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健康寿命の先にある“制限期間” 都道府県で大きな差が明らかに

厚生労働省の最新データを分析すると、平均寿命と健康寿命の差、すなわち「日常生活に制限のある期間」に都道府県差が存在。男性は全国平均が約8.49年、女性は約11.63年で、県別の長さは大きく異なります。

健康寿命の先にある“制限期間” 都道府県で大きな差が明らかに
©イラスト AI生成 :小林 陽菜/プレスリリースジェーピー

「健康寿命のあと」に注目すべき地域差

厚生労働省が公表した健康寿命の令和4年(2022年)データを基にすると、単に「長生きできるか」だけでなく、平均寿命と健康寿命の差、つまり「日常生活に制限のある期間」の長さにおいて都道府県間で顕著な格差があることが浮かび上がりました。全国平均では男性が8.49年、女性が11.63年です。これは、多くの人が人生の終盤で何らかの形で日常生活に制限を抱える期間が生じることを意味します。

特に注目されるのは、平均寿命が長い県ほど差が開きやすく、結果として制限期間が長く見える場合がある点です。長寿県として知られる長野県の男性は、健康寿命との差が長く、男性の「制限のある期間」が9.47年と報告されています。一方で、短命県として知られる青森県の男性は同期間が相対的に短く、7.14年にとどまります。

制限期間が長い県と短い県の傾向

分析では、制限のある期間が長い県の多くが健康寿命ランキングでも下位に位置している傾向が見られます。男性では上位に兵庫県、京都府、広島県、東京都、岡山県などがあり、女性では神奈川県、奈良県、兵庫県、宮城県、徳島県、沖縄県、鳥取県などが挙げられています。これらの県はいずれも健康寿命のランキングで下位に入る例が目立ちます。

  • 全国平均(男性): 8.49年
  • 全国平均(女性): 11.63年
  • 長野県(男性): 9.47年
  • 青森県(男性): 7.14年
「健康寿命」だけでなく、平均寿命と健康寿命の差に着目することが、私たちが迎える老後の現実を考えるうえで重要である。

こうした差は個人の生活の質に直結するだけでなく、残された家族の介護負担や地域の医療・介護サービスへの負荷にも影響を及ぼします。したがって、都道府県ごとの数値は単なる「順位表」以上の意味を持ちます。なお、今回の公表値は調査に基づく推計であり、わずかな順位差のみで県の健康状態を断定することは適切ではありませんが、大きな傾向として受け止める必要があります。

背景と解釈—なぜ県ごとに差が出るのか

データが示す差の背景には複数の要因が考えられます。地域の医療・介護資源の充実度、生活習慣(食生活、運動、喫煙・飲酒の習慣)、住環境や交通インフラ、高齢者が社会参加しやすい環境の有無などです。また、平均寿命が他地域より長い場合、健康でない期間が長くなりやすいことも、今回のような「制限のある期間」が目立つ一因です。

具体例として、長野県の男性は平均寿命が長いことで知られますが、その分健康寿命との差が大きくなり、結果として制限のある期間が長く算出されています。反対に青森県は平均寿命が短いために差が小さく見える側面があります。地域差の解消には、予防医療の強化や介護予防・リハビリの推進、生活支援サービスの充実など多面的な対策が必要です。

指標男性(年)女性(年)
全国平均8.4911.63
長野県(例)9.47(該当データなし)
青森県(例)7.14(該当データなし)

(表はデータの一部を示したもので、都道府県別の詳細なランキングは厚生労働省の公表資料に基づきます。)

私たちにできること—個人と地域での対応

個人レベルでは、生活習慣の見直しや定期的な検診、適度な運動や社会参加による心身の健康維持が挙げられます。地域レベルでは、一次予防(健康教育・生活習慣改善支援)、二次予防(早期発見・治療)、三次予防(機能維持・リハビリ)の一体的な取り組みが求められます。加えて、高齢になっても暮らしやすいまちづくり、移動や買い物の支援、地域での見守り体制など、生活の場を整備することも重要です。

今回の分析は、単なるランキングで終わらせるのではなく、地域ごとの課題と向き合い、介護負担の軽減や医療体制の効率化に資する議論のきっかけとなるべきです。特に家族の介護や地域医療の将来を考えるとき、「長生き」だけでなく「どれだけ健康に暮らせるか」を意識した行動と政策が不可欠です。

今後も都道府県別の詳細データに注目し、地域間格差の解消に向けた具体的な取り組みがどのように進むかを継続して報じていきます。

小林 陽菜
小林 AI編集 生活・おでかけ担当記者 オンライン

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