鳥取市の吉岡温泉にある日帰り入浴施設「一ノ湯」が設けるイヌ専用の貸し切り温泉――通称「わんこの湯」が、夏の時季を迎え利用が目立っている。取材に訪れた日は、大型の秋田犬・ユキ(メス、3歳)がはるばる大阪から数か月に一度、通っている姿があった。
施設と利用の実際
「一ノ湯」では、一般の入浴とは別にイヌ専用の貸し切り温泉が設置されている。取材で確認できた点は以下の通りだ。
- 対象はイヌで、貸し切りで利用できる温泉設備がある。
- 体感温度に配慮し、通常は約37℃前後の設定だが、猛暑期はぬるめに調整している。
- 温泉利用後に毛並みを整える乾燥や、施設による預かりサービスも行っているため、飼い主が自身も温泉を楽しむことができる。
飼い主の川岸ひろみさんは、ユキが生後数か月のころから通っていると話す。以前に同施設で秋田犬の入浴を撮影した動画が話題になったことがきっかけで、ユキも通うようになったという。この動画は2021年に投稿され再生回数が400万回を超えたことが報じられている。
夏場の配慮とペットの様子
取材日は真夏のため、施設側は湯温を通常より低めに設定していた。田中文佳さん(一ノ湯)は「夏場なのでお湯はかなりぬるめにしているので、水遊び感覚で遊んでもらえたら。毛がたくさん抜けるがそのまま帰っていただけるので飼い主さんには楽して楽しんでもらえたら」と話している。
実際にユキは肩まで湯に浸かり約20分ほど入浴。飼い主は「温泉に入ったほうが毛がサラッとする。あと自分から入ってくれるので良い」と効果を説明した。入浴後はシャンプーと乾燥で毛並みを整え、これが常連のルーティーンになっている。
地域への影響と観光面の可能性
イヌ専用の貸し切り温泉は全国的にも珍しい取り組みで、地元の観光資源としての可能性を持つ。飼い主が遠方から定期的に訪れるケースがあることは、宿泊や飲食、周辺観光施設の利用につながる余地がある。一方で、ペット連れの受け入れには衛生面や安全面の配慮、利用マナーの周知が不可欠だ。
施設側が預かりサービスを提供している点は、飼い主が安心して自身の入浴を楽しめる利点となる。夏の暑さを避ける目的で水遊び感覚に対応するなど、季節に合わせた運用も行われている。
利用を考える住民への実用情報
- 事前確認の推奨:イヌ専用施設は貸し切りでの運用が前提となるため、利用を検討する際は事前に施設へ連絡し、空き状況や注意事項を確認すること。
- 健康管理:高齢犬や持病のある犬は長時間の入浴が負担になる場合がある。獣医師の指示や飼い主の判断で短時間の利用や見合わせを検討する。
- 毛の抜け方や排泄物処理など衛生面の配慮:施設のルールに従い、抜け毛や排泄物の処理、予防接種などの確認が必要。
これらは取材で確認できた運用実態や施設側の説明に基づくもので、具体的な利用方法や料金、予約方法などの詳細は直接施設に問い合わせてほしい。
まとめ
吉岡温泉「一ノ湯」のイヌ専用貸し切り温泉は、地域の珍しいサービスとして注目を集めている。飼い主が遠方から通うケースや、入浴後の毛並みの改善を評価する声がある一方、衛生管理や安全面での配慮が重要だ。夏場は湯温を下げるなど工夫を行い、ペットと飼い主が共に過ごしやすい環境づくりを進めている。
「夏場なのでお湯はかなりぬるめにしているので、水遊び感覚で遊んでもらえたら。毛がたくさん抜けるがそのまま帰っていただけるので飼い主さんには楽して楽しんでもらえたら」 — 一ノ湯 田中文佳さん
ペットと一緒に過ごす時間が増える夏。利用を検討する際は事前確認と飼い主側の準備で、安全で気持ちの良い利用につなげてほしい。