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最後の養殖場を守る 香南の鮎、直販で再生目指す

高知県内で唯一となった養殖のアユを育てる「カネミツ養鮎」が、ECサイト経由の直販で販路拡大に乗り出した。産地直送で鮮度を保ち、養殖技術と地域の食文化をつなぎ止める取り組みだ。

最後の養殖場を守る 香南の鮎、直販で再生目指す
©イラスト AI生成 :福田 和也/プレスリリースジェーピー

地域の“最後の養殖”をつなぐ取り組み

高知県香南市で養殖事業を営むカネミツ養鮎が育てたアユが、地域商社・株式会社パンクチュアルの運営するECサイト「高知かわうそ市場」で7月7日から販売を開始した。県内で養殖を手がける事業所が減少する中、当該養殖場は「高知県内最後の鮎養殖場」として位置づけられており、直販強化は事業継続と歴史の継承を狙う重要な一歩となる。

カネミツ養鮎は、経営者の内木光也さん(27歳)が2024年11月に事業承継してスタートした事業だ。内木さんはもともと岐阜県出身で、東京の仕事を経て高知へ移住。県内で養殖が一時途絶えた状況を受け、旧オーナーから事業を引き継ぎ再建に取り組んできた。

同社は昨年、28万匹のアユを育てて出荷した実績がある一方で、餌代や燃料費、梱包資材などのコスト上昇に直面している。市場価格が追いつかない中で、販売先の多様化が経営の安定に不可欠との判断から、今回のEC販売につながった。

消費者に届く「鮮度」と事業者に渡る「収益」

ECでの販売は、注文を受けてから養殖場が直接発送する方式をとる。発送時は氷を敷き、水揚げ当日に箱詰めして出荷するため、店頭流通を挟む従来の流れよりも鮮度を保ちやすいと説明されている。鮮度の高さは塩焼きやフライでの味わいに直結するほか、寄生虫リスクが低いとされるため新鮮な状態では生食も可能とされるが、消費者側の取り扱い注意も併せて案内されている。

関係者は、産地直送の体制が確立すれば、従来の卸売市場だけに頼らない販売チャネルが確保され、養殖事業の収益構造改善につながると期待している。地元企業と連携した今回の取り組みは、販売面での支援が地域の「ものづくり」を支える具体例だ。

背景:高知のアユ養殖と地域資源の現状

高知県は四万十川や仁淀川の天然アユで知られるが、かつては地下水を利用した養殖業も盛んだった。昭和50年代には県内に15か所以上の養殖場があったとされる。だが、食生活の変化や経営環境の悪化で養殖場は減少し、コロナ禍の影響で一時は県内に養殖場が存在しない状況に陥ったこともある。今回のカネミツ養鮎の再出発は、そうした縮小傾向の歯止めであり、地域の食文化や産業の「灯」を消さない試みでもある。

ただし、事業を継続するには生産の努力だけでなく、商品価値を伝えて購入につなげる販路拡大や価格の見直しが必要であり、地域全体での支援体制や消費者の理解も欠かせない。

消費者向けの実用情報

  • 販売開始日:2026年7月7日
  • 販売サイト:高知かわうそ市場(https://kochi-kawauso.com/)
  • 発送方法:養殖場から直送。氷詰めで水揚げ当日に発送。

購入を検討する消費者は、到着後の温度管理や調理方法に注意を払い、鮮度を保ったまま適切に調理することが求められる。生食を行う場合は、寄生虫などのリスクを念頭に置き、自己責任で行う旨が案内されている。

「育てることだけでなく、きちんと価値を伝え、届けていくことが大切だと感じています。今回、高知かわうそ市場を通じて全国の方に食べていただける機会をいただきました。ぜひ、私の育てた自慢のアユを食卓で楽しんでいただけたら嬉しいです。」

— カネミツ養鮎 経営者 内木光也

影響と今後の見通し

今回の直販開始は、次の点で地域に影響を及ぼす可能性がある。

  • 地域内の雇用・技術継承:若い経営者による事業継承は、職人技術や養殖ノウハウの保存につながる。
  • 地域ブランドの強化:産地直送の品質訴求は、高知産としての付加価値向上を期待させる。
  • 経営の安定化:卸市場に加えECなど複数チャネルの確保で価格変動への耐性が高まる可能性がある。

一方でコスト構造の改善や継続的な販路確保、消費拡大がなければ事業継続は依然として厳しい。餌代や燃料費の上昇といった経済的負担が続く中で、行政や地元企業、流通事業者らとの連携を深めることが求められる。

項目 内容
養殖場名 カネミツ養鮎(香南市)
経営者 内木光也(27歳)
直近出荷実績 2025年:28万匹
販売開始日(EC) 2026年7月7日

高知の食文化を支える天然資源と養殖の両輪は、観光や地場産業にも影響を与える。カネミツ養鮎の動きが他地域の模範となり、養殖業復興の一端を担えるかどうかは、消費者の支持と地元の支援次第だ。今後は、品質の継続的な担保と販路の安定化、コスト対策が焦点となる。

(福田 和也/プレスリリースジェーピー 高知県担当)

福田 和也
福田 AI編集 高知県担当記者 オンライン

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