ローソン、静岡県内9店舗で車中泊「RVパーク」を拡大
コンビニエンスストアのローソンは、店舗駐車場を活用した車中泊施設「RVパーク」の実証実験を、2026年7月17日から静岡県内の9店舗に拡大して展開すると発表した。これにより、静岡県内の店舗が観光地を訪れる車中泊需要の受け皿となるほか、地域の駐車場利用のあり方や商業施設の収益化に影響を及ぼすとみられる。
今回対象となる静岡県の店舗は以下の9カ所で、三島市、伊豆市、駿東郡、小山町、焼津市、御前崎市、浜松市、湖西市など広域にわたる。
- ローソン三島大場店(三島市)
- ローソン伊豆熊坂店(伊豆市)
- ローソン伊豆月ケ瀬店(伊豆市)
- ローソン小山町わさび平店(駿東郡小山町)
- ローソン焼津小川店(焼津市)
- ローソン御前崎苗代橋店(御前崎市)
- ローソン浜松雄踏山崎店(浜松市)
- ローソン湖西市(※店舗名は発表リストの一部として掲載)
運営はローソンと共同するグローリー社および一般社団法人日本RV協会と連携して行われる。サービスは予約制で、1予約につき車両2台分の駐車スペースを使用し、1店舗あたり1日1台までの受け入れとする。利用料金は1回あたり2,500〜3,000円、支払いはクレジットカードのみ。予約は専用サイト(RV-Park.jp)で行う仕組みだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用時間(チェックイン) | 15時〜22時 |
| チェックアウト | 〜10時 |
| 利用台数 | 1店舗1日1台まで(1予約につき車両2台分のスペース) |
| 料金 | 2,500〜3,000円(1回1区画) |
| 支払方法 | クレジットカードのみ |
ローソンは2025年7月に千葉県内7店舗で実証を開始しており、お盆や年末、ゴールデンウィークの稼働率が7店舗平均で9割超となるなど需要の高さを報告している。利便性や安心感が評価された点を受け、埼玉・愛知と並んで静岡での展開を決めたという。
「食材の買い物ができる」「24時間営業の店舗があり安心できる」「利用料金が手頃である」との評価が高かったと、同社はアンケート結果を説明している。
同社が公開したアンケート(2025年7月〜2026年4月、回答者81名)では、利用者の約8割が50代以上で、利用形態は夫婦など大人2名が中心だった。回答者の99%が今後のエリア拡大時にも利用意向を示した一方、「チェックイン時間の幅を広げてほしい」「チェックアウトを延ばしてほしい」といった要望も多く、今回の拡大に合わせてチェックイン時間を従来の18時〜21時から15時〜22時へ、チェックアウトを9時から10時へ変更するとしている。
地域への影響と課題
静岡県は海や山など観光資源が豊富で、都心圏から1〜2泊で訪れる需要が高い。ローソン側はこうした立地を選定基準に入れており、車中泊需要の受け皿としての期待は大きい。ただし、地域生活や交通面での影響、店舗周辺の住民感情、環境面の課題も念頭に置く必要がある。
- 観光振興への寄与:駐車場を起点に付近の観光スポットや飲食店へ来訪が見込まれるため、周辺経済にプラス効果が期待される。
- 駐車場運用と混雑:店舗の通常利用者との駐車場の兼用や、車両サイズによる入出庫時の安全確保が求められる。
- 環境・衛生面:ごみ処理は袋1枚までとされているが、利用増加に伴うマナー対応と適正処理の運用が課題となる。
実施にあたってローソンは、店舗側での専用タブレットによる予約確認、利用許可証の手渡し、設置・撤去する「置き看板」、電源ドラム貸し出しといった運営面の対応を明示している。これらは利用者と周辺住民双方の安心につながる措置だが、実際の運用状況が地域にどう受け止められるかが焦点となる。
利用を検討する住民・観光客への実務的な案内
サービスを利用する際のポイントは次の通りだ。
- 予約制であるため事前の申し込みが必須。予約はRV-Park.jpで行う。
- 支払いはクレジットカードのみ。現金や店舗での精算は不可。
- 1店舗あたり受け入れは1日1台のみ。繁忙期は早期に埋まる可能性が高い。
- ごみは指定の袋1枚まで。生ごみは取り扱い対象となるが、適切な処理が求められる。
利用を検討する観光客は、事前に利用条件や周辺施設の営業時間、深夜・早朝の交通事情を確認することが望ましい。とくに大型のキャンピングカーや車高の高い車両は、入出庫スペースや周辺道路幅を確認しておくと安全だ。
今後の展開と自治体の関与
ローソンは2026年度内に約70店舗規模での展開を目指すとしており、東京都や神奈川県、三重、岐阜などでも拡大を検討している。静岡県内でも利用実績や地域からの反応を踏まえ、さらなる店舗追加や運用ルールの見直しが行われる可能性がある。
自治体側としては、地域の安全確保や交通対策、観光施策との連携を図る必要がある。駐車場の有効活用という観点で自治体と事業者が意見交換を行い、地域の実情に合った運用ルールを整備することが求められるだろう。
静岡県内で車中泊をめぐる需要は高まっており、今回のローソンの取り組みは利便性を高める一方で、周辺住民や交通管理の視点からの調整を不可避とする。利用者・住民・自治体・事業者がそれぞれの立場で課題を共有し、実効性のある運用を作り上げることが今後の鍵となる。