外来種クビアカ被害、県東部で範囲と件数が拡大
兵庫県東部で、桜や果樹の幹を幼虫が食い荒らす外来種クビアカツヤカミキリ(以下「クビアカ」)の被害が広がっている。県への取材で、今年4〜6月だけで県内の被害件数が236本に達していることが確認された。被害は明石市での初確認(2022年)以降、神戸、芦屋、西宮、三田、丹波、丹波篠山、宝塚、川西などへ拡大し、4月以降は伊丹、尼崎、猪名川町でも確認された。県は見つけ次第の駆除や住民への啓発を強化している。
成虫の活動は概ね5月末から8月を中心に続き、現在は羽化シーズンの終盤に差し掛かっていると説明される。クビアカは繁殖力が高く、1頭の雌が樹皮付近に多くの卵を産むため放置すると被害が急速に拡大する。成虫の体長は約2〜4センチ、胸部が赤い特徴を持つ。
被害の現状と行政の対応
兵庫県自然鳥獣共生課によると、2025年度の年間被害件数は356本だった。調査中の職員が短時間で多数の成虫を確認する事例もあり、一部地域では「かつてないほど増えている」と表現されるほど局地的な深刻化が見られるという。県は以下のような対策を進めている。
- 住民や自治会向けの啓発活動(チラシ配布、説明会)
- 見張り隊の創設とイベントの実施(Hyogoクビアカツヤカミキリ見張り隊)
- 啓発用うちわ1万枚の配布や夏場の巡回強化
- 羽化後の時期を見据えたフラス(幼虫の糞と木屑の混合物)通報イベントの実施
同課は、成虫を見つけた場合は踏みつぶした上で通報するよう呼びかけている。電話での通報先として県の自然鳥獣共生課(078-362-3389)が案内されている。
「見つけたら踏みつぶしてほしい」
被害が地域に及ぼす影響と住民対応の実際
クビアカの被害は単に観賞用の樹木が枯れるだけでなく、街路樹や公園の桜並木が伐採を余儀なくされるケースを生む。県職員は、自治会から愛着ある桜の伐採をやめてほしいとの要望が出ることがあると指摘しており、個人所有の樹木では対応がさらに難しいと説明する。伐採や防除の判断には地域住民の理解と協力が不可欠だ。
実務面では、幹の根元にたまるフラス(幼虫のフンと木くずの混合物)を見つけることが早期発見の有力な手掛かりとされる。県は、羽化シーズンが終わる10月から翌2月にかけてフラスの通報イベントを初めて実施すると発表した。事前申込のあった県民がフラスを見つけた際、通報フォームに投稿する方式で、件数の多かった上位20人に最高1万円のデジタル商品券を配布する計画だ。
注意点と住民ができる具体的行動
クビアカは人体に害はないが、被害が進行すると伐採や景観の喪失、果樹被害による農業被害につながり得る。県は見つけた場合の即時通報と合わせ、以下の点を住民に促している。
- 幹の根元周辺にフラスがないか定期的に確認する
- 成虫を見つけたら直接触れずに可能なら踏みつぶし、速やかに通報する
- 疑わしい樹木は自治体や専門家に相談し、切断や薬剤処理の判断を仰ぐ
県の担当者は、地域の自治会や地元行政と連携して防除にあたっていると説明し、同規模の他府県と比べると「押さえ込めている面もある」との見方を示している。ただし局地的な増加は見られ、全県的なリスク低下にはさらなる早期発見と住民協力が重要だ。
| 集計期間 | 県内確認本数 |
|---|---|
| 2026年4月〜6月 | 236本 |
| 2025年度(1年間) | 356本 |
兵庫県東部を中心とした被害拡大は、地域の景観や果樹園、街路樹の維持管理に直接影響する問題だ。今後、県と自治体、住民が連携して早期発見体制を強化できるかどうかが、被害の拡大を抑える鍵となる。疑わしい事例を発見した場合は、県自然鳥獣共生課(078-362-3389)へ連絡し、指示に従ってほしい。