10の部活動をはまクルに登録させ、これらの部を指導する教員への謝礼や保険加入費用を負担している。米沢浩祐SDGs推進部長は、地域の企業が地域の子どもや教員を支えるモデルを確立したいと述べている。
「部活動や子どもたちが活動することの価値を、よく分かってやってくださる人たちの意欲や姿勢を応援し、必要に応じて支援していきたい」 — 野秋愛美教育長
住民・保護者にとっての影響と留意点
今回の制度は、次の点で保護者や生徒、教員に直接的な影響を及ぼす。
- 休日の活動場所と指導体制が民間クラブへ移行するため、活動時間や指導者の所属が学校と異なる場合がある。
- 教員が休日に指導を継続する際、謝礼の有無によっては市への申請・審査が必要となり、手続き上の確認が求められる。
- 民間クラブが保険加入や謝礼負担を受けるケースもあり、活動の安全対策や費用負担のあり方を事前に確認しておく必要がある。
保護者は、所属する部活動がはまクル登録のクラブに移行する場合、運営主体や費用負担、保険・安全対策などについて学校やクラブに確認することが望ましい。生徒の活動継続を重視する保護者にとっては、指導者が従来の教員と変わらず関わるケースがあることは安心材料となる。
今後の見通しと課題
浜松市の取り組みは、顧問教員の負担軽減と少子化に伴う部員減少を受けた現実的対応として位置づけられる。教員の約2割が地域クラブの運営に関わる意向を示している一方で、約250人の教員がはまクルに申請している現状は、教員側の関与が一定程度維持されることを示している。
ただし、制度運用の安定化にはいくつかの課題がある。具体的には、外部団体との連携ルールの明確化、保険や安全管理の徹底、活動時間や場所の調整、謝礼・兼業に関する手続きの周知徹底などだ。地域の企業による資金的支援はモデルケースとして期待されるが、これを如何に持続可能な仕組みへと広げていくかが問われる。
浜松市は今後も認定クラブ制度やはまクルの運用を通じ、地域の実情に応じた支援を行う方針だ。保護者や地域団体、学校が連携して活動の安全性と継続性を確保することが、子どもたちの学びと成長を守る鍵となる。
| 項目 | 数値・状況 |
|---|---|
| はまクル申請者(総数) | 1,477人(9月5日時点) |
| 申請者のうち教員とみられる人数 | 約250人 |
| 教員アンケートで「希望する」と回答した割合 | 約2割 |