第108回全国高校野球選手権奈良大会が9日に開会式を迎えた。グラウンドで戦う選手だけでなく、アルプス席やスタンドで声援を送る生徒たちの夏も始まっている。中でも、奈良大附属高校(以下、奈良大付)の吹奏楽部が大切にしてきた応援曲「青のプライド」が、甲子園の舞台で初披露された経緯と再演への思いが改めて注目を集めている。
「青のプライド」誕生の経緯
オリジナル応援歌「青のプライド」は、奈良大付が2018年の第100回全国高校野球選手権記念大会に出場した際にお披露目された曲である。奈良大付は1960年の創部以来、初めて夏の甲子園出場を果たした。その舞台で演奏されたこの曲は、作曲家ジントシオ(本名・神俊雄)さん(46)が制作を手がけた。
奈良大付の吹奏楽部は当時、ジンさんが手がけた他校の応援歌を耳で聴いて演奏する「耳コピ」で対応していた。SNSでその演奏を耳にしたジンさんが楽譜を送ったことが縁となり、甲子園出場が決まると、わずか1週間ほどで新曲を作ることになった。作曲に際しては生徒から「不気味な曲が良い」といった要望を聞き取り、歌詞にも「朱の智弁学園、紫の天理なら奈良大付は青」といった生徒の思いを反映させたという。
現場の声と部の現状
当時の甲子園での演奏は観客や高校野球ファンの間で「魔曲」と呼ばれるほど強い印象を残した。吹奏楽部の現部長で3年の嶋崎陽太さん(18)は、「青のプライドを演奏すると、一気に奈良大付の空気になる」と語る。野球部の選手からは「打席で青のプライドを聞くと主人公になった気がする」との声もあったという。
現在、吹奏楽部の現役部員は12人。大会当日はチアリーダー部や野球部員も含めた合同練習を大会までに5回ほど重ね、OB・OGも集めて総勢約30人で演奏に臨む体制を整えている。副部長の鈴木瑠花さん(17)は「選手の努力に応えられる演奏をしたい」と言い、もう一人の副部長、押遥七さん(17)も「甲子園で青のプライドを演奏したい」と決意を示した。
地域への波及と意義
奈良大付の応援歌は、制作から時間を経て他校にも広がり、現在は千葉県の八千代松陰など10校以上が使用する有名曲になったとされる(ジントシオさんのコメント)。応援曲が地域や学校の象徴になる例は多く、奈良大付の例もその一つだ。地元の高校野球を支える文化として、吹奏楽部の存在は単に演奏者という枠を超え、学校と地域を結ぶ重要な役割を果たしている。
- 部員が少数である一方、OB・OGの協力により規模のある演奏を実現している点
- 曲の制作経緯が学校側と作曲家の直接的な交流によるものである点
- 応援歌が地域外の学校にも広がりを見せている点
「青のプライドは今では千葉県の八千代松陰など10校以上が使用する有名曲。今年は甲子園で聞かせてほしい」とジントシオさんは期待を寄せる。
住民への情報と実用的助言
地元住民にとって、奈良大会は地元校の活躍を間近で見られる機会であり、吹奏楽部やチアリーダーらの応援は試合観戦の大きな見どころだ。応援の雰囲気を味わいたい市民には以下の点が参考になる。
- 試合日程・開門時間やアルプス席に関する情報は大会主催の県高野連や各高校の発表を確認すること。
- 吹奏楽部の演奏をより近くで聞きたい場合は、指定の観覧エリアやマナーに従うこと(大声援や演出に伴う迷惑行為は控える)。
- 暑さ対策や混雑対策を万全にし、公共交通機関や臨時のシャトルバスの運行案内を事前確認すること。
また、地域の学校やOB・OGが一体となって作り上げる応援の文化は、高校スポーツの魅力の一つであり、地元の誇りとなる。奈良大付が甲子園で見せた「青のプライド」は、演奏の場面が再び甲子園で実現するかどうかにかかわらず、奈良の高校野球や吹奏楽の歴史の一幕として地域に残るだろう。
| 項目 | 記載内容(出典) |
|---|---|
| 大会 | 第108回全国高校野球選手権奈良大会(開会式は9日) |
| 作曲者 | ジントシオ(本名・神俊雄、46) |
| 吹奏楽部現役部員 | 12人 |
| 演奏規模(大会当日) | OB・OGを含め総勢約30人で演奏 |
高校野球の季節は地域の多くの人々が一体となる機会だ。奈良大付の「青のプライド」はその象徴の一つであり、今後も地域の応援文化として注目され続けるだろう。