地元表現を日常に——「クセT」新作が岡山の話題に
情報誌発行などを手掛けるビザビ(岡山市北区内山下)が企画・販売するTシャツシリーズ「クセT」の新作が発表された。今回のラインアップは、岡山の言葉と地域の食文化やカルチャーを組み合わせた「ぼっけーうめぇ」と、ややダークな表現を用いた「ふうがわりー」の2種類。地元デザインとしての強い訴求を意図しており、販売は県内の土産店やオンラインを通じて行われる。
「ぼっけーうめぇ」は岡山の菓子店・岡山木村屋(桑田町)とのコラボ商品で、同店の看板商品「バナナクリームロール」を食べる男性のイラストが描かれている。白地のTシャツに映える黄色いパンのパッケージが視覚的なアクセントになっている。一方「ふうがわりー」は白と黒の2色展開で、デザインにはサングラスをかけた“ヤンキー”が用いられ、「みっともない」「だらしない」といった意味合いをポップに表現している。
デザインを手掛けたのは倉敷市在住のイラストレーター、金安亮さん。シリーズ「クセT」は2022年夏に岡山県観光連盟と共同で始まった企画で、以降毎夏に新作を発表。2024年からはビザビ単独で継続しており、これまでに作成したTシャツや関連グッズは累計で3月末時点で合計1万枚を販売している。
サイズ展開は男女兼用のゆったりしたシルエットで、S・M・Lの3サイズ。価格は1枚3,850円で、取扱いは以下の店舗やオンラインショップとなる。
- 晴れの国おかやま館(岡山市北区表町)
- JR岡山駅の土産物店
- 県観光連盟のオンラインショップ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | 「ぼっけーうめぇ」「ふうがわりー」 |
| 価格 | 3,850円 |
| サイズ | S・M・L(男女兼用) |
| 販売場所 | 県内土産店、観光連盟オンライン等 |
企画チームの今井由梨奈さん(31)は「旅行に着て行けば県外の人と会話のきっかけになるかも。日常使いも含めて、いろいろなシーンで着用して」と語っており、地域の言葉や文化を観光資源としてだけでなく日常のコミュニケーションツールにする狙いがうかがえる。県外からの来訪者と地元住民の接点作りや、地域ブランドの認知拡大を目指す施策としても位置づけられる。
今回の発表は、地域文化をファッションとして可視化する動きが商業的にも成立し得ることを示している。観光プロモーションとの親和性も高く、土産としての需要だけでなく、生活シーンでの普及を通じた岡山弁の保存・周知に一定の効果を期待できる。
「この夏、地元愛を表現してほしい」(ビザビ担当)
一方で、地元語や方言を商品化する際には表現の受け止め方に配慮が必要だ。今回の「ふうがわりー」のように、やや否定的な意味合いをユーモアとして扱うデザインは、着用する場面や相手を選ぶ可能性がある。購買を検討する住民は、職場や学校、フォーマルな場面での着用可否を念頭に置いた使い分けが実用的だろう。
地域経済の観点では、同種の地域密着型グッズは観光消費の裾野を広げる効果がある。特にJR岡山駅や都市部の土産店での販売は、土産需要を取り込みやすく、観光客への即売性が高い。オンライン販売も併用することで、県外や海外のファンへの販売チャネルを確保している点は、今後の継続的な販路拡大に寄与する。
消費者としては、購入前に素材感やサイズ感を確認することが重要だ。商品の性質上、プリントの耐久性や洗濯表示に起因する変色・縮み等の注意点があり得るため、販売元が提示する取り扱い表示を確認の上で購入するとよい。
岡山の風土や言葉を身近に感じられる商品として、「クセT」新作は地域の話題になる可能性が高い。観光シーズンを迎えるこの夏、地元発のデザインがどの程度受け入れられるか、販売動向と着用シーンの広がりが注目される。