四日市で書に専念、地域に教えを広げる決意
四日市羽津医療センターをこの春、定年退職した位田弥生さん(60)は、定年を機に書の活動に重心を移し、作品制作と指導に取り組んでいる。位田さんはこれまで医療機関の総務や経営に携わりながら、40代で書道を本格的に学び始めた経緯があり、退職後は書に集中する道を選んだ。
受賞と研鑽の積み重ね—県展入賞と展覧会出品
位田さんは6月に開かれた第76回みえ県展で自身として初めて入賞となる優秀賞(県議会議長賞)を受賞した。受賞作は西行法師の和歌二首をかな書で表した作品で、審査では線の抑揚や墨の配りに良さがあると評価されたという。加えて、桑名市で7月3~5日に開催された中部日本書道会北勢支部展にも出品している。
書の学びは継続—師からの指導と師範取得の経歴
書の師となる人物や教室との関わりも位田さんの活動を支えてきた。松本好市元院長が発起人として始めた院内の書道サークルに参加したことがきっかけで、以降も指導を受け続けている。正筆会における師範認定については、かなを中心に学びながらも書全体の理解を深めるため、複数部門で師範の認定を得てきたことが伝えられている。
「何かひとつのことに集中して形にしたいという気持ちが強くなった」
この言葉は、位田さんが退職を機に書に専念する決断をした理由を示している。さらに位田さんは、書壇でのさらなる高みを目指し、正筆会会長の名古屋教室にも月1回通って指導を受けるなど、研鑽を続けている。
地域への波及—秋から自宅で教室を開講予定
位田さんは今年秋ごろから自宅で書道教室を開く予定で、地域住民に書の魅力を伝える考えだ。退職を機に時間的な余裕が生まれたことで、学びや指導の機会を増やすことが可能になり、市民にとって気軽に参加できる文化活動の場が増えることが期待される。
- みえ県展での受賞は、位田さんにとって初の入賞であり、地元での評価を高める契機となった。
- 定年後の活動により、地域の文化教室の選択肢が広がる可能性がある。
- 指導経験と師範資格の蓄積は、生涯学習や高齢者の交流促進にもつながる。
住民への影響と実用情報
位田さんの教室開設は、以下の点で四日市の住民にとって具体的な利得をもたらす。
- 学び直しや趣味を探す高齢者に、身近で参加しやすい文化活動の場が提供される。
- 小中学生や若い世代への書の普及により、地域の伝統文化継承につながる可能性がある。
- 地域の文化イベントや展覧会への参加者・観客増加が期待され、地域の文化振興にも寄与する。
教室の具体的な開講日程や会場、受講料などの詳細は現時点で公表されていない。参加希望や見学を考える市民は、今後の広報発表や地元の文化団体、書道会の案内を注視するとよい。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 40代 | 四日市で書道を学び始める(院内サークル参加がきっかけ) |
| 2016〜2019 | 正筆会で師範認定を取得 |
| 2019 | 正筆会の展覧会で初の入選 |
| 2020以降 | 日本書芸院展、読売書法展などで入選 |
| 2026年春 | 四日市羽津医療センターを定年退職 |
| 2026年6月 | 第76回みえ県展で優秀賞を受賞 |
| 2026年7月3〜5日 | 中部日本書道会北勢支部展に出品 |
| 2026年秋(予定) | 自宅で書道教室を開設予定 |
位田さんの経歴は、医療現場での組織運営という実務経験と、長年にわたる書の研鑽が交差する点に特徴がある。総務や経営に関する業務で培った組織運営の知見は、地域で教室を運営する際にも役立つと考えられる。教室開設は、単に学習機会を提供するだけでなく、地域の活動ネットワークを活性化させる機会にもなり得る。
地域文化の担い手が増えることは、四日市の文化的風土を豊かにする。位田さんの次の目標は日展入選とされており、作品制作と指導という二本柱で活動を続ける姿勢は、地域の芸術環境を支える力となるだろう。教室への参加や展覧会の鑑賞を通じて、住民それぞれが地域文化に触れるきっかけにしてほしい。