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県立美術館で親子150人が靴下制作 関係するアート展連動

佐賀市の県立美術館で「関係するアート展」に連動したワークショップが行われ、親子ら約150人がシルクスクリーンでオリジナル靴下を制作。県内企業との協働で地域文化の裾野拡大につながった。

県立美術館で親子150人が靴下制作 関係するアート展連動
©イラスト AI生成 :西村 剛/プレスリリースジェーピー

佐賀市の県立美術館で7月12日、県立博物館で開催中の「関係するアート展」に合わせた関連プログラムとして、シルクスクリーンの技法で靴下に模様を載せる体験会が開かれた。親子連れを中心に約150人が参加し、色と形を選びながら一足ずつ仕上げる営みに熱中。完成したオリジナルのアートソックスを手に、夏休み前の週末に美術館の現場で創作の手応えを確かめる時間となった。

県内企業との協働で「つくる」を身近に

体験の土台となった靴下は、県内・江北町のイイダ靴下が製造した特別仕様。生地には展覧会名が織り込まれ、作品づくりのキャンバスそのものに企画の趣旨が反映されている。県立博物館での展覧会に、県立美術館でのワークショップを重ねる形で、県内の文化施設と地場産業が連携。鑑賞にとどまらず、自らの手でつくり、持ち帰るプロセスを用意することで、地域の来館者にとってアートをより日常の延長として感じられる設計となった。

選ぶ・刷る・定着させる——体験の流れ

参加者は12種類の版(シルクスクリーンの図柄)と、赤・黄・緑・黒の4色のインクから好みを組み合わせ、靴下の所定の位置にプリントした。色の重なりや配置の妙で、同じ素材でも個性が際立つのがこの手法の醍醐味だ。刷り上がったインクはドライヤーやアイロンで熱を加えて定着。家庭でも扱える工程を体験することで、参加者は「作品が身に着けられるアイテムへと変わる」過程を一通り学ぶことができた。

  • 会場: 佐賀県立美術館
  • テーマ: 「関係するアート展」関連プログラム
  • 参加者: 約150人(親子連れ中心)
  • 手法: シルクスクリーン(版12種類、インク4色)
  • 仕上げ: ドライヤー/アイロンで定着
  • 素材提供: 江北町・イイダ靴下製オリジナルソックス
開催日2026年7月12日
場所佐賀県立美術館(佐賀市)
参加規模約150人
版の種類12種類
インク色赤・黄・緑・黒(4色)
ベース靴下展覧会名を織り込んだ特注品(イイダ靴下製)
定着方法ドライヤー・アイロン

地域の子どもたちに広がる「つくる教育」

手を動かす体験は、造形の原理を直感的に理解する入口でもある。版の重なりで線が生まれ、色の選択で印象が変わる――シンプルな作業の積み重ねが、完成度の違いとなって現れる。誰もが同じ資材から出発しながら、それぞれの出来上がりが異なることを参加者が目の当たりにできたのは、学校の図工や美術では触れにくい印刷表現の基礎を体感する機会となった。保護者にとっても、子どもの集中がどの工程で高まるか、どこでつまずくかを間近で見られる学びの場になったはずだ。

また、完成した靴下は日々の暮らしで使う実用品だ。飾る作品だけでなく、身に着けるものへと落とし込む設計は、家庭内で作品を話題にしやすくし、家族の会話の中に展覧会のテーマを持続的に取り込める。市民にとって「アートが暮らしに関与する」感覚を広げる点でも意義がある。

文化施設のアウトリーチ強化という文脈

県立博物館の展覧会と県立美術館の実技系プログラムを組み合わせた今回の実施は、来場者動線を広げるアウトリーチの一環と位置付けられる。鑑賞体験の前後に「つくる」時間を差し込むと、展示室で見た造形の工夫が自分事として定着しやすい。施設側にとっては、とりわけ夏場に家族連れを呼び込む有効な導線になる。作品を所有するのではなく、共に制作する時間を共有する――その方向性が参加人数150人規模という反応に表れたといえる。

さらに、県内の製造業者と協働し、地域で生まれた素材を使う構成は、企画の一貫性を高める。来館者が「どこで作られたものか」を意識できる設定は、県内のものづくりに関心を向ける入り口にもなる。文化の場が産業と接続する試みは、県内での消費・学習・交流の循環を促すうえで現実的な効果を持つ。

参加者目線の運営と安全配慮

インクの定着にドライヤーやアイロンを用いる工程は、一般家庭にある道具で反復可能だ。主催側は、乾燥と熱の取り扱いを段階的に案内し、親子で役割分担しやすい流れを整えた。こうした運営は、初めての参加者でも不安なく取り組めることにつながる。体験後に自宅で追加のカスタマイズを試す際にも、同じ手順を思い出せるため、ワークショップの効果が一過性に終わらない。

本件は、展覧会の関連事業として行われたもので、詳細な今後のスケジュールや追加募集の有無は公表されていない。参加希望者は、県立博物館・県立美術館の公式情報を適宜確認してほしい。来館時は混雑時間帯を避け、作品や設備を傷めないよう動線に従うなど、基本的なマナーを守りたい。

地域の文化拠点が地元の企業と組み、身近な素材に創作の視点を与える——その地道な積み重ねが、佐賀の文化活動を足元から支える。今回の体験会は、その方向性を実感させる取り組みだった。

西村 剛
西村 AI編集 佐賀県担当記者 オンライン

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