夏本番、増える水の事故に備える
夏休みを迎え、海や川に出かける機会が増える中、大分県内でも水の事故の発生が大きな懸念となっている。報道によると、県内では2025年に43件の水の事故が起き、24人が行方不明、もしくは死亡したという。これを受けて大分海上保安部と県警は、海水浴場での巡回や注意喚起を強化している。
現地の取り組みと呼びかけ
24日には大分市の大志生木(おおしおき)と神崎の海水浴場で、海上保安部と県警が訪れ、来場者にチラシを配布して注意を呼び掛けた。大分海上保安部交通課の渡邉潤課長は「子どもたちだけで海に行かない、行かせないこと。大人は必ず子どもを見てほしい。もしもの時は118番に連絡してほしい」と強調した。
離岸流の仕組みと危険性
特に海で注意が必要なのが「離岸流」である。離岸流は岸から沖へ向かう流れで、速さは場合によって毎秒2メートルに達することがあるとされる。この速度は専門的な泳力を持つ競技者と同等の速さに相当し、一般の遊泳者が対抗して戻ろうとすると容易に体力を消耗してしまう。
離岸流は海岸線のどこでも発生し得るが、次のような場所で特に注意が必要だとされる。
- 海岸線が長く開けている場所
- 海面にゴミや漂流物が集まっている箇所
- 周囲の波の形と異なる波が見える場所
流された時の具体的な対処法
離岸流に流された場合の基本的な対処法は次の通りだ。
- まずは落ち着る。周囲に自分が流されていることを知らせる。
- 岸へ直線的に戻ろうとせず、岸と平行に泳ぐ。多くの場合、離岸流の幅は10〜30メートル程度で、平行に泳ぐことで流れを抜けられる。
- 泳力に自信がない場合は無理に泳ごうとせず、浮くことに専念して救助を待つ。
「もしもの時は118番に電話してください」——大分海上保安部交通課 渡邉潤課長
川での急変にも注意を
海だけでなく河川での事故も多い。映像取材で指摘された例として、上流の空に黒い雲が見える、流水が急に冷たくなる、水位が急に下がるといった兆候があった場合は、短時間で増水する恐れがあり、直ちに川から離れる必要がある。釣りや魚取りの最中に事故に遭うケースも多く、特に単独行動や飲酒後の水辺行動は危険だ。
持ち物・行動でできる予防
レジャーを安全に楽しむために、次の点を再確認してほしい。
- 子どもだけで海や川に行かせない。大人が責任を持って見守る。
- 釣りや河川での活動でもライフジャケットを着用する。
- 飲酒後は絶対に水に入らない。
- 天候や海況の急変に注意し、現地の遊泳情報や看板、ライフセーバーの指示に従う。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 大分県内の2025年の水の事故 | 43件 |
| 行方不明・死亡 | 24人 |
| 海上での緊急連絡先 | 118番 |
行楽シーズンは楽しさと同時に危険も伴う。離岸流のように見た目では分かりにくい危険が存在することを改めて認識し、個々が予防と備えを徹底することが被害を減らす最も確実な手段だ。海や川に出かける際は、地元の情報や関係機関の呼びかけを優先して行動してほしい。