富山県で犬のSFTS感染、今年初の確認
富山県内で、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染した犬が確認されました。県によると、確認されたのは高岡厚生センター管内に住む4歳の飼い犬1頭で、普段は屋内で飼育されており、散歩時に自宅周辺の屋外に出ていたということです。犬は7月19日に元気がなく食欲が低下したため、22日に動物病院を受診し、その後に感染が判明しました。
県内では今年初めての感染例です。
SFTSはマダニを介して人や動物に感染するウイルス性疾患で、致死例が報告されることもある感染症です。富山県内では昨年、人の感染1例、猫の感染1例が確認されていますが、犬での確認は今年初めてとなります。県は現時点で飼い主や動物病院従事者に症状は出ていないとしています。
地域への影響と注意点
今回の確認は、屋内飼育が中心でも散歩などで屋外に出る機会があるペットはマダニ被害のリスクがあることを示しています。住民にとっての具体的な影響は以下の点です。
- ペットを介した二次感染の可能性:まれに動物から人への感染例が報告されており、飼い主や動物病院関係者は注意が必要です。
- 散歩や屋外活動のリスク管理:森林や草むらだけでなく、自宅周辺の草地や畦道でもマダニが存在する可能性があります。
- 医療・獣医の連携強化の必要性:発熱や出血傾向などヒトの疑わしい症状が出た場合、医療機関と保健所、動物関連機関の連携が重要になります。
県が呼びかける対策と飼い主向け実用情報
富山県は、マダニに刺されないための対策として、森林や草むらでの肌の露出を減らす、直接座る・寝転ぶことを避けることを挙げています。また、動物からの感染を防ぐために過度な接触を避けるよう飼い主に求めています。具体的な実践例は次の通りです。
- 散歩時は長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を抑える。靴下をズボンの裾に入れるなど、マダニの侵入を防ぐ。
- 散歩後はペットの全身を点検し、特に耳の後ろ、首、脇腹、足の付け根など毛の薄い部分を確認する。
- マダニを見つけた場合は無理に引きはがさず、動物病院での適切な除去を依頼する。人の場合は医療機関に相談する。
- ペット用の予防薬(獣医師の指示に基づくスポットオンや内服薬)を活用する。
症状と受診の目安
犬や猫でのSFTS感染は症状の出方に個体差がありますが、今回の事例では飼い主が「元気がなく食欲が低下した」として受診したことが発端でした。ヒトにおいては高熱や消化器症状、血小板減少など重篤化する症例があるため、以下のような状況では早めの相談・受診が必要です。
- マダニに咬まれた可能性があり、その後に発熱や倦怠感が続く場合
- ペットがマダニに咬まれて体調不良が見られる場合
受診時はマダニに咬まれた可能性やペットの状況を医療機関や動物病院に伝えてください。診療・検査の方針や感染対策が変わることがあります。
データの概況(富山県内の最近の確認状況)
| 年 | ヒト確認数 | 猫確認数 | 犬確認数 |
|---|---|---|---|
| 2025(昨年) | 1 | 1 | 0 |
| 2026(今年) | — | — | 1 |
注:上表は県発表の公表例を基にまとめたもので、年度内の追加の確認があれば更新されます。
地域医療・獣医療の対応と住民への助言
獣医療機関はマダニの除去と感染の疑いがある場合の検査・保定などで適切な対応を行います。動物病院職員は患者であるペットへの接触時に感染予防策を講じる必要があります。飼い主は日常的に次の点を徹底してください。
- 定期的なブラッシングと体表の点検
- 予防薬の使用について獣医師と相談すること
- 屋外での接触後に手洗い・消毒を行うこと
今回の事例は、飼育形態にかかわらずマダニ対策が重要であることを示しています。県は引き続き飼い主や医療機関に情報提供を行うとともに、疑い例の早期発見と迅速な対応を呼びかけています。地域の公衆衛生を守るため、散歩時の服装やペットの点検など日常の予防行動を見直してください。
(井上 麻衣・富山県担当記者)