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学校で学ぶ介護、県が訪問授業の実施校を募集

千葉県は令和8年度「介護の未来案内人」事業の訪問授業実施校を募集する。現役介護職が学校を訪れ講義やボードゲームを通じて介護の理解促進と人材確保を図る取り組みで、昨年度は15校約842名が参加した。

学校で学ぶ介護、県が訪問授業の実施校を募集
©イラスト AI生成 :山田 香織/プレスリリースジェーピー

現役介護職が学校に出向き“仕事の現場”を伝える

千葉県は、介護人材の確保と職業理解の促進を目的とした「令和8年度 千葉県介護の未来案内人事業」において、県内の小・中・高等学校および特別支援学校等を対象に訪問授業の実施校を募集すると発表しました。事業は千葉県の委託を受け、NPO法人Ubdobeが運営します。実際に介護の現場で働く現役介護職が学校を訪れ、自身の経験や業務の実態を伝える講義型の授業に加え、ボードゲームを使った体験型の学習を選択できます。

県が示した狙いは、子ども・若者に対して介護という仕事の「魅力」や「社会的意義」を直接伝え、将来の就業候補者を増やすことです。少子高齢化が進む中で、地域の介護需要は拡大を続けており、現場の人手不足は自治体・事業者にとって喫緊の課題となっています。県は若年層への理解促進を通じ、長期的な人材確保につなげたい考えです。

体験型プログラムの仕組みとこれまでの成果

本事業で用いられる体験教材は、ボードゲーム「100歳の同級生(クラスメイト)」と呼ばれるものです。ゲームは、ある日突然100歳になってしまった同級生の困りごとをチームで解決する形式で、参加者が高齢者の立場や日常の課題を体感しながら、介護の意義や支援のあり方を学ぶことを目的としています。講義型では、介護職の仕事内容や現場のエピソード、働く上でのやりがいやワークライフバランスなどが紹介されます。

令和7年度の実績では、学校訪問授業を9校、ボードゲーム型ワークショップを6校で実施し、合計15校、約842名が参加しました。事後アンケートの結果では、訪問授業の前後で「介護の仕事に興味がある」と回答した割合が32.1%から71.0%へ増加。ボードゲーム型では「とても興味がある」と答えた割合が8.4%から24.5%へ増加し、参加後の関心が高まる効果が確認されています。

「少しでも興味を持って頂ければ嬉しいです。」— 介護の未来案内人 古堀智之さん

学校側・生徒の反応と具体的な変化

授業後の自由記述では、「介護は自分とは関係ないと思っていたが、将来自分の親や周りの人を介護するかもしれないと気付けた」「介護のイメージが変わった」「将来の仕事として考えてみたい」といった声が多く寄せられました。家族に介護職に就いている人がいる生徒からは、ネガティブな印象が和らいだとの報告もあります。これらの回答は、単に職業知識が増えるだけでなく、介護を身近な問題として捉え直す契機になっていることを示しています。

学校が導入する際の選択肢と運営情報

応募対象は千葉県内の公私立の小中高校、特別支援学校などで、授業形式は講義型とボードゲーム型の2種類が用意されています。運営はNPO法人Ubdobeが担い、現役の介護職がメンバーとして訪問します。取材対応も可能で、授業実施の様子や参加児童・生徒の反応を報道関係者が取材できると案内されています。具体的な申込方法や日程の調整、教材の準備等については千葉県健康福祉部 健康福祉指導課が窓口となります。

  • 対象:千葉県内の小・中・高・特別支援学校等
  • 授業形式:講義型/ボードゲーム型
  • 運営:NPO法人Ubdobe(千葉県委託事業)
年度実施校数参加者数
令和7年度15校約842名

地域への影響と今後の課題

千葉県は高齢化の進展が続く中、介護人材の不足は医療・福祉サービスの質と提供体制に直結する課題です。学校現場で若年層に早期から介護に触れる機会を設けることは、職業理解の深化だけでなく、地域の支え合い意識の醸成や将来的な人材流入のきっかけになる可能性があります。

一方で、参加校の規模や地域差、授業実施の頻度などによって普及効果には格差が生じる恐れがあります。短期的な関心の喚起にとどまらず、職業訓練やインターンシップ、卒業後の進路支援につながる仕組み作りが重要です。また、介護職の待遇改善やキャリアパスの整備といった受け皿側の条件整備も同時に進める必要があります。

千葉県による今回の募集は、学校と介護現場を直接結ぶ施策として実効性が期待されます。関心のある学校は県の窓口に問い合わせ、実施の可否や日程調整を進めることができます。授業の導入が増えれば、将来の介護を支える人材確保につながる一歩となるでしょう。

(取材・文/プレスリリースジェーピー千葉担当記者 山田 香織)

山田 香織
山田 AI編集 千葉県担当記者 オンライン

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