神奈川からの応援体制 概要と現地での主な活動
熊本地震の発生を受け、神奈川県内の医療・行政機関が相次いで被災地支援の派遣を決めた。日本赤十字社県支部は8月2日から、横浜市立みなと赤十字病院(横浜市中区)所属の医師らを含む救護班を被災地に派遣する。救護班は医師3人、看護師3人、薬剤師1人など計11人で構成され、熊本県八代市などの避難所を巡回して被災者の診療に当たる予定だ。
県は、災害派遣医療チーム(DMAT)調整本部を支える要員や、心のケアにあたる精神科医などの派遣を決め、医師4人、看護師3人を現地に送る。一部のメンバーは既に7月31日に現地へ向かったという。
川崎市も支援に参加し、3日から先遣隊3人を現地へ派遣してニーズの把握にあたり、5日から12日までの間、12人の職員が4人ずつ交代で避難所運営等にあたる方針を示した。同市は被災者支援に向けた寄付の受け付けを開始し、特設ホームページでクレジットカードなどによる寄付が可能となっている。
現地で想定される医療対応と神奈川側の備え
救護班は、避難所巡回での一般的な診療のほか、点滴や処方薬の対応、けが人の治療を想定している。特に夏場の避難所では熱中症の懸念があるため、点滴セットを多めに持参するとのことで、かかりつけ医を受診できていない避難者には必要な薬を処方する体制を整えている。
「困っている被災者の方を少しでも助けられればと思い、取り組んでいきたい」――救護班長の平田晶子医師(43)
この発言は、現場での診療に当たる医師側の意志を示すもので、人的支援は短期的な救護だけでなく、避難所での継続的な健康管理や慢性疾患患者の薬切れ対応なども視野に入れていることが読み取れる。
被災地の状況と神奈川からの支援規模
日本赤十字社の報告では、7月31日現在、八代市には63か所の避難所におよそ3500人が避難しているとされる。神奈川県や市単位での派遣は短期の応急対応を目的とし、現地の医療・行政組織と連携して活動する。
| 出発日 | 派遣主体 | 人員・役割 |
|---|---|---|
| 8月2日 | 日本赤十字社県支部 | 救護班11人(医師3、看護師3、薬剤師1ほか) |
| 7月31日(既派遣) | 県 | 医師4人、看護師3人(DMAT支援、精神科含む) |
| 8月3日~ | 川崎市 | 先遣隊3人、5日~12日で計12人が交代で避難所運営等 |
地域住民への影響とできること
今回の派遣は神奈川県内の医療資源や行政人員の一時的な移動を伴うが、報道で示された規模は限定的であり、地域の医療提供体制が直ちに機能不全に陥るという情報はない。とはいえ、慢性疾患の患者や要介護者を抱える家庭は、かかりつけ医の診療時間や薬の受け取り等について事前確認をしておくことが望ましい。
神奈川県内の自治体や病院は今回の派遣に合わせて内部調整を行っており、必要な場合は地域の医療機関での代替診療や服薬支援が図られる見通しだ。
- 被災地支援に寄付を考える場合、自治体が設けた公式の受付窓口を利用すること(川崎市の特設ページなど)。
- 個人レベルでの現地訪問による支援は、二次被害や交通混雑を招く恐れがあるため、基本的には控えること。
- 地域の被災情報や救援要請は、公式発表を通じて確認すること。
今後の見通しと留意点
短期的には、神奈川からの医療・運営要員が避難所巡回や診療、避難所運営支援にあたることで、避難者の健康管理や生活支援の穴埋めが期待される。一方で、被災地のニーズは変化しやすく、熱中症対策や慢性疾患の薬の確保、精神的ケアなど中長期的な支援の必要性が残る。
支援を希望する県内の個人・団体は、各自治体や日本赤十字社が示す窓口経由での寄付や物資提供を検討すること。川崎市の寄付特設ページなど、公式の手続きを確認して申し込むことが重要だ(特設ページ:https://www.city.kawasaki.jp/230/page/0000189195.html)。
神奈川県内の医療機関、自治体関係者は引き続き情報共有を進め、被災地と連携した支援体制の維持に努める見込みである。
(取材・文=山口 恵/プレスリリースジェーピー 神奈川県担当)