日本医師会長が熊本を視察、長期支援を約束
公益社団法人日本医師会の松本吉郎会長は8月21日、令和8年の熊本地震発生後2度目となる被災地視察を行い、熊本県庁で木村敬知事と面会した。面会では、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の派遣状況などについて説明があり、日本医師会側は今後も必要な支援を継続していく意向を示した。
視察は被害の大きかった地域を中心に実施され、特に八代市周辺での現状把握が重視された。現地では医療関係者や各地域の医師会長らとの意見交換が行われ、「水不足が依然として課題」や「閉鎖していた医療機関に患者が戻っていない」といった報告があった。
「復旧はしてきているとは聞いているが、引き続き必要とされる支援を行っていきたい」——松本吉郎・日本医師会長
八代北部地域医療センターの吉田光宏院長は、在宅や避難所で暮らす人々への対応を踏まえるとJMATのニーズは高いと指摘。現場の医師らからは、日本医師会長の訪問が励みになったという声も聞かれた。
現場が示す課題と住民への影響
視察で示された主な課題は次の通りで、いずれも住民の日常生活や医療アクセスに直結する内容だ。
- 医療機関の閉鎖と患者の不在:被災に伴う機能低下や閉鎖により、受診が困難な状態が続く地域があり、帰宅した住民の医療継続に支障が出ている。
- 水不足:複数の地域で水の供給が課題となっており、医療機関の復旧や衛生管理にも影響を与えている。
- 長期的な医療支援の必要性:在宅療養者や避難所で暮らす人々への継続的な医療支援が求められている。
これらは短期的な救急対応のみならず、生活再建に向けた中長期の体制整備が必要であることを示している。医療機関が地域に戻らないままでは、慢性疾患や定期受診を必要とする住民の健康リスクが高まる。
現行の支援体制と今後の見通し
視察には水足秀一郎・熊本県医師会長や地域の医師会長が同行し、JMATの活動や船舶を使った医療提供など、これまでの支援実績と現状が共有された。報告の中には「はくおうII」船内での医療活動についての説明も含まれている。
日本医師会は今回の訪問を踏まえ、JMATを中心とした医師派遣など必要な対応を継続していく考えを示している。地域の医療現場からは、外部からの人的支援や物資支援が継続されることを期待する声が上がっている。
住民への当面の助言
今回の視察結果を受け、被災地域の住民が自ら備えておくべき点は次のとおりだ。
- 服用中の薬は余裕を持って確保し、処方箋や薬の名前を控えておく。
- 慢性疾患がある場合は、近隣の受診可能な医療機関や避難所の医療体制について、自治体や医師会の情報をこまめに確認する。
- 水の確保や衛生対策について、自治体の給水情報・支援物資配布の案内を注視する。
なお、日本医師会は問い合わせ先として地域医療課、広報課の電話番号を公表している。被災地で医療に関する支援や相談が必要な場合は、自治体窓口や医師会を通じて情報を得ることが重要だ。
今回の視察は、外部組織による励ましにとどまらず、医療資源の配分や継続支援の必要性を行政と医療側で共有する機会となった。熊本の被災地にとって、医療体制の早期復旧と長期的な支援継続は地域の再生に不可欠であり、今後の具体的な取り組み状況が注目される。
| 視察日 | 8月21日 |
|---|---|
| 主な参加者 | 松本吉郎(日本医師会長)、水足秀一郎(熊本県医師会長)ほか |
| 主な課題 | 医療機関の閉鎖、患者の戻りの遅れ、水不足、JMATの継続的なニーズ |