県全体で警報、受診増と家庭の対応が焦点
山形県の小児科定点医療機関からの7月19日までの1週間の報告で、手足口病の感染者が県全体で合計200人に達し、前週から95人増加しました。定点1か所あたりの報告数は8人で、平時の基準値である5人を上回り、県は警報レベルに相当すると発表しました。県内で県全体の警報が出るのは2024年7月以来です。
取材した山形市の橋本こどもクリニックでは、午前の診療開始直後から多くの親子連れが訪れ、発熱や口内・手足の発疹を訴える患者が相次いでいました。院長は発疹に伴う痛みや、高熱の後に発疹が出る傾向が目立っていると説明しています。
橋本基也院長「アルコールが効きにくいと言われているので石けんや流水で手洗いをすることが重要」
症状と注意点
手足口病は一般に口の粘膜と手足に小さな発疹や水疱が出る病気で、乳幼児に多く見られます。今回の流行では、発疹に先立って高熱が出る例が多いことが臨床上の特徴として報告されています。高熱を伴うため初期は風邪や別の感染症と見分けがつきにくく、翌日以降に発疹が出て判明するケースがあるとされています。
地域への影響と医療体制
患者増により小児科の外来受診が増え、待ち時間の長期化や診療体制への負担増が懸念されます。兄弟間や家庭内での感染が起きやすく、保育所や幼稚園、学童等での集団感染のリスクも高まります。山形県内の医療機関は引き続き注意喚起を行い、必要に応じて診療体制の調整が求められます。
家庭でできる予防と対応(実務的なポイント)
- 手洗いの徹底:アルコール消毒が効きにくいとされるため、石けんを使った十分な手洗いを励行する。
- 発熱や口内の異変に注意:まずは解熱や水分補給などの対症療法を行い、症状が強い場合は医療機関を受診する。
- 家庭内の隔離と消毒:可能な範囲で患者と健常者の接触を減らし、手が触れる場所の清拭などを行う。
- 保育・登園の判断基準:発熱や食欲不振、口内痛がある場合は登園を控え、医師の指示に従うこと。
以下は最新の週次報告の要点です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 1週間の報告患者数(県計) | 200人 |
| 前週差 | +95人 |
| 定点1か所あたりの報告数 | 8人(基準値5人) |
受診と相談先
症状が軽くても不安がある場合は、かかりつけ医や地域の保健所に相談してください。高熱が続く、脱水の兆候(おしっこが出ない、ぐったりするなど)、呼吸困難や強い口内痛で食事が取れない場合は速やかに医療機関を受診することが必要です。小児科医は重症化は稀だが、症状の経過を観察し、必要に応じて適切な処置を行うとしています。
山形県内での流行は一時的なものとも考えられますが、家庭や保育現場での基本的な感染対策の継続が地域全体での拡大抑止につながります。特に乳幼児を抱える家庭は、手洗いの励行と症状の早期把握を優先してください。
(取材・執筆:渡辺 里奈)