豊橋市自然史博物館で7月3日、NHKの人気番組を基にした特別展「ギョギョッとサカナ★スター展」が開幕した。市制120周年を記念した本展は中部地方で初の開催となり、会期は7月3日から9月6日までの58日間。会場には、番組で知られるさかなクンが手がけた精巧な剥製やイラスト原画、CTスキャンなどを用いた3Dデータを含む155点の展示が並んでいる。
子どもから大人まで「魚の世界」を体感
展示の目玉の一つは、全長約4メートルのジンベエザメの剥製だ。細部まで再現された姿は、背びれや口の中まで観察できるという。会場には、番組で使用する軽トラ「ギョギョッと号」の再現や、紙粘土で作られたカエルアンコウなど、子どもが興味を持ちやすい展示も多数用意されている。さらに、生きている化石と称されるラブカの液浸標本など、自然史博物館ならではの学術的資料も並ぶ。
海洋プラスチック問題を身近に示す展示
本展では魚の魅力を伝えると同時に、海洋プラスチックごみの現状にも焦点を当てている。有人潜水調査船「しんかい6500」が採取した深海ごみや、5ミリメートル以下のマイクロプラスチック、海の生き物が誤飲した事例の展示を通じて、現在の海の状況を可視化する構成だ。さかなクンが番組内で用いる造語「プラギョミ」を通して、ごみを単に廃棄物としてではなく考えるきっかけにする工夫もある。
長坂尚登豊橋市長は開場式で「豊橋は太平洋と三河湾という二つの海に囲まれ、多様な海に親しめる街です。展示を通して海や魚、環境について考えるきっかけにしてほしい」と述べた。
教育や市民参加につながる意義
初日の開場式には市内の小学校6年生約150人が招かれ、子どもたちがテープカットに参加した。豊橋市長の呼びかけにもあるように、本展は夏休みの自由研究や学校教育に直結する素材が多い。実物資料や3Dスキャンなど、学校での学びを補完する展示が揃っているため、保護者や教員にとって利用価値が高い。
- 会期:2026年7月3日〜9月6日(58日間)
- 展示点数:155点(剥製・イラスト原画・3Dスキャン等)
- 会場:豊橋市自然史博物館(詳細な開館時間・入場料は博物館の案内を確認のこと)
展示の構成には環境配慮の工夫も見られる。会場内の説明パネルやキャプションに使用する紙素材は、牛乳パックなどを再利用した紙が用いられており、石油由来プラスチックの使用削減に配慮。また、一部の展示では再生可能エネルギーが活用される取り組みも紹介されている。
来場を考える市民への留意点
会期が夏休み期間と重なるため、土日や学校の長期休暇期間は来場者が集中する可能性が高い。家族連れや学校単位での来場を予定する場合は、混雑時間帯を避ける、事前に博物館の公式案内で開館時間や整理券情報を確認するなどの配慮が有益だ。展示には実物標本やデジタル操作端末も含まれるため、児童連れの場合は館内でのルールや他来場者への配慮を呼びかけたい。
今回の巡回展はこれまで大阪、延岡、松山、いわきなどを巡っており、会場によっては短期間で多くの来場者を集めている。中部地方初開催となる豊橋展も地域の教育資源として期待されると同時に、観光や市内経済にも一定の波及効果をもたらすことが見込まれる。
豊橋市は三河港や汐川干潟など地元で海と接する機会も多い。今回の展示が市民にとって身近な海の問題を考えるきっかけとなり、日常のごみ分別や環境保全の行動に結びつくことが期待される。
(池田 修、プレスリリースジェーピー愛知県担当)