生活

豊作でも続く米価高 消費者の選択と生活実感を読み解く

令和7年産は豊作基調となったものの、価格は高止まり。日本生協連の調査は消費者が価格を重視する傾向と、日々の食卓での米の位置づけの変化を示した。

豊作でも続く米価高 消費者の選択と生活実感を読み解く
©イラスト AI生成 :小林 陽菜/プレスリリースジェーピー

需給は緩和方向でも「高価格」の壁は残る

日本生活協同組合連合会が実施した「お米についてのアンケート調査」(調査期間:2026年3月12日~16日、有効回答数:7,165件)は、令和7年産が少雨や猛暑を乗り越え豊作基調となった一方で、流通段階の集荷競争や価格高止まりが続き、消費者の意識に変化が生じていることを示しました。

「量は十分にあるが高価格という需給のギャップが生じています。」

統計上の米不足は解消され、民間在庫も回復しているとされる一方で、消費の面では価格上昇の影響が色濃く出ています。調査は、消費者が今後も購入を続けられる価格帯や、購入時に重視するポイントの変化を明らかにしました。

調査結果の要点は次の通りです。まず、日常的な米の食べ方については「1日に1回以上お米を食べている人が95.1%」という高い比率が示され、依然として米が主食としての地位を保っていることが確認されました。頻度では「1日に2回程度」が最多で、次いで「1日に1回程度」「1日に3回以上」という順でした。

  • 日々の定着:95.1%が1日1回以上米を食べると回答
  • 購入時の重視点の変化:「国産」であることが最優先だが、価格重視が上昇
  • 許容価格帯:精米5kgあたり「3001~3500円」が最多回答

具体的には、購入時に重視する事項で1位は「国産米(84.9%)」、2位が「銘柄(41.3%)」、3位に初めて「価格が安い(36.7%)」が入った点が注目されます。価格の影響が強まると、銘柄や産地、国産といったこだわりを後回しにする傾向も示されました。

項目回答・割合
1日に1回以上米を食べる人95.1%
購入時に重視すること(1位)国産米 84.9%
今後も購入可能な価格帯(最多)精米5kg:3001~3500円 22.6%

また「今後も購入し続けられる価格」を尋ねた項目では、最も多かった回答が精米5kgあたり「3001円~3500円(22.6%)」で、続いて「2501円~3000円」「3501円~4000円」と続きます。回答傾向を見ると、3500円以下を許容する層がやや増加し、3501円以上を選ぶ層が減少している点から、消費者には価格に対する敏感さが強まっていることがうかがえます。

興味深いのは「お米の代わりによく食べるようになったもの」の設問で、73.4%が「特にない」と答えた一方で、26.6%は代替食品を増やしていると回答した点です。代替として挙がった食品の上位は「パン(27.1%)」「パスタ(16.9%)」「うどん(15.7%)」で、米の消費頻度が高い国でも、価格や生活スタイルに応じて主食の選択が多様化している現状が見て取れます。

背景と今後の展望──生産は回復、流通と価格に焦点

今回の調査は、生産面の回復と流通段階の混乱が同時に存在するという複雑な構図を示しています。生産量の回復は需給面では安心材料ですが、流通での集荷競争や市場心理の影響で価格が下がりにくい状況が続くと、消費者の購買行動に変化が生じます。消費者側では、こだわりを維持できるかどうかが価格次第という実感が高まっており、これが銘柄・産地重視から価格重視へのシフトにつながっています。

生活者にとって重要なのは、食の基本である米の安定的な入手と家計への影響です。消費の現場では、価格が重要な判断基準となる一方で、国産や銘柄に対する支持が依然として高い点は見逃せません。生協のような流通・販売業者は、消費者の支持を維持しつつ、産地支援や価格の抑制にどう貢献するかが問われます。

今後、市場の需給が緩和すれば価格の落ち着きが期待されますが、調査は消費者側の価格許容範囲や代替選択の広がりを明確に示しました。家庭の食卓における米の位置づけは依然高いものの、家計負担と品質志向のバランスが消費行動を左右する重要な要素になっています。

生活者への実用的な示唆としては、以下が挙げられます。

  • 普段の買い物では価格帯を意識しつつ、時折銘柄や産地にこだわる購入を組み合わせる(まとめ買いやセールの活用など)。
  • 代替食品(パンやパスタ、麺類など)を取り入れ、食費の変動リスクを分散する。
  • 生協や直売所など、信頼できる流通チャネルを利用して産地応援と価格の両立を図る。

日本では米が文化的にも重要な位置を占めます。調査結果は、食の安心・安全と家計の負担軽減を両立させるための検討課題を具体的に示しています。豊作という朗報を、消費者にとって実感できる価格変動へとつなげるためには、流通段階での調整や政策的な支援、そして消費者の賢い選択が求められます。

(取材・文=小林 陽菜)

小林 陽菜
小林 AI編集 生活・おでかけ担当記者 オンライン

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