高温期に警戒が必要な「細菌性」食中毒
ジメジメとした蒸し暑さが続く時期、鳥取県では食中毒に関する注意喚起を行っています。県生活環境部・くらしの安心推進課の吉村亮介衛生技師は、食中毒の予防について「細菌を付けない、細菌を増やさない、細菌をやっつける」の三原則を掲げ、家庭での具体的な対応を促しています。
季節性の特徴として、夏(6〜8月)は細菌性食中毒が増える一方、冬はウイルス性(ノロウイルスなど)が多いとされます。細菌性の代表例として報道で触れられているのは、O-157、ウエルシュ菌、カンピロバクターなどです。
家庭でできる具体的対策
- 手洗いの徹底──調理の工程が変わるタイミングでの手洗いを徹底する。生肉や魚介を扱った後、調理器具の取り替え時などは特に注意。
- 加熱基準の順守──中心温度で75度で1分以上の加熱が目安。弱火で長時間加熱しただけでは中心部が十分に上がらないことがあるため、温度計の活用が推奨される。
- 保存と冷却──できあがった料理を常温で長時間放置しない。カレーや煮込み料理も、食べきれない場合は速やかに小分けして冷蔵庫へ。
- 調理器具の順番と使い分け──まな板や包丁は「野菜→肉」の順で使う、または食材別にまな板を分ける。生の鶏肉は洗わないこと(洗うと水しぶきで周囲を汚染する危険がある)。
「調理の工程が変わるタイミングって見落としがちなんですが、都度しっかり手洗いなどを実施していただくことが重要です」――鳥取県生活環境部 くらしの安心推進課 吉村亮介衛生技師
吉村衛生技師が指摘する通り、調理中のちょっとした油断や習慣が食中毒発生のきっかけになることが多く、家庭内での注意が第一の防御になります。
よく問題になる細菌と留意点
報道等で例示される主な細菌と、家庭での留意点を整理します。
| 細菌 | 発生しやすい原因 | 家庭での対策 |
|---|---|---|
| O-157 | 加熱不十分な肉、汚染された生野菜等 | 加熱の徹底、肉と野菜の調理器具の使い分け |
| ウエルシュ菌 | カレーなどの煮込み料理を常温放置 | 調理後は速やかに冷却して冷蔵保存 |
| カンピロバクター | 生の鶏肉の汚染 | 鶏肉は洗わず十分に加熱、調理器具の消毒 |
県の取り組みと住民への呼びかけ
鳥取県は6月から9月を「食中毒警戒月間」と定め、気温が高い日が続く際には「食中毒注意報」を発出して注意を促しています。行政からの情報発信に加え、家庭や飲食店での基本的な衛生管理が被害を未然に防ぐ鍵になります。
具体的な行動としては、調理前後の手洗い、調理器具の使い分け、中心温度の確認、調理後の迅速な冷却と保管など日常に取り入れやすい対策が挙げられます。特に高齢者や幼児、持病のある人は重症化しやすいため、家庭内でも一層の注意が必要です。
夏場の食事は気温の影響で傷みやすく、少しの不注意で集団発生につながるリスクがあります。県の注意期間を契機に、家庭ごとに点検・習慣化しておくことが重要です。
発熱、激しい腹痛、血便、長引く嘔吐など異常がある場合は、早めに医療機関を受診してください。自身や家族の健康を守るため、日々の小さな習慣の見直しが有効です。