再整備の全体工程と市民への影響
西宮市はこのほど、西宮中央運動公園および中央体育館・陸上競技場などの再整備事業に関する工事概要説明会を中央体育館会議室で開催した。市の文化スポーツ部や公園緑地課、営繕部の担当者らと、施工予定の清水建設、設計担当者らが出席し、複数の市民も参加した。説明会では工期や工事時間、施設の仕様、災害時の機能といった項目が示され、今後の利用や生活環境への影響が具体的に報告された。
主な工程(説明会で示された日程)
| 施設 | 着工 | 完成 | 供用開始 |
|---|---|---|---|
| 新陸上競技場 | 2026年9月 | 2028年2月 | 2028年4月 |
| 新中央体育館 | 2027年3月 | 2029年5月 | 2029年8月 |
| 公園等施設・民間提案施設等 | 2030年2月 | 2032年2月 | — |
説明では工期に対して当初予定よりおおむね4か月程度の余裕を持たせている旨が示された。これは国際情勢や大型工事が重なる時期に労務や資材の不足が懸念されるためであるとされた。工事の長期化は一時的な利用制限や周辺の交通変化をもたらすため、住民は今後の周知情報に注意する必要がある。
工事の実務的対策と日常への配慮
工事の実施時間は原則午前8時〜午後6時、土日祝日は休工とされる。ただし、気象条件や作業の進ちょの都合で時間外作業となる可能性がある場合は事前に周知するとしている。工事車両のメインゲートは国道171号線側に設けられ、東側と北側にもゲートを想定しているが、北側ゲートは基本的に緊急時のみ使用する方針だ。現場周辺の安全対策として、車両誘導員や必要に応じた警備員の配置、現場半径100メートル以内での工事車両駐車禁止などが示された。
- 作業時の騒音対策:低騒音型重機の採用と振動抑制
- 粉じん対策:淡水による散水を基本とする
- 通行者対応:誘導員や警備員による安全確保
これらの対策は周辺住民の生活環境を守るための基本方針だが、工期が長期にわたるため、日常生活や通学路、近隣店舗の営業に一時的な影響が出る可能性がある。特に工事車両の出入が増える時間帯には交通の混雑や通行帯の変更が想定されるため、通行時の注意や市からの案内に従うことが求められる。
新施設の主な仕様と利用面の変化
示された施設計画の要点は次の通りだ。陸上競技場のスタンド面積は1,457.38㎡で固定ベンチシートが1,018席、車いす席は計12席(臨時車いす席14席)を想定する。新中央体育館は延床面積が12,723.49㎡で、メインアリーナはバスケットボール公式コート3面分、サブアリーナは1面分となる。メインアリーナの固定席は1,501席、車いす席12席、介助者席10席が配される。
こうした増床・増席は地域スポーツの大会誘致や日常利用枠の拡大につながる一方、既存施設の利用者は新施設の供用まで一定期間代替会場の確保が必要になる。市は利用者の移行期間や予約方法について、今後の周知で詳細を示すと見られる。
公園機能と民間施設、災害時対応
公園部分では「だれもが遊べる遊具広場」や西宮マウンテンと呼ばれるゾーン分けされた遊び場、ちびっこ広場における柵の設置など、利用者の安全を考慮した設計が示された。園路や植栽、夜間の照明計画で来訪者が四季を通じて快適に過ごせる環境を目指すという。
民間提案施設としては、1階にタリーズカフェ、2階にミズノ株式会社のゴルフレッスンスタジオが入る予定と説明された。こうした商業機能は公園利用者の利便性向上が期待される一方、商業者の出入りによる混雑などの管理も課題となる。
説明会では、災害拠点としての機能を重視する方針が強調された。
阪神大震災の教訓を踏まえ、アリーナは災害時の避難場所として想定される。非常用発電機で72時間分の電力を確保することや、防災備蓄倉庫の設置、完全空調の避難所機能、マンホールトイレの設置などが計画に含まれている。また、陸上競技場はヘリコプターの進入経路としても利用できる設計とされており、大規模災害時の拠点性を高める狙いが示された。
住民への実用的な注意点と今後の情報
完成までに長期間を要することから、住民は次の点を押さえておくとよい。
- 工事着手や通行規制、騒音発生の事前周知は市が行う予定。市の広報やホームページ、掲示に注意する。
- 工事車両の出入りが増える時間帯の通行は避けるなど安全確保に協力する。
- 既存施設の閉鎖や代替会場の情報は今後提示されるため、スポーツ団体や利用者は市の案内を確認する。
説明会で示された内容は今後の設計・施工の詳細やスケジュールにより変更される可能性がある。市は工事期間中の安全対策や利用者への配慮を続ける方針を示しているが、住民側も周知情報の確認と安全確保に努めてほしい。
(西宮支局・藤田 早紀)