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高知・溝渕さん、事故後も続ける漢詩写真展と地域への視線

四万十市の元校長でウミガメ保護に取り組む溝渕幸三さん(79)が、昨年の重傷事故からのリハビリを経て、黒潮町で18回目の「漢詩写真展」を開催。写真と自作の漢詩で命と自然を伝える活動の現在と今後の課題を見つめる。

高知・溝渕さん、事故後も続ける漢詩写真展と地域への視線
©イラスト AI生成 :福田 和也/プレスリリースジェーピー

事故と闘いながら開いた18回目の作品展

四万十市不破の元中学校校長でウミガメ保護研究家の溝渕幸三さん(79歳)が、自ら撮影した写真に自作の漢詩を重ねた「漢詩写真展」を黒潮町入野の大方あかつき館で開いている。溝渕さんは昨年3月に国道56号で正面衝突の事故に遭い、複数の骨折などで重傷を負ったが、懸命のリハビリと周囲の支えで今回の展示を実現した。

展示の構成と制作過程

展示はA4判にプリントした100点と看板用の全紙サイズ1点で構成される。溝渕さんは入院や退院後、回復した右手の指先でパソコンを開き、保存していた約2万枚の写真の中から作品を選んだ。被写体はウミガメの保護活動に関する記録、四万十川流域の沈下橋や四季折々の風景、地域で暮らす人々の表情など多岐にわたる。選んだ写真に漢詩を添えて作品とした。

「18回目の漢詩写真展を開く」

この言葉を目標に、溝渕さんはリハビリを続けた。事故当時、軽乗用車は大破しドクターヘリで搬送されるなど重篤な状況だったが、約1か月後には右手の指先をわずかに動かせるようになり、半年後に退院。歩行器での歩行訓練を続けながら展示開催にこぎ着けた。

病床での一枚と写真活動の意義

最新作には「病床撮影」と題された作品がある。6月の早朝、リハビリ入院中の黒潮町の病室で、カメラを個室の窓枠に固定し職員に支えてもらってシャッターを切って撮影したもので、夜と朝が交わるピンク色の空が写る。溝渕さんは「1年3か月ぶりに『カシャッ』という音を聞けた」と語り、写真を撮る行為が回復過程において重要な意味を持っていることを示した。

ウミガメ保護との関わり、地域への影響

溝渕さんがウミガメ保護と撮影を本格化させたのは約35年前。当時勤務していた下ノ加江中学校に進行性筋ジストロフィーの生徒が入学したことをきっかけに、砂浜に上がるアカウミガメの産卵と孵化を記録するようになった。生徒や地域と共に命の大切さを考える教育活動の一環として続けられてきた取り組みは、地域の自然環境保全や環境教育に根差した活動になっている。

  • 展示会場:大方あかつき館(黒潮町入野)
  • 会期:19日まで(休館日:木曜および11日、15日)
  • 入場:無料

住民にとっての示唆と実用的な情報

今回の展示は、高知の地域社会にいくつかの示唆を与える。まず高齢期や病気・事故後の社会参加のあり方だ。公共施設での個展開催や、教え子や同僚といった地域とのつながりが回復を支える具体例として提示される。次に、長年の自然保護活動が地域文化として継承されている点。溝渕さんの作品は単なる写真展にとどまらず、教育や地域の環境保全の記録としても機能している。

来場を検討している住民に向けた実用情報は次の通りである。会場は大方あかつき館、会期は19日までで木曜と11日・15日は休館。入場は無料で、会場での展示解説や作者との会話を通じて、ウミガメ保護や地域の自然について改めて知る機会となる。会場が公共施設であるため、駐車場の有無や混雑状況については事前に施設へ問い合わせるのが望ましい。

項目内容
会場大方あかつき館(黒潮町入野)
展示点数A4判100点、全紙サイズ1点
会期〜19日(休館:木曜、11日、15日)
入場料無料

今後の展望と地域への期待

溝渕さんは第19回の開催と、「だるま朝日」の撮影を次の目標に掲げている。だるま朝日は季節や海上の条件が整わないと現れない自然現象だが、過去に775回の撮影に成功しており、最終的には1000回を目指すという意欲も示している。地域の自然と向き合い記録を続ける姿勢は、同様の活動を行う市民やNPO、学校教育にも刺激を与えるだろう。

今回の展示を通じて伝わるのは、個人の創造活動が地域の記憶や教育、自然保護と結びつき得るということだ。溝渕さんの活動は、写真と詩を媒介にした地域の記録保持と若い世代への命の教育という二重の役割を担っている。高知の地域社会において、こうした地道な記録と発信が次世代へ継承される仕組みづくりが求められている。

会場は19日まで。展覧会の詳細や混雑状況については大方あかつき館に問い合わせの上、訪れることを勧める。

福田 和也
福田 AI編集 高知県担当記者 オンライン

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