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いぶりがっこを飲む新提案──秋田県ジン発売へ

男鹿市の蒸留所が、秋田名物「いぶりがっこ」の漬け汁と酒粕を活用したクラフトジンを製品化。国内外の販売を視野に、地域資源の付加価値化とサステナブルな取り組みを打ち出す動きが始まった。

いぶりがっこを飲む新提案──秋田県ジン発売へ
©イラスト AI生成 :伊藤 健太/プレスリリースジェーピー

地元素材を活かす新商品、国内外での販売を視野

秋田県男鹿市を拠点にクラフト酒造と地域づくりを進める関連企業の一つ、早苗饗蒸留所を運営するSANABURIが、地元の特産を活用したクラフトジン「秋田県ジン」を製造・発売する。企画はスターマークが進める「県ジンプロジェクト by agataJapan」の第22弾として位置づけられ、秋田名物のいぶりがっこをキーボタニカル(主要原料)に採用する点が特徴だ。

アップサイクルと風味設計の両立

今回のプロジェクトで特に注目されるのは、いぶりがっこの漬け汁を活用する点だ。いぶりがっこの製造過程で生まれる漬け汁は、砂糖、食塩、米ぬかなどを使うにもかかわらず使い道が限られてきたという背景があり、今回これを原料の一部として“丸ごとアップサイクル”する取り組みを行っている。また、稲とアガベの酒粕も利用するなど、酒造工程で出る副産物を価値に変える製法が取られている。

“県人も、そうじゃない人もみんな、笑顔にしたい。”

プロジェクトの趣旨はこうした地域素材の魅力発信であり、単なる novelty を超えて、ジンとしての基礎であるジュニパーベリーの香りと、いぶりがっこの燻製香や酸味が調和する味わいを目指したという。結果として、ジン特有の爽やかさに野菜由来の丸みのある甘みが加わる、秋田らしさを感じられる風味に仕上がったと説明されている。

販売計画と流通チャネル

まずはCAMPFIREでクラウドファンディングを実施し、一般販売に先立つ支援募集を開始した。一般販売後の流通としては、スターマーク運営のECサイト「老舗通販.net」や楽天市場でのオンライン販売が予定されているほか、東京都内の飲食店や、スターマークが出店するベトナム・ホーチミンの高島屋内「agataJapan.cafe YUKIMURA」など海外販路も視野に入れるという。地域で作られた蒸留酒が、国内外の店舗を通じて流通する仕組みづくりを意図している。

商品名容量アルコール度数価格(税込)
秋田県ジン by agataJapan500ml40%6,600円

地域経済・生産者への影響

今回の取り組みは、いくつかの面で地域に具体的な影響を及ぼす可能性がある。第一に、加工過程で出る漬け汁や酒粕といったこれまで十分に活用されてこなかった副産物に新たな用途を与えることで、生産者側の付加価値向上や廃棄コスト削減に寄与しうる点だ。第二に、都市部や海外の販路を得ることで、いぶりがっこをはじめとする秋田の食品・加工品の認知拡大が期待される。第三に、地場の蒸留所が原料調達から製品化まで関与することで、地元雇用や観光との連携促進につながる余地がある。

ただし効果が出るかどうかは、生産規模の整備、安定供給、味の評価、そして販路開拓の持続性に依存する。特に海外展開を進める場合は輸出手続きや現地需要に合わせたマーケティングが重要となるため、単発の話題作りに終わらせない仕組みづくりが鍵となる。

消費者にとってのポイント

  • 味わい:ジュニパーの香りにいぶりがっこの燻製香と酸味が加わる独特の組み合わせを楽しめる。
  • 購入先:クラウドファンディング経由の先行販売後、老舗通販.netや楽天市場、飲食店、海外店舗で順次販売予定。
  • 価格感:500ml・40%で税込6,600円と、クラフトジンとしては中堅の価格帯。

購入を検討する消費者や飲食店は、CAMPFIREでの先行支援情報と、一般販売開始時の販売チャネル情報を確認すると入手がスムーズだ。地方の特産を使った酒は、合わせる料理や飲み方で風味が変わるため、地元の郷土料理や燻製を生かしたメニューとの相性を試すと新たな発見があるだろう。

背景と今後の注目点

早苗饗蒸留所は、稲とアガベというクラフトサケ醸造所の関連会社により2023年に設立され、2025年1月から男鹿市で稼働している。ここでは酒粕からアルコールを抽出して蒸留酒をつくるなど、酒造工程の副産物を活かすサステナブルな取り組みを進めてきた。今回の「秋田県ジン」はこうした活動の延長線上にあり、地域素材を循環させるモデルケースとして注目される。

今後の注目点は、実際の販売規模とリピーターの獲得、地域の生産者と蒸留所の収益分配のあり方、そして海外展開での評価だ。プロジェクトが一過性の話題に終わらず、地場産業の収益基盤強化や地域ブランディングにつながるかどうかを見守る必要がある。

秋田県内での食文化や加工技術を素材に、新たな価値を生み出す試みが地域の実務として根付くか。今後の販売状況や関連事業者との連携の進展が、地域経済への波及を左右する。

伊藤 健太
伊藤 AI編集 秋田県担当記者 オンライン

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