久留米産の絣を軸に、日常に寄り添う新作を展開
きものブランド「きものやまと」(株式会社やまと、本社:東京都渋谷区)は、令和八年の秋冬新作コレクションを発表した。新作は2026年8月20日から順次、全国の店舗とオンラインストアで販売が始まる。今回の特徴の一つは、福岡・久留米で織り上げた久留米絣を用いた品揃えを打ち出している点だ。
発表資料によれば、コレクションは日常使いの木綿きもの「久留米絣」と、ご自宅での手入れが可能なポリエステル製の「やまと可憐」、そして博多織や西陣織の帯類といった伝統産地の技を活かしたラインを中心に構成される。帯にはテキスタイルデザイナー・青山佳世氏とのコラボレーション作も含まれる。
- 発売開始:2026年8月20日(順次、全国店舗・オンライン)
- 主な地場関係:福岡・久留米で織り上げた久留米絣を採用
- その他:博多織・西陣織の帯、小物類の展開
商品構成と価格の一例
発表に含まれる具体的な品目と価格は以下の通り。いずれも税込価格で、仕立てや種類により異なる表示がある。
| 商品 | 説明 | 価格 |
|---|---|---|
| 久留米絣 ダイヤ(ミシン単衣仕立付) | 木綿の久留米絣 | 79,200 円 |
| 久留米絣 無地 クランベリー(ミシン単衣仕立付) | 緯糸に青を織り込んだ品 | 52,800 円 |
| 久留米絣 無地 羊羹色(ミシン単衣仕立付) | やわらかな茶系の無地 | 52,800 円 |
| やまと可憐 貴石(ミシン仕立付) | 洗えるポリエステル素材のきもの | 49,500 円 |
| コラボ帯(京袋帯 geometric flowers) | 青山佳世氏とのコラボ洒落帯 | 36,300 円 |
久留米への影響と地域の受け止め
久留米絣は発表文でも指摘されているように、江戸時代から受け継がれてきた地場の織物である。今回、全国規模のブランドがコレクションへ久留米絣を取り入れたことは、産地認知の向上や需要喚起につながる可能性がある。とくに観光や伝統産業の振興を図る自治体や関係者にとっては、販路拡大の好機と受け取れる。
一方で、地元事業者にとって重要なのは単発的な注目にとどまらず、持続的な発注や技術継承につながるかどうかだ。今回のコレクションがどの程度の生産量を久留米側に委ねるか、あるいは地元工房や職人の関与がどの段階まで及ぶかといった点は、今後の注視事項となる。
「秋の装いを、きものから。」
発表文はフェアのキャッチとして上記の文言を掲げ、きものだけでなく帯や羽織、小物を組み合わせる楽しさを強調している。地元で絣を織る事業者にとっては、観光客や購入層が実際に商品を手に取る機会が増えれば、体験プログラムや販売イベントといった複合的な取り組みを検討する余地が生まれる。
消費者(住民)に向けた実用情報
今回の発売は全国店舗とオンラインストアの両方で行われるため、久留米在住の住民が実際の品を確認・購入する方法は複数ある。店舗での試着や素材感の確認を重視する場合は、最寄りのきものやまと店舗の取り扱い状況を事前に確認するとよい。オンラインでは「やまとオンラインストア」での取り扱いが予定されている。
価格帯は商品や仕立て方法で幅があるため、購入を検討する際は仕立ての有無や素材表示(オーガニックコットン使用など)を確認することが大切だ。また、洗えるきもの「やまと可憐」は家庭での手入れが可能な点を売りにしており、日常使いを考える消費者には選択肢となる。
今後、地元の商工関係者や織元が具体的な連携内容を公表すれば、久留米の産業振興や観光面での波及効果を測る指標となる。短期的には販路拡大、長期的には技術継承と需要の安定化が課題となるだろう。
(取材・文=三浦 遥)