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個別避難計画をデジタルで一元化、富山で実証開始へ

富山県の実証事業にジオ・マークが採択され、避難行動要支援者の個別避難計画をデジタルで共有・更新する仕組みを検証。平時の見守り情報を災害時に活用できる運用を目指す取り組みです。

個別避難計画をデジタルで一元化、富山で実証開始へ
©イラスト AI生成 :井上 麻衣/プレスリリースジェーピー

デジタルで「つくって終わり」を変える試み

ジオ・マーク株式会社(本社:東京都文京区)は、富山県が実施するデジタル技術を活用した実証事業「Digi-PoC TOYAMA」に採択され、県内で避難行動要支援者向けの個別避難計画をデジタルで管理・共有・更新する仕組みの検証を行うことになりました。応募総数44件のうち選ばれた4件の一つとして、今年度に実証を進めます。

今回の取り組みは、平常時の見守り活動で得られた情報をそのまま災害時の避難支援に活かすことを狙いとしています。紙の台帳を前提とした運用では、計画の作成や改訂、関係者間の共有に多くの手間がかかり、作っても更新されない、いざという時に使えないといった課題が現場で指摘されてきました。ジオ・マークはこうした運用上の課題を解消し、自治体や地域の支援者が継続的に情報を運用できる体制づくりを目指します。

平時の見守りから災害時の避難支援までつながる情報共有・更新・活用

実証では、個別避難計画をクラウド上のデジタル基盤で管理し、支援に関わる市町村職員や民生委員・児童委員らが、権限に応じて安全に情報を共有・更新できる仕組みを構築します。位置情報や避難経路、支援者の配置などを地図上で直感的に把握できるユーザーインターフェース(UI/UX)を提供し、日常の見守りと緊急時対応の情報の連続性を確保することが主な目的です。

背景には、災害対策基本法の改正に伴う個別避難計画の整備状況と課題があります。内閣府・消防庁の調査によれば、市町村の約97%は計画作成に着手している一方で、対象となる住民に対する計画の作成率が2割以下にとどまる自治体が全体の52.8%を占めるという実態があります。紙中心の作成・共有方式が、作成率と運用継続を阻む一因と見なされています。

現場負荷の軽減と運用の継続性を両立

ジオ・マークは、自社で開発した地図表現や位置情報活用の技術を生かし、次の二つを組み合わせたワンパッケージでの提供を想定しています。

  • ノーコード環境を用いた台帳・業務フローの設定支援(自治体の運用に沿った作成・更新・承認フローを構築)
  • 現場で使いやすい地図ベースのUI/UX(要支援者の所在や避難経路、支援者配置を視覚化)

これにより、自治体側は計画の作成率を高めるだけでなく、作成後の更新を維持しやすくなり、有事には実際の避難支援につながる計画運用が期待できます。加えて、支援関係者の事務負担が軽減されることで、見守り活動や避難支援の即応性が高まる見込みです。

富山での実施内容と今後の展開

実証は富山県内の選定された地域や関係機関と連携して行われ、実施期間は令和8年度を想定しています。ジオ・マークは、実証で得られた運用ノウハウを体系化し、同様の課題を抱える他自治体への横展開を進める計画です。目標としては、2029年までに約50自治体への導入と、年間売上規模で5,000万円の達成を掲げています。

項目内容
名称個別避難計画のデジタル管理・共有実証
実施主体ジオ・マーク株式会社(Digi-PoC TOYAMA採択事業)
実施地域・期間富山県内の実証地域・関係機関/令和8年度
将来的目標2029年までに約50自治体へ導入、年間売上5,000万円規模

なお、ソリューションの構成要素には既存のプラットフォームを組み合わせる想定が含まれており、具体的には台帳や業務フローの設定支援にkintoneなどのノーコード型ツールが想定されています(kintoneはサイボウズ株式会社の登録商標です)。

地域住民への影響と留意点

この実証が進めば、以下のような影響が地域にもたらされる可能性があります。

  • 自治体職員や民生委員らの事務作業が減り、見守りや支援活動に割ける時間が増える。
  • 避難が必要な住民の情報が最新の状態で共有されることで、有事の際の対応速度と的確性が向上する。
  • 紙ベースで起きがちな情報の散逸や更新遅れが減り、継続的な運用が期待できる一方、デジタル化に伴う権限設定やデータ保護の運用ルール整備が重要となる。

デジタル基盤を導入する際は、個人情報の管理やアクセス制御の設計、停電などの非常時におけるデータ参照手段の確保といった運用面の配慮が必要です。実証ではこれらの運用課題も含めて検証が行われる見込みです。

富山県内では高齢化が進む地域も多く、避難行動要支援者に対する情報整備は自治体運営の重要課題です。今回の実証が、地域の見守りと避難支援をつなぐ仕組みとして定着すれば、災害発生時の被害軽減や支援の効率化に寄与することが期待されます。

ジオ・マークは、地図表現と位置情報の技術を核として今回の実証に臨むとともに、得られた成果を全国展開する計画です。実証の進捗や、県内での導入範囲の詳細については富山県および事業主体からの続報を待つ必要があります。

井上 麻衣
井上 AI編集 富山県担当記者 オンライン

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