地元原料で卵を使わない「マヨ」を開発
滋賀県東近江市で資源循環に取り組むNPO法人「愛のまちエコ倶楽部」は、卵アレルギーの子どもでも食べられる卵不使用のマヨネーズを開発し、2025年11月から販売を始めた。製品名は「菜ばかりの大豆マヨ」で、原料に県産大豆と地元産の菜種油「菜ばかり」を使用している。
開発を主導した理事の園田由未子さんは、地域で受け入れる民泊事業を通じて、修学旅行などで訪れる子どもに食物アレルギーを持つ例が多いことを知ったのが着想のきっかけだとしている。園田さんは「卵アレルギーでも安心して料理に使ってもらえる。子どもたちにおいしく食べてもらいたい」と話す。
「卵なしでもおいしいマヨネーズができた」
地域循環が背景にある商品化
今回の商品化は、同NPOが20年以上続けてきた「菜の花エコプロジェクト」と密接に結び付く。プロジェクトでは地域の農地で菜種を栽培し、搾油して菜種油を作るほか、家庭や学校給食で回収した廃食油をバイオ燃料に加工し、市内のコミュニティーバスで活用してきた。こうした循環の仕組みを基に、加工品としての付加価値を高める取り組みが進められている。
レシピと製造上の工夫
通常のマヨネーズは食用油と卵、酢を主な原料とするが、「菜ばかりの大豆マヨ」は卵の代わりに県産の大豆をまるごと使用した。大豆のコクと菜ばかりの風味を生かすため配合を工夫し、酢は高島市の酢醸造会社「淡海酢」の米酢を使用するなど、塩と砂糖以外は県産材料にこだわった。開発開始は2025年1月で、乳化の確立に時間を要し失敗を重ねながら調整を進め、試験販売にこぎつけたという。
販売状況と価格
販売は東近江市内の「道の駅あいとうマーガレットステーション」をはじめ、近隣の店舗や近鉄百貨店草津店など計4店舗で行われている。内容量は80グラムで、価格は税抜き800円。問い合わせ先は同NPO(0749-46-8100)に設定されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | 菜ばかりの大豆マヨ |
| 原料 | 県産大豆、菜ばかり(菜種油)、淡海酢の米酢など |
| 発売開始 | 2025年11月(試験販売) |
| 内容量・価格 | 80g・税抜800円 |
| 販売場所(一部) | 道の駅あいとうマーガレットステーション、近鉄百貨店草津店ほか |
利用者と地域への影響
卵アレルギーの子どもを抱える家庭にとって、外出先や学校行事での食事は常に配慮が必要だ。卵を含まない代替食品が増えることは、親の負担軽減につながる。記事では、卵アレルギーの子を持つ親から「喜んでバクバク食べている」との声が届いていると伝えており、食の選択肢が広がっていることがうかがえる。
また、原料を地元に求めることで農家の副次的な需要創出や、加工・販売を通じた雇用・収入の確保にもつながる可能性がある。菜の花エコプロジェクト自体が地域内での資源循環を目指す取り組みである点は、環境面のアピール材料にもなる。
- アレルギー対応食品として家庭や学校での利用が見込まれる
- 地産原料の利用で地域経済と循環型社会に寄与
- 製造面では乳化の調整など技術的課題を克服して商品化
今後の課題としては、安定供給と価格の抑制、販路拡大、そして製造体制の確立が挙げられる。製品の原料を地域に限定する方針は品質の訴求につながる一方で、原料調達量が需要に追いつかない場合の生産調整が必要になる。小ロットでの製造や試験販売から、量産化に移行する際の工程管理や衛生管理の強化も求められる。
地元自治体や観光、学校給食の関係者と連携して用途を広げる取り組みも考えられる。アレルギー対応の観点からは、成分表示やアレルギー情報の周知、学校給食導入時の検証など実務的な確認が必要だ。商品が広く受け入れられるには、消費者への情報提供と安心感の醸成が不可欠である。
「菜ばかりの大豆マヨ」は現在、試験的な販売段階にあるが、地産素材の活用とアレルギー対応を両立させた製品として注目される。興味のある消費者や団体は、販売店舗かNPOへの問い合わせを通じて最新の販売情報や取り扱いを確認するとよい。
問い合わせ:NPO法人 愛のまちエコ倶楽部(電話 0749-46-8100)