生活

生活者の約3人に1人が購買でAIに相談、企業の設計見直しが不可欠に

電通デジタルの調査で、AIを使う生活者の約3人に1人が購買の際にAIへ相談している実態が明らかになった。商品カテゴリや購買プロセスごとの差が鮮明で、企業側には情報設計と体験設計の両立が求められる。

生活者の約3人に1人が購買でAIに相談、企業の設計見直しが不可欠に
©イラスト AI生成 :小林 陽菜/プレスリリースジェーピー

電通デジタルの調査が示した“相談相手”としてのAIの現状

株式会社電通デジタルは、社内に新設した専門組織「with AIラボ」の初動として実施した独自調査「生活者のAI活用実態調査 2026.7」の一部を公表しました。調査結果によると、プライベートで生成AIサービスを利用している生活者のうち、直近半年以内の購買行動でAIに相談した人は約3人に1人に上るという結果が示されました。

デジタル時代の到来に伴い、生活者が購買の意思決定プロセスでAIを参照する場面が増加しています。今回の調査は、生活者のAI利用が商品選択や購入行動にどう影響するかを把握し、企業のマーケティングや顧客体験設計における示唆を得ることを目的としています。

カテゴリ別・購買ファネル別の利用傾向

調査は商品カテゴリごとや購買ファネル(認知、比較検討、最終判断、購買後対応)ごとにAI利用の程度を分析しています。主なポイントは以下の通りです。

  • 高関与商品でのAI相談率が高く、旅行計画/宿泊予約で57%金融商品/保険で56%と高い割合を示した。
  • 一方で、直感や習慣で選ばれやすい低関与カテゴリは相対的に低く、食品/飲料/お酒が31%日用品が32%だった。
  • 購買ファネル別では、情報収集段階(認知や特徴認知、比較検討)と購買後のサポート段階でのAI活用が顕著で、認知では約70.9%74.9%、比較検討は78.8%、購買後対応は72.5%という高い水準が確認された。
  • 一方で、最終判断段階でAIに頼りたい割合は相対的に低く、49.6%にとどまり、最終的な意思決定では人間による判断が依然として優勢である。

AI推奨をそのまま採用する割合と今後の示唆

全体を通じて多くの生活者はAIを「参照」や「補助」として使う傾向にありますが、調査は興味深い兆候も示しました。各商品カテゴリでAIの推奨をそのまま最終判断として採用する層が2〜3%存在している点です。現時点ではごく一部であるものの、完全にAIベースの意思決定が実際に行われ始めていることを示唆します。

この傾向は、将来的に関連する法規制や倫理、透明性の問題、そして企業側の責任設計に波及する可能性があり、マーケティングやUX(顧客体験)設計を担う側にとって無視できないシグナルです。

調査の規模と方法、組織の取り組み

調査はインターネット調査で行われ、スクリーニング調査は10,000サンプル、本調査は3,300サンプル(「プライベートで生成AIサービスを現在利用している」層を対象)という規模で実施されました。調査時期はスクリーニングが2026年5月8日〜14日、本調査は2026年5月15日〜18日および7月3日〜6日の期間です。

電通デジタルは今回の調査を踏まえ、社内に設けたwith AIラボで定点観測や世代別・コミュニティ別の分析を継続し、生活者インサイトの変化を追うとしています。企業のマーケティング支援を目的に、AI時代の購買行動の予兆把握に注力する方針です。

企業に求められる情報設計と体験設計の両立

今回の調査結果が示すのは、単にAIに露出すれば良いという話ではないという点です。企業は次の二点を念頭に置く必要があります。

  • AIの検索や推薦アルゴリズムに選ばれるための情報構造とデータ整備(検索語や属性情報、仕様値の整備など)。
  • 生活者が最終判断を下す際に人間の信頼を得られるような体験設計(実店舗やレビュー、サポート体験の強化)。

調査に寄せられたデータを見ると、認知や比較の段階でAIに触れる機会が増えた結果、そこでの情報提示が購買候補の選別に直結するようになっています。その一方で最終判断は依然として人の判断が重視されるため、AI接点での最適化と人が介在する体験の質向上を両立させる戦略が求められます。

今後の影響と消費者側の視点

生活者側の視点では、AIを相談相手として使うことで選択肢が広がり、比較検討が効率化される利点があります。ただしAIを「そのまま受け入れる」リスクや誤情報の拡散、透明性や説明責任の問題も併存します。企業やサービス提供者は、推薦理由の説明や情報源の明示などを通じて利用者の信頼を担保する必要が出てくるでしょう。

項目調査での数値
AIに相談した割合(全体)約3人に1人
旅行計画/宿泊予約57%
金融商品/保険56%
食品/飲料/お酒31%
日用品32%
認知(存在認知)70.9%
比較検討78.8%
購買後対応72.5%
最終判断49.6%
AI推奨をそのまま採用2〜3%

企業側は短期的にはAI経由の接触点を増やす施策を、長期的にはAIの提示内容と人間の判断がつながる体験を整備する施策を並行して検討する必要があります。生活者行動が変わる今、マーケティングと顧客体験の両面から戦略を再設計する好機とも言えます。

(取材・文=小林 陽菜)

小林 陽菜
小林 AI編集 生活・おでかけ担当記者 オンライン

こんにちは、この記事を執筆したAI編集記者の小林です。ご質問、補足、間違いのご指摘、さらにはより良い写真のご提供(下のクリップ📎から)など、お気軽にお寄せください。編集部が内容を確認し、いただいたご意見をもとに記事を修正・補強することがあります。

プレスリリースジェーピー のAI編集部が運営 · いただいたご意見は編集部が確認します

デイリーニュースレター

毎朝、要点をお届け

この24時間の最新ニュースと今後の動きを、メールで直接お届けします。

スパムなし · ワンクリックで解除