災害を装ったSNSの誘導に要注意
独立行政法人国民生活センターは、令和8年熊本地震に便乗した不審なSNS上のダイレクトメッセージ(DM)に注意するよう、公式ホームページで警告を出しました。被災地支援をうたう文面でリンクへ誘導し、コード決済(いわゆる“○○Pay”)を使わせて金銭をだまし取る手口が確認されています。
事例として、SNSでフォローしていた飲食店を名乗るアカウントから「指定のwebサイトで商品を購入すると被災地に寄付ができ、さらに購入額より多い金額がコード決済で返金される」というDMが届き、案内通りに進めた結果、最初は少額の返金があったものの、後に高額を支払っても返金がないという被害が報告されています。
『OOPay で返金します』 と言われたら詐欺を疑ってください!
実際の相談例と被害の流れ
国民生活センターが紹介する相談例では、最初は1000円相当の商品購入でコード決済を行うと1200円が返金されるなど、信頼を形成するためにあえて少額の“成功”を見せる点が特徴です。これを繰り返したのち、被害者が10万円分を決済した際に返金がなかったという報告が寄せられています。さらなる返金をちらつかせて追加の支払いを促すケースも確認されています。
国民生活センターの具体的アドバイス
同センターは以下の注意点を強調しています。
- 不審なDMやメールは無視、もしくはやり取りをすぐに断つ。
- 個人情報や金銭を要求された場合は決して応じない。
- 支払う前に、寄付や商品の案内をしている事業者の公式サイトや窓口で確認する。
- 被害に遭ったと感じたら、コード決済サービス事業者への申し出と共に警察へ相談する。
- 不安があれば消費生活センター(消費者ホットライン:188)に相談する。
被害を防ぐための実務ポイント
SNS上で一見信頼できるアカウントからのDMであっても、次の点を確認してください。
- アカウントが公式かどうかは、プロフィールのリンク先が正規のドメインか、運営実績や公式マークの有無で判断する。
- 支援をうたうサイトへ誘導される場合は、ブラウザのURL欄を直接確認し、不審なリダイレクトや短縮URLに注意する。
- 金銭のやり取りが発生する場合は、まずはその団体の公式窓口に電話等で問い合わせる。
国民生活センターは、SNS上のやり取りをLINE等の別チャットに切り替えさせる手口も報告しており、やり取りの場を移す際には特に慎重になるよう呼びかけています。
被災地支援と詐欺の線引き
災害発生時には多くの善意が集まる一方で、その機運につけこむ悪質な手口も出現します。自治体や公的機関が家庭に直接電話をかけて寄付を求めることは通常ないため、電話で寄付を求められた場合は一度応じず、直接その機関に確認することが勧められます。振込先口座の名義確認や、募っている団体の活動内容・使途を自分で確認したうえで寄付することが基本です。
| 問題のサイン | 取るべき行動 |
|---|---|
| 見知らぬDMで支援を要求 | 連絡を絶ち、公式情報を自分で確認する |
| 短時間での高額返金の約束 | 詐欺を疑い、支払わない |
| LINE等へ誘導してやり取りを継続 | やり取りを止め、事業者へ直接確認 |
被災地を支援したい気持ちは尊いものです。しかし、支援の名を借りた詐欺被害に遭っては本末転倒です。消費者側が冷静に情報を確認し、不審な点があれば即座に接触を断つことが、被害を未然に防ぐ最も確実な方法です。
国民生活センターは、被害に関する相談を受け付けるとともに、関係機関と連携して注意喚起を続けるとしています。少しでも不安を感じたら、消費者ホットライン188や最寄りの警察に相談してください。
(取材・文=小林 陽菜)