山形県は、県立高校への県外生徒受け入れ促進を目的に、7月下旬から8月上旬にかけて無料の県立高校バスツアーを実施する。参加対象は山形県への進学を検討している県外の中学1〜3年生および義務教育学校7〜9年生と、同行を希望する保護者で、定員は30組60名(先着順)となっている。
ツアーの狙いと内容
県は、学校や地域の魅力を直接体験してもらうことで、県立高校や山形への理解を深め、進学を促す狙いを示している。インターネットや写真・動画だけでは伝わりにくい授業風景や学校行事、地域との結びつき、自然環境や食文化などを「来て・見て・話して・体験する」形で提供する。
- 期間:7月下旬〜8月上旬(実施時期は案内どおり)
- 対象:県外の中学1〜3年生等と同行する保護者等(原則、生徒1名につき保護者1名)
- 定員:30組60名(先着順)
- 費用:ツアー内の食事代・宿泊費・体験料は無料。往復旅費は参加者に補助(補助率1/2、上限10,000円)
コースと訪問校の特色
ツアーは置賜、村山・最上、庄内の3地域について、それぞれA、Bの計6コースを設定。各コースで2校を巡り、在校生との交流や授業見学、宿泊施設の視察、地域住民との交流などを行う予定だ。
| 代表的な受入校 | 学科・特色 |
|---|---|
| 遊佐高等学校 | 総合学科。「デュアル実践」やジオパーク関連の探究など地域連携を重視 |
| 庄内総合高等学校 | 全日制総合学科。少人数の実践的授業や地元プロによる体験学習が充実 |
| 加茂水産高等学校 | 水産科。実習船や水族館との連携授業など海域を生かした教育 |
| 庄内農業高等学校 | 農業科を中心に実践的な農業教育、地域イベントとの連携あり |
| 新庄神室産業高等学校金山校 | 少人数制。地域講師による地域密着型の授業や行事が特徴 |
| 新庄志誠館高等学校最上校 | ユニバーサルデザイン視点の授業や福祉コース等、個別支援を重視 |
参加予定の学校一覧には、遊佐、庄内総合、加茂水産、庄内農業、新庄神室産業金山校、新庄志誠館最上校、村山産業、谷地、山形北(音楽科)、長井工業、小国、置賜農業、高畠などが含まれている。これらの学校は農業・水産・工業・音楽など多様な学びを特色としており、県は多様な志向を持つ生徒の受け入れ体制を整えている。
費用面の配慮と参加の手続き
ツアーは原則無料で実施され、食事・宿泊・体験料は県が負担する。往復の旅費については参加者に補助があり、補助率は1/2、上限10,000円。保護者の旅費補助も含まれる点は、全国的にも珍しい取り組みとしている。
参加希望者は募集要項に従い申込みを行う必要があり、定員は先着順となるため、早めの応募が求められる。詳細な申し込み方法や日程、募集期間については県の公式案内で確認すること。
背景と地域への影響
県は平成30年度から県外生の受け入れを行っており、令和8年4月入学生対象の入学者選抜では12校14学科で受け入れを実施、令和9年度は対象校を1校追加する見込みと説明している。背景には、人口減少や学校の地域活性化、教育の多様化といった課題がある。県外生の受け入れは、多様な価値観の交流による教育効果の向上や、地域の活性化につながることが期待される。
地域住民にとっては、ツアーを通じた県外生との交流が将来的な定住や観光・経済面での波及効果を生む可能性がある。地元企業や農家、教育関係者にとっても、地域資源を高校教育に結びつけることで、若い世代に地域の魅力を伝える好機となる。
住民向け実用情報
- 対象:県外中学1〜3年生等と保護者(原則1名)
- 定員:30組60名(先着)
- 費用:ツアー内の費用は無料、往復旅費は補助(1/2、上限10,000円)
- 申込方法・日程等:山形県の公式案内で確認のこと(申込締切・詳細日程は案内に従う)
山形の教育資源と暮らしを知ってもらう機会として、今回のバスツアーは実効性のある取り組みだ。参加を検討する県外の中学生・保護者は、募集要項を確認し、早めに申し込むことを勧める。
(取材・文/渡辺 里奈)