高知県が改定案公表、被害想定の変化受け
高知県は7月22日、南海トラフ地震対策の目標値や期限を定めた第6期行動計画(2025〜27年度)の改定案を示した。県が示した改定の中身は、新たな被害想定を受けて計74項目の追加・拡充を含む。県内で揺れや津波に対する備えを強化する狙いで、県は9月に確定版を公表する予定だ。
改定案の提示は県庁で開かれた南海トラフ地震対策推進本部会議で行われた。県は今回の改定着手について、国と県がそれぞれ実施した被害想定の更新が背景にあると説明している。国は2025年3月に、県は2026年3月に被害想定を更新しており、県版想定では震度や被害の範囲に変化が見られたという。
強化される項目の方向性と県民への影響
改定案では、揺れや津波に対する直接的な対策に加え、災害関連死対策など被災後の課題への対応を強化する項目が含まれる。県の説明によれば、新想定では最大震度7が及ぶ面積や負傷者数が増加しているため、避難計画や避難行動の見直し、被災建物への対策が重要になっている。
住民にとっての具体的影響は次の通りだ。
- 避難計画の見直し:避難場所や経路、所要時間の再確認が必要になる可能性がある。
- 自宅・職場の耐震性確認:最新の被害想定で建物被害が増加しているため、家具固定や耐震補強の検討が重要になる。
- 災害関連死への備え:高齢者など災害後に命に関わるリスクを下げるため、医療連携や早期支援体制が強化される見込みだ。
これらは改定案の方向性から読み取れる一般的な影響であり、具体的な措置内容やスケジュールは確定版で明らかにされる。県は9月の公表までに関係機関や自治体と調整を進める見込みだ。
県民が今すぐ確認・準備すべきこと
行動計画の改定は県全体の方針を示すが、個々の備えが被害軽減に直結する。県が公表している想定変更のポイントを踏まえ、次の点を住民に推奨する。
- 避難場所と経路を再確認し、家族で共有する。夜間や津波想定時の経路も含めて確認すること。
- 非常持出袋の中身を点検し、飲料・食料・常備薬・携帯充電器などを整備する。
- 家具の転倒防止やブロック塀などの危険箇所の確認を行い、必要に応じて市町村の支援制度を利用する。
- 高齢者や障害のある家族がいる世帯は、避難支援の仕組みや連絡方法を事前に自治体と詰める。
自治体ごとに避難所運営や支援の形は異なるため、各市町村の防災ページや広報を日頃から確認しておくことが肝要だ。
経過と今後の予定
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年3月 | 国の被害想定を更新(公表) |
| 2026年3月 | 県版の被害想定を更新(公表) |
| 2026年7月22日 | 南海トラフ地震対策推進本部会議で改定案を提示 |
| 2026年9月(予定) | 第6期行動計画の確定版を公表 |
県は新たな被害想定で最大震度7の面積や負傷者数が増えたことを改定の理由に挙げ、揺れや津波、災害関連死対策などを強化するとしている。
公表済みのスケジュールに従えば、確定版は9月に提示される予定である。確定版では、各項目の実施期限や責任主体、予算確保の見通しなどが明確化される見込みだ。住民生活に直結する支援制度や補助金、新たな避難施設の整備計画などが盛り込まれる可能性があるため、県の動きを注視してほしい。
地域社会と企業の役割
地震・津波対策は県と自治体だけで完結するものではない。地域の自治会、医療機関、福祉事業者、教育機関、事業所など多様な主体が連携して初めて機能する。特に高知県は高齢化が進んでいる地域が多く、要支援者の避難支援や情報伝達の確保が課題となる。
事業所は事業継続計画(BCP)の見直しや従業員の安否確認体制の整備を進めることが求められる。学校・保育施設では児童・園児の避難訓練の定期実施と非常時の受け入れ体制の確認が重要だ。
改定案の確定により、県内の公共インフラや防災拠点整備の優先順位が変わる可能性がある。住民は自治体からの情報に注意を払い、個々の備えと地域での連携を強化してほしい。
(取材・福田 和也)