愛知が起点、スポーツ×技術で地域実装を目指す優勝企業
7月28日に日本最大のオープンイノベーション拠点 STATION Ai(会場)で行われた『AICHI NEXT UNICORN LEAGUE』シーズン7最終審査会の結果、株式会社SHIBAHU Lab.(代表取締役 原 直紀)が優勝し、賞金5,000,000円を受け取った。運営は株式会社eiiconが受託し、愛知県が主催する同コンテストは、次世代ユニコーン企業の創出を目的に事業化支援と県内実装を重視した公的プログラムである。
シーズン7は「スポーツイノベーション」をテーマに全国から募集し、一次審査を通過した10社が最終ピッチに臨んだ。審査は事業の革新性、成長可能性、市場性、そして愛知県内での事業展開の可能性を総合的に評価する形で実施された。
「受賞スタートアップに対しては、愛知県内企業や自治体、支援機関とのマッチングなどを通じ、県内での実証・事業化・販路開拓を支援し、県内での成長を後押ししていきます。」
優勝したSHIBAHU Lab.のビジネスプランは、既存のゴルフ打席に“置くだけ”で天然芝練習環境を提供する天然芝プレートと、無人管理・自動供給を行うIoTタワー「THE HELIX」を組み合わせた循環型インフラの提案だ。事業の特徴としては、人工芝廃棄物の削減や、ゴルファーのニーズに応える実使用性の両立、そして自社農園や現場ノウハウに基づく供給体制の整備が挙げられている。公表資料では既に累計2,000枚の販売実績が示され、導入済み施設や商談状況も明記されている。
地域への影響と今後の支援スキーム
愛知県は本コンテストを「Aichi-Startup戦略」や「STATION Aiプロジェクト」の一環として位置づけ、県内での実証や事業展開を通じた産業振興を狙う。今回の優勝企業には賞金に加え、県内企業や自治体、支援機関とのマッチング機会が提供されることが明記されており、地域内での実証実験や販路開拓が期待される。
- 県のサポートは実証・事業化・販路開拓に焦点を当てる点で、導入施設増加や地場企業との協業につながりやすい。
- スポーツ関連の施設・観光・周辺サービスへの波及効果が見込まれる(練習環境の質向上や人工芝廃棄物削減など)。
- スタートアップの“現場実証”を重視することで、地域経済への具体的な寄与が期待される。
審査で上位となった他の企業も、賞金支援を受けて県内での連携を図る予定だ。2位は株式会社Playbox(賞金3,000,000円)で、プロスポーツ配信の次世代AIインフラを提案している。これらの技術は、県内プロスポーツや観光コンテンツのデジタル化に資する可能性がある。
シーズン8の国際連携と募集テーマ
発表によれば、通算第8回となるシーズン8の参加募集が開始された。シーズン8は大阪府と連携し、「Global Startup EXPO 2026」との共同開催を予定。テーマは「ディープテック×グローバル」で、世界市場を目指すスタートアップを全国から募集するという。最終審査会が関西圏の大規模イベントと連動することで、外部資本や海外ネットワークへの接続機会が拡大する見込みだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| シーズン | 7(最終審査会:7月28日) |
| 優勝企業 | 株式会社SHIBAHU Lab. |
| 優勝賞金 | 5,000,000円 |
| 次回テーマ(シーズン8) | ディープテック×グローバル |
県内の起業家や事業者にとって、シーズン8はディープテック領域での国際展開を見据えた登竜門となる可能性がある。大阪での展示・審査機会は、採択企業にとって投資家や事業パートナーと出会う場としての価値が高い。
記者コメントと住民への実利
愛知県が公的資源を使って実証支援とマッチングを推進する仕組みは、単に賞金を与えるコンテストにとどまらない。地場企業との連携や自治体の協働によって、以下のような具体的効果が期待できる。
- 新サービスの県内導入による雇用創出や関連産業の需要拡大。
- 実証フィールドを通じた製品・サービスの改善で、導入施設の満足度向上や利用者増加。
- 地方発の技術が国内外に販路を広げることで、地域ブランドの確立につながる。
今後、優勝企業と県は具体的な実証計画や導入スケジュールを詰める段階に入るはずだ。県内のゴルフ場やスポーツ施設、地場の製造業・農業といった産業とどう結びつけるかが、事業の拡大と地域への波及効果を左右する。関係者は引き続き、実証の進捗や導入後の効果を注視する必要がある。
(池田 修)