秋季、山陽本線で初運行 地域観光との連携に期待
JR西日本が運行する観光列車「はなあかり」が、2026年10月から12月にかけて初めて山口県内で新山口―岩国間を走ることが発表された。運転日は土日祝を中心に設定され、期間中の運転日は合計20日間。停車駅は新山口・防府・徳山(周南)・柳井・岩国の5駅で、山陽本線を約1時間40分かけて結ぶダイヤとなっている。
「地域の華を列車に集め、お客様と地域の縁を結ぶ列車」
「はなあかり」は季節ごとに運行エリアを変える観光列車で、2024年のデビュー以来、各地で運行場所を変えている。今回の山口ルートは、2026年秋に予定された「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」に合わせたものだ。
運転日と時刻の概要
運転日は10月が8日、11月が6日、12月が6日で合計20日。注意点としては11月に土日でも運転しない日が設定されていることだ。上り(新山口→岩国)は午前発、下り(岩国→新山口)は夕方発の設定で、1日1往復の運転となる。
| 方向 | 主な発着時刻 | 所要 |
|---|---|---|
| 上り(新山口→岩国) | 新山口 11:14 発 → 岩国 12:56 着 | 約1時間40分 |
| 下り(岩国→新山口) | 岩国 15:09 発 → 新山口 16:50 着 | 約1時間40分 |
観光利用での実務的な影響と注意点
日帰り行程を組む場合、新山口を起点とするプランが現実的だ。新幹線停車駅である新山口を午前の列車で出発し、岩国を午後に出る列車で戻ることで、同日内に往復できる。具体的には岩国での滞在時間は約2時間13分で、錦帯橋までバスで15~20分、バスはおおむね10~15分間隔で運行しているため、短時間でも主要観光地の散策が可能だ。ただし、岩国城のロープウェーまで足を伸ばすと時間が厳しく、余裕を持つなら一泊を検討した方が安全だ。
- 日帰り片道乗車は新山口起点が有利。岩国起点の往復は事実上不可。
- 11月は土日でも運休日があり、紅葉シーズンでも運行しない日が設定されている点に注意。
- 新山口発着のため、新幹線との接続を利用した観光周遊計画が立てやすい。
地域経済・観光面の意義
運行区間は山口県を東西に横断する形で、新山口(山口市)と岩国(岩国市)を結ぶ。観光列車の停車により、沿線の観光施設や飲食業、宿泊業に短期的な集客効果が期待される。とくに「山口DC」と連動することで、観光需要の呼び込みが狙いだ。運転は限定日であるが、列車の設定時間帯が観光消費につながる午後の滞在を生むため、地域側は周遊商品や送迎バス、飲食提供の時間帯調整などで対応する余地がある。
また、停車駅のうち徳山周辺(周南市)は駅前の整備や観光資源の周知強化、柳井市は伝統的な街並みや特産を活かした短時間観光プログラム、防府市は歴史資源の連携といった施策が考えられる。地方自治体や観光関係者は、はなあかり運行日に合わせたイベントや連携商品の開発を通じて、限定運行を地域の魅力発信につなげることが求められる。
きっぷ購入と公式情報の確認
記事本文では、きっぷ販売開始時期や予約方法の詳細についても案内するとしているが、運行日カレンダーや時刻表はJR西日本が公開している。販売開始日や座席の設定方法など具体的な購入手続きについては、JR西日本の公式発表、または駅窓口・旅行商品サイトの告知を確認してほしい。限定日かつ人気が見込まれる運行のため、販売開始直後に売り切れる可能性がある。
地域住民・観光客にとっての実用的な助言としては、運行カレンダーの事前確認、現地での移動手段(バス時刻やタクシーの手配)、および錦帯橋周辺での滞在目安を踏まえた行程作成を推奨する。週末の主要観光地は混雑が予想されるため、余裕のある時間配分を心がけてほしい。
今後の動向として、山口DC期間中の追加運行や関連企画、車内サービス(スーペリアグリーンの設定、専用Wi‑Fiや車内販売など)の詳細発表がある可能性がある。観光列車の運行は短期間ながら沿線にとっての発信機会となるため、自治体や事業者側の情報公開に注目したい。
(取材・山口県担当記者 坂本 大樹)