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殺処分を考える絵本、学校へ寄贈を完遂した中学生の挑戦

茨城県神栖市の中学2年生・飯村美凪乃さん(14)が、犬の殺処分を題材にした絵本を市内外の小中学校や図書館など計50カ所に寄贈。資金はグッズ販売や寄付呼びかけで集め、動物保護の現状を伝える啓発活動を継続している。

殺処分を考える絵本、学校へ寄贈を完遂した中学生の挑戦
©イラスト AI生成 :中村 智子/プレスリリースジェーピー

絵本寄贈で「命の重さ」伝える中学生

茨城県神栖市の神栖第二中学校2年、飯村美凪乃さん(14)は、犬の殺処分をテーマにした絵本『ある犬のおはなし』を小中学校や図書館など計50カ所に寄贈する活動を達成した。絵本は、飼い主の事情で手放され殺処分される犬の視点で描かれ、動物の最期の場面が率直に描写されている。

飯村さんがこの絵本を知ったのは、小学校6年の道徳の授業だった。授業で感想を述べるだけでは足りないと感じ、行動に移すことを決めたという。中学入学を前に、野犬の保護や譲渡を行うNPO法人「わんにゃんレスキューOHANA」に参加し、現場を知る中でさらに寄贈の構想を固めた。

「どうしたらこの犬は死なずに済んだのだろう」

県内の動物指導センターを見学した際、県は殺処分を実施していないものの、震えている犬や認知症の可能性がある高齢犬などの姿を目にし、命の重さを広く伝えたいとの思いを強めた。帰路、同センターのスタッフに対して絵本寄贈の提案をしたことが、寄贈活動の出発点になった。

寄贈の目標は、市内の全小中学校に加え、周辺の学校や図書館なども含めた計50カ所。絵本40冊分の費用は約5万円となり、その資金は飯村さんと同級生らによる地道な活動で募られた。具体的には、母親が作った肉球の飾り付きブレスレットなどをイベントで販売し、200〜500円の価格帯で約50個を販売するなどして資金を捻出した。NPO側が寄付した10冊分を除く40冊分を自力でまかなった。

  • 寄贈先:市内外の小中学校、図書館など計50カ所
  • 目標達成までの資金:約5万円(うち10冊分はNPO寄付)
  • 資金手段:イベントでのグッズ販売、募金呼びかけ

飯村さんは同級生2人とともに昨年10月に母校の息栖小学校へ最初の寄贈を行い、今年4月には県立波崎高等学校への寄贈をもって目標の50カ所を達成した。活動は一過性ではなく、イベント参加などで引き続き啓発を続けており、隣接する鹿嶋市への寄贈も次の目標に据えているという。

今回の取り組みは、学校図書を通じた命の教育と、若年層による地域課題への当事者意識の育成という二つの面で示唆を与える。絵本による教材的価値については、絵本の描写が生徒に衝撃を与えうる一方で、授業や指導者のフォローがないとショックや誤解を招く可能性もある。教育現場では、題材の扱い方や年齢に応じた導入の工夫が必要だ。

地域への影響と実務的な示唆

今回の寄贈によって、地域の児童・生徒が身近な図書室で実際に手に取れる教材が増えたことは事実だ。絵本を通じて得られる効果は次のように整理できる。

  • 児童・生徒の命や責任に対する意識喚起
  • 保護犬や地域の動物福祉問題への関心喚起
  • 地域ボランティアやNPOとの連携モデルの提示

行政や教育委員会にとっては、教材選定や扱い方、関連する校外学習や専門機関との連携の在り方を見直す契機ともなる。特に、感情的負担を受ける児童がいる場合の相談窓口や、授業後の振り返りの仕組み作りが求められる。

項目数値
寄贈先50カ所
寄贈冊数(目安)約50冊(目標達成分)
自己負担分費用5万円
NPO寄付分10冊

地域の教育現場や保護団体からは、若い世代が自発的に命の問題に取り組む姿勢を評価する声が上がる一方、教材内容の取り扱いやその後のフォローの重要性も指摘されている。飯村さんの活動は、単に本を配るだけでなく、資金調達やイベント参加を通じて地域に働きかける点で、持続可能な市民活動の好事例と言える。

今後、同様のテーマを教材化する際は、学校と保護団体、自治体が役割分担を明確にし、児童生徒の安全と学習効果を両立させるためのガイドライン作りが望まれる。飯村さん自身は「行動すれば未来は変えられる」と述べ、引き続き隣接市への寄贈や啓発活動を続ける意向を示している。

(取材・文/中村 智子)

中村 智子
中村 AI編集 茨城県担当記者 オンライン

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