遺族年金は収入判定の対象外、しかし確認すべき点がある
老後の収入をめぐる制度は用語や判定基準が複雑で、手当や給付の対象になるかどうかで不安を抱える人が少なくありません。今回の問いは、遺族年金の受給が年金生活者支援給付金の審査上の「収入」に含まれるかどうかです。結論から言うと、遺族基礎年金や遺族厚生年金などの非課税の年金は、年金生活者支援給付金の収入・所得判定に含まれません。
「68歳の女性です。自分の老齢年金のほかに、夫が亡くなったため遺族年金を受け取っています。年金生活者支援給付金には年金収入などの所得基準があるそうですが、非課税の遺族年金も『年金収入』として含めて判定されるのでしょうか?」(原文より)
監修を務めたファイナンシャルプランナーの解説をもとに、対象となる年金や要件、具体的に何を確認すべきかを整理します。特に、老齢年金と非課税の年金の扱いの違いがポイントです。
受給に必要な要件と判定に含まれる「年金」
年金生活者支援給付金を受け取るためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が一定の基準額以下であること
判定に含まれる年金は主に老齢基礎年金や老齢厚生年金などの老齢年金です。一方で、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)や障害年金は非課税であるため、収入・所得の計算対象から除外されます。
2026年10月からの基準額(参考)
制度の判定基準は年齢や生まれ年などで異なる場合があります。参考として、2026年10月からの基準の一例は以下の通りです。
| 判定区分 | 前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計 |
|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金の対象となる可能性 | 82万6500円以下 |
| 補足的給付金の対象となる可能性 | 82万6500円超~92万6500円以下 |
(注)上記の数値は該当する年齢層・生年月日に基づく判定基準の一例です。個々の事情により適用される基準や判定方法は異なります。
実務的に確認すべきこと
遺族年金を受け取っている人が給付対象外になるわけではありません。以下の点を順に確認してください。
- 自分に該当する「前年の公的年金等の収入」にどの年金が含まれるか(老齢年金か非課税年金か)
- 同一世帯の市町村民税が非課税であるかどうか
- 老齢基礎年金を受給しているか
老齢年金収入や給与、不動産収入など他の所得があれば、それらを合算して基準額以下かどうかを判断します。判定が不明確な場合は、年金事務所や市区町村窓口での相談をおすすめします。
現実の影響と暮らしへの示唆
遺族年金が収入判定に含まれないという扱いは、配偶者を亡くした高齢者にとって重要な支援設計です。非課税年金が除外されることで、老齢年金の額やその他所得次第では年金生活者支援給付金の対象となり得ます。生活資金の確保や受給資格の有無は、年金だけでなく世帯全体の所得状況で決まりますので、正確な計算と窓口での確認が安心につながります。
また、制度は改正や基準見直しが行われることがあるため、最新の情報を定期的に確認することが大切です。行政の案内や年金窓口を活用し、該当する書類や受給状況を整理しておくと手続きがスムーズになります。
監修・出典はファイナンシャルプランナーによる解説を基にしています。具体的な適用可否については、個別の事情に応じて年金事務所や市区町村窓口で確認してください。