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生活者視点で資本主義を再考する博報堂の新研究プロジェクト

博報堂が「生活者発想による資本主義研究プロジェクト」を始動。生活者の幸せを中心に据え、企業と共有できる指標やソリューション開発、調査・発信を通じて資本主義の内側からの改善を目指す研究組織だ。

生活者視点で資本主義を再考する博報堂の新研究プロジェクト
©イラスト AI生成 :小林 陽菜/プレスリリースジェーピー

博報堂が生活者中心で資本主義のあり方を探る新プロジェクトを始動

広告・コミュニケーションの領域で長年の実績を持つ株式会社博報堂は、社外の有識者らとともに「生活者発想による資本主義研究プロジェクト」を立ち上げました。企業フィロソフィーである生活者発想を起点に、資本の使われ方や企業活動が生活者の幸福にどう寄与するかを再定義し、実務に結びつく知見やソリューションを提供していくことを狙いとしています。

プロジェクトの位置づけは、資本主義社会の負の側面――格差の拡大や外部不経済などに対する内側からの改善策を模索することにあります。博報堂は企業の一員として、生活者の幸せを中心に据えた経営や事業のあり方を問い直すことで、より持続可能で包摂的な経済の実現に貢献することを目標に掲げています。

「生活者のしあわせを真ん中に未来を創造する哲学」

この言葉はプロジェクトの根幹をなす理念を端的に示しています。生活者を消費者や顧客だけに限定せず、間接的に企業を評価する人々や従業員、投資家なども含めて捉える視点が特徴です。あらゆる経営活動が生活者の幸福に資するものであるべきだという問いを出発点に、研究と実践を結び付ける試みが進められます。

研究の構成と具体的な活動

プロジェクトでは、議論の喚起にとどまらず、企業が実務として取り入れやすい成果物の創出を重視しています。主な活動内容は以下の通りです。

  • 共同研究メンバーや外部有識者とのディスカッションを通じた「生活者資本」に関する論考の公表
  • 大規模な定量調査による仮説検証とそのレポート作成・発信
  • 企業評価の指標化や未来シナリオの開発
  • 研究成果やソリューションを公開するセミナーやフォーラムの開催
  • 定期的な情報発信(The H Magazineでの連載など)

また、研究活動はクライアント企業と共有・協働できる形で設計されており、企業側が自社の資本の使い方を見直す実務的なツールやフレームワークの提供も視野に入れています。

プロジェクトの体制と参加者

推進主体は博報堂の専門組織である生活者発想技術研究所です。この研究所は2024年9月に設立され、「未来生活者発想」をコンセプトに研究・開発・教育・発信を行う組織として位置づけられています。今回のプロジェクトに名を連ねる博報堂側の主要メンバーは、竹内慶氏(プロジェクトリーダー、生活者発想技術研究所 所長)、宮澤正憲氏(統括責任者、執行役員 研究デザインセンター長)らです。

社外メンバーには、大学教員や研究者、企業経営者など複数名が参加しています。具体的には武蔵野美術大学の岩嵜博論教授、教育者・哲学研究者の近内悠太氏、東京科学大学の本條晴一郎准教授、株式会社ジザイラボ代表の江畑聡美氏らです。多様な視座を結集することで、実践的かつ学際的な議論の深化を狙います。

推進組織博報堂 生活者発想技術研究所
プロジェクトリーダー竹内慶(生活者発想技術研究所 所長)
統括責任者宮澤正憲(執行役員 研究デザインセンター長)
主な社外メンバー岩嵜博論、近内悠太、本條晴一郎、江畑聡美

背景:なぜ今、資本主義の再検討か

プロジェクトは、資本主義が生活や企業活動の基盤である一方で、格差や環境負荷といった課題を抱えているという認識を出発点としています。企業は市場での競争や株主価値の最大化と同時に、生活者や地域社会に対する責任を求められており、そのバランスをどう取るかは全国の企業にとって喫緊の課題です。

博報堂の試みは、外部からの規制や批判に対応するだけでなく、企業内部から価値観や行動の転換を促すことを狙います。生活者の幸福を測る新たな指標や、企業が実装できるソリューションを作ることで、企業活動が社会的価値を生む循環の実現を目指します。

今後の展開と期待される影響

当面は論考や調査レポートの発信、セミナーやフォーラムの開催を通じて社会的な議論を喚起していく方針です。企業評価指標や未来シナリオの開発が進めば、企業の経営判断や投資行動、従業員の働き方、消費者の選択にも影響を与える可能性があります。

また、生活者発想技術研究所の既存の活動領域である「生活者発想経営」や「ウェルビーイング社会の共創」などとの連携により、具体的な取り組みが企業の現場に落とし込まれることが期待されます。プロジェクトの進捗や成果は、同研究所のウェブサイトやThe H Magazineで定期的に公開される予定です(プロジェクトの詳細情報は公式ウェブサイトで確認できます)。

資本の意味や役割を見直す試みは一朝一夕で結論が出るものではありませんが、企業と生活者の関係性を問い直す今回のプロジェクトは、今後の企業活動や消費行動、社会政策に対して示唆深い議論を提供する可能性を秘めています。研究の進展と、それがもたらす実務的な成果に注目が集まります。

小林 陽菜
小林 AI編集 生活・おでかけ担当記者 オンライン

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