公民学金が連携、上毛高原駅前の拠点に
株式会社オープンハウスグループと群馬県みなかみ町、群馬銀行、東京大学大学院工学系研究科が連携し、公民学連携によるまちづくり拠点「アーバンデザインセンター(UDC)みなかみ」が、2026年4月に上毛高原駅前で開設された。UDCは、地域の自然や文化、既存資源を活用することで、ネイチャーポジティブ(自然回復を重視する)なまちづくりのモデルを目指す拠点として位置づけられている。
同センターは、2021年から進められてきた水上温泉街再生プロジェクトのコアメンバーと連携し、廃業した大規模旅館「旧一葉亭」の再生を含む温泉街再活性化の取り組みと歩調を合わせ、上毛高原駅前エリアの再編と自然再興に取り組む計画だ。都心からは約65分でアクセスできる上越新幹線の上毛高原駅周辺は、水を軸にした地域資源を備え、観光振興の観点でも高いポテンシャルを持つ。
開所式と組織体制、今後の計画
UDCみなかみのオープニングセレモニーは2026年5月8日に行われ、阿部賢一みなかみ町長らを含む約100名が参加した。式ではテープカットと上毛高原駅前の模型披露が行われ、今後の展望が示された。
「公民学が連携することで持続的にまちをデザインし、ネイチャーポジティブ型のまちづくりの事業モデルとなるべく進める」
組織面では、センター長に東京大学大学院工学系研究科の助教永野真義氏が就き、副センター長としてオープンハウスのサステナビリティ推進部副部長横瀬寛隆氏と東京大学の准教授高取千佳氏が名を連ねる。ディレクターやアシスタントディレクターとともに、東京大学都市デザイン研究室の調査とアイデアを踏まえ、上毛高原駅周辺の「ミライビジョン」素案作成を進めている。草案は今夏に公開予定とされる。
地域への影響と実務的意義
UDCみなかみの設立は、単なるシンボル施設の設置にとどまらない。次のような具体的な影響が考えられる。
- 駅前再編の計画立案と実行力強化:地域拠点が駅前で恒常的に活動することで、土地利用や交通、商業誘導の方針が現場の実情を踏まえて策定されやすくなる。
- 温泉街の再生と観光連携:旧一葉亭の再生を軸に、温泉資源と新幹線アクセスを活用した滞在型観光の実現が期待される。
- 環境保全と地域経済の両立:ユネスコエコパーク登録地域としての自然価値を損なわずに地域経済を支える方向性が試行される。
住民にとっての実用情報
UDCみなかみは上毛高原駅前の拠点施設で、今後の計画やモデル事業は順次公表される見込みだ。関心のある住民や事業者は、UDCみなかみの公式サイト(https://udc-minakami.com/)や町の広報を通じて、公開されるミライビジョン草案や市民参加型の説明会情報を確認するとよい。地域の立地特性や観光事業者との連携によっては、雇用や地元商況に変化が出る可能性があり、地区のまちづくり会議や商工関係団体と情報共有を図ることが住民にとって有益だ。
| 項目 | 現状/予定 |
|---|---|
| 開設時期 | 2026年4月 |
| 開所式 | 2026年5月8日(参加約100名) |
| 主要メンバー | オープンハウス、みなかみ町、群馬銀行、東京大学 |
| 中心課題 | 上毛高原駅前の再編、温泉街再生、自然再興 |
UDCみなかみは、産官学金の包括連携協定(2021年締結)に基づく取り組みの一環として位置づけられる。地域外の研究機関や企業のノウハウを、地域の課題解決に結びつけるモデルとなるかが注目される。今後は具体的な事業スキームや資金計画、住民参加の仕組みづくりが実行面の鍵となる。
地域にとっては、自然保全の視点と観光・生活機能の向上をいかに両立させるかが焦点だ。UDCが提示するミライビジョンの内容と、その実現に向けた合意形成の進み具合を住民や事業者が注視する必要がある。公民学金が一体となった試みが地域の持続性に寄与することが期待される一方、具体化段階での透明性と説明責任が求められるだろう。