県警が啓発動画3本を公開、著名人起用で注意喚起
愛媛県警察は、SNSを悪用した特殊詐欺が増加していることを受け、特殊詐欺被害防止を目的とした啓発動画を3本制作し、特設サイトおよび動画共有サービスで公開した。動画には、県出身のタレント村上ショージさんと県内で活動する芸人らが出演。親しみやすい表現で最新の手口と具体的な対策を示している。
「怪しい誘いは迷わず『ドゥーン!』と跳ね返せ!」
県警は、令和8年6月末時点で県内の特殊詐欺被害総額が前年度に比べ13億円以上増加していること、またニセ警察詐欺とSNS型投資詐欺が被害件数の50%以上を占める現状を示し、幅広い層へ向けた周知の必要性を強調している。
公開された動画の内容とポイント
- ニセ警察詐欺【電話篇】:銀行口座が犯罪に使われていると偽り金銭を振り込ませる手口と、警察庁推奨の詐欺防止アプリによる対策を紹介。
- ニセ警察詐欺【ビデオ通話篇】:偽物の警察手帳やビデオ通話で信用させる手口に対し、「本物の警察はビデオ通話をしない」と注意喚起。
- SNS型投資詐欺篇:SNS上での「元本保証」などの誇大広告に基づく架空投資アプリの誘いに対し、顔見知りでない相手からの投資話を信用しないことを呼び掛ける。
県警が示す具体的な対策と推奨ツール
動画では、電話やメッセージを自動的に識別・ブロックする機能を備えたアプリや、警察が推奨する相談窓口の利用を具体的に案内している。県警は個人だけでの対策に限らず、家族や地域住民による見守りと早期の気付きが被害を防ぐ重要な要素だと説明している。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 被害総額(増加分) | 13億円以上(令和8年6月末時点で前年超) |
| 被害の主な割合 | ニセ警察詐欺・SNS型投資詐欺で50%超 |
地域住民への影響と実務上の留意点
被害額の急増は、高齢者だけでなく、SNSやスマートフォンを日常的に利用する幅広い年齢層にリスクが及んでいることを示している。特に次の点が実務上重要だ。
- 窓口や家族による早めの情報共有:親族が普段と異なる金銭のやり取りを始めた場合、まず周囲が声を掛け、警察相談へつなげること。
- 通信機器の設定とアプリ利用:着信表示やメッセージの自動判定機能を有効にし、警察推奨のブロックアプリを導入すること。
- SNS上での投資話への慎重な姿勢:高収益や元本保証をうたう勧誘は、第三者に相談するまで手を出さないこと。
県内での周知方法と今後の取り組み
県警は今回の動画公開を皮切りに、地域の広報紙や自治体の掲示、福祉・高齢者支援の現場と連携した啓発活動を進める見込みだ。映像は若年層にも届きやすい構成を意識しており、SNSを介した情報伝達経路そのものを利用して注意喚起する戦略が取られている。
地域の自治体や民間事業者にも、従業員や利用者への定期的な周知を求める必要がある。金融機関や郵便局など、直接金銭取引にかかわる機関との連携強化も被害抑止に寄与する。
住民に向けた実用的なチェックリスト
- 電話やメッセージで「今すぐ振り込め」「口座確認が必要」と急かされたら一旦保留にする。
- 警察官や金融機関の職員を名乗る相手からのビデオ通話や本人確認書類の提示を即座に信用しない。
- SNSで知り合った人物の投資話は、第三者に相談し、安易に個人情報や口座情報を教えない。
動画の視聴や詳しい対策は、愛媛県警の特設ページおよび公開されている各動画(YouTube)で確認できる。被害に遭った疑いがある場合や、怪しい連絡を受けた場合は、躊躇せず最寄りの警察署や「#9110」(全国共通の警察相談電話)などの相談窓口へ連絡してほしいと県警は呼び掛けている。
県内で増加する詐欺被害を抑えるには、個人の警戒だけでなく、家族や地域が声を掛け合う仕組みづくりが欠かせない。啓発映像はその入り口として機能することが期待される。
(青木 沙織・愛媛県担当記者)